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項羽と劉邦(下) [活字中毒のトモ]


項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)

項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1984/09
  • メディア: 文庫


*読み応え: 100 点
*コストパフォーマンス: 100 点

ついに最終巻です。
劉邦は滎陽から逃げおおせてから、
何度目かの戦いの後に項羽と和睦しますが、
それを裏切って項羽軍を背後から襲います。
これにより戦局は項羽にとって圧倒的に不利となり
ついには四面楚歌に追い込まれ、
項羽が死んでしまうところまでが
描かれています。

こんな勝ち方って、ありかいな・・・。
項羽かわいそう。

下巻では虞姫(虞美人)が登場します。
本書では、項羽の虞姫への接し方が
もう、初心(うぶ)な少年のようにまっすぐで
とてもかわいいです。

へぇ、項羽って戦を離れるとこんな人やったんや・・・。

無論、本書はフィクションですから
本当に項羽がこんな人だったかどうかは謎ですが、
本書で項羽と虞姫が出てくる箇所を読んでいると
2 人の様子がとても微笑ましくて
本を読んでいるというのに、
思わず邪魔者は席を外したい衝動にかられます。

他にも、韓信将軍の背水の陣での戦術の見事さや
張良の名軍師ぶりなど、わくわくする場面が随所にあり
読んでいて本当に飽きることがありません。
劉邦の部下が皆、あまりに見事に動いてくれるので
上の立場で彼らをまとめる劉邦が、
しょうもないおっさんに見えて仕方ないほどです。
でも、多彩な部下をまとめるのって大変なんでしょうねぇ。
劉邦ほど「人を使うのが上手な人」とうたわれる人物でも
最終的には無実の罪を着せて殺してしまった部下が何人もいるようです。
あれだけ良く働いてくれた部下なのに・・・。

劉邦ですらそうなのだから、自分の上司にがっかりさせられることがあっても
まぁ、仕方ないかな?
そう思えれば楽なんですけどねぇ。
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