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格差社会はウソである [活字中毒のトモ]


格差社会論はウソである

格差社会論はウソである

  • 作者: 増田 悦佐
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/02/26
  • メディア: 単行本


欧米社会と同じように、日本も格差社会になったと言われていますが、

「そんなことないよ。日本はまだまだ格差社会なんかじゃない。
それどころか、エリートと非エリートの垣根が世界で一番低い社会である」

というのが、本書の主旨であると思います。
世の中を、意外な観点から鋭く観察していて、面白い本でした。
410 ページもある単行本だったのですが
読み始めるとなかなか面白くて、挫折せずに短期間で読みきることができました。

欧米では、一部のエリートが社会的にものすごい権限を握っていたり
昔ながらの階級社会が今でも根強く残っていて
上流階級の家庭と下流の家庭では、お茶の飲み方も違うほどだが
日本はエリートと非エリートを比べると
頭の良さも生涯賃金も、それほど大きな開きがあるわけではない。
さらには、女性の体格がどんどん良くなってきたので、男女差も狭まる傾向にある。
日本は図らずして、格差どころか真の平等社会に向かって突き進んでいるのだ!
・・・てなことが書いてあります。

日本人の男女の体格差が狭まっていることと
日本国内の DV 件数が世界的に少ないことと、関連性があるとは思いませんでした。
これはどういうことか?
つまり、体格の良くなった女性は、やられているだけではなく応戦できるので
そもそも男性が「こいつは殴れば言うことを聞くだろう」と思うことが少なくなっている、
ということのようです。
そんなことあるかい!と反論したくなりますが
海外のデータと比較されると、なるほどーというか確かにというか
たいていの白人男性は、ガタイがいいですからね。
彼らと対等に殴り合うなんて、到底無理、というか考えもつきません。
それに比べたら、ということなんでしょうね。

他にも、
「日本人の子供は、世界中の子供と比べると、"家に帰れば安心" と思う子が少ない」とか
「教育費と所得を比較すれば、どの家も似たような割合の金額を教育に投資している」とか
ぱっと見なんのことやら分からない統計データをいっぱい駆使して
びっくりするような結論を導いてくれています。
データって、見方を変えればおもしろいんですねえ。

そして、それらを総合すると
日本は決して格差社会ではなくて、むしろ平等社会に近づいている、というのです。
知的エリートたちが推し進める社会の合理化なんてXXくらえだし
アホな上司の下で着実に実績を上げる日本人ってなんて偉いんだろう。
社会が「幼児化」しているって言われるけど、幼児化は進化には避けて通れない大道だと思う。
等々、面白いことがいっぱい書いてあります。
もちろん、この意見に突っ込みを入れたくなる人はたくさんいると思います。
でも、物の見方ががらりと変わる、斬新な意見だと私は思います。


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