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どうして君は友だちがいないのか [活字中毒のトモ]


どうして君は友だちがいないのか (14歳の世渡り術)

どうして君は友だちがいないのか (14歳の世渡り術)

  • 作者: 橋下 徹
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2007/07/23
  • メディア: 単行本


14 歳の世渡り術シリーズ です。

現在の大阪府知事、橋下 徹さんの著書です。
ご自身の転校経験をベースに、独自の人付き合い論を展開されています。
巷で語られている多くの友情論とは少し毛色の違った話です。
だって、第 1 章はいきなり
「友だちなんてためにならない」
から始まるんですよ。世の中で一般的に言われていることとはずいぶん違います。

小学 5 年生と、6 年生の時に転校を経験した橋下少年(当時)は、
6 年生の時に移った先の小学校で、暴力を伴ういじめを受けました。
普通の子供なら、一人で応戦したり、いじめを苦に不登校になったりしそうなのですが
橋下少年の取った解決策は、違ったものでした。
それは、「強いものには巻かれろ」作戦でした。
それに、友だちって、それほど執着すべきものでもない、みたいなことも
書かれています。
執着しなくても、ベストフレンドなんていなくても
「いっしょにいてイヤじゃない」程度で十分じゃないか
それ以上深入りしなくても、相手とは十分友だちだし
友達なんて、その程度の存在だよ、と言っています。

この人、小さな頃からの経験を、その後の人生に一生懸命活かしてきた方ですね。
そして、自分が経験されたことを、とても細かく分析されている。
私が子供の頃、こんないじめの解決策、考えもしませんでした。
もちろん、大人になっても、本書を読むまで思いつきませんでした。

本書のタイトル「どうして君は友だちがいないのか」に対する答えとして
橋下さんは「理由はない」を用意されています。
大人になってからの人付き合いならともかく、14 歳頃の友だち関係に
理由も何もないのだと。
たまたま近所に住んでいるからという理由だけで
同じ学校に通っているだけの人間たちの集団の中でのいじめのネタなんて
たいしたものではない。
だから、いじめられたからといって「自分に悪いところがあるからじゃないか」
と悩む必要はまったくないし
人間関係なんて、すぐにころっと変わるから
他の子とつるみながら、ただ待っていればいいんだよ、と書いてあります。

いじめにあっても、引きこもりになるな、不登校になるな
その後出逢うはずの、大切な人と出逢えなくなるから。
学校には人間関係を学ぶ大事なエッセンスが詰まっていると、
繰り返し書いていらっしゃいます。
ご自身がいじめに遭った経験と、
弁護士としてアウトローな人たちと関った経験を交えて
心が折れそうな 14 歳に、
肩の力を抜いて、学生生活をやり過ごすよう、
分かりやすい言葉でエールを送られています。

この本は、確かに 14 歳向け。
娘の本棚に置いておこうと思いました。
いじめに遭っている子も、そうでない子も
読了後には、ちょっと肩の力を抜いて学校生活を送れること、間違いありません。







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