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テンペスト 第三巻 秋雨 [活字中毒のトモ]


テンペスト 第三巻 秋雨 (角川文庫)

テンペスト 第三巻 秋雨 (角川文庫)

  • 作者: 池上 永一
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/10/23
  • メディア: 文庫


清国の国相、除丁垓を殺した罪で八重山に流された寧温。
そこでコレラに罹り、死んだものとみなされたことで
寧温は真鶴(女性)に戻って、第二の人生を歩みだします。
ただ、王宮への思いは断ち切れず、なんとかして戻ろうと画策するうちに
王府の役人をもてなす為に踊った舞を評価され
王の側室として王宮に入ることになります。

男ではなく、今度は女として王宮の過酷な生活を送る真鶴。
果たして彼女は、王妃や聞得大君から受けるいじめに耐えられるのでしょうか。

このお話、第三巻で側室の真美那が登場してから、
さらに軽いタッチで書かれているように思います。
ライトノベルみたい。
なので、第三巻も一気に読み終えました。

ヒロイン真鶴の悲劇も涙を誘いますが、
このお話で一番かわいそうなのは、なんといっても元聞得大君の真牛でしょう。
作者は意図的に、真牛をこれでもかと痛めつけているような感じがします。
でも、ちゃんと這い上がってくるのですよね。
書いていて、結構楽しかったんじゃないかしら。

側室、真美那も面白い人物です。
こんな人がいたら、私も友達になりたいくらい。

また、本書を読んでいると、
今までひらがなでしか認識できていなかった琉球言葉が
漢字でもちゃんと認識できたので、良い本を読めたと思いました。
例えば、首里天加那志(しゅりてんがなし)とか。
首里天加那志は、琉球の国王を指すのですが、
この本を読むまで「加那志」という言葉が目上の人を敬って呼ぶ尊称だとは知りませんでした。
「龍神ガナシー」って、ここから来ていたのですね。
「親雲上」(ぺーちん)が、士族の称号だというのも、本書で初めて知りました。
「琉神マブヤー外伝」に出てきた「じんぶんぺーちん」って、もともとは士族だったんだ・・・。
(発見は、全部マブヤーがらみ?)

軽い文章な分、こういう難しい言葉も身近に感じられます。
難しい言葉も、昔はこんな風にすっと頭に入る言葉だったのかもしれません。

そうそう、寒いから、首里城 に行きたいけど、行きたくない・・・と尻込みしていたのですが
義母の「首里城行きたいわ」の一言で、一気に背中が押され
寒い正月の最中に行ってきました。

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守礼門を通り

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歓会門をくぐりぬけ

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漏刻門を通って

KC3X0093.JPG
やっと正殿。長いってば。

正月でなまった身体には、いい運動になりました。
御殿に入るまで、石の階段が多すぎです。
こんなの毎日昇っていたら、さぞかし鍛えられるでしょうね。
昔の役人は、どうやって出勤していたんでしょうか。

例によって、私は無料コーナーしか廻らなかったのですが
西のアザナから見る那覇市街は、曇天ながら壮観でした。
王は毎日この光景を見ておられたのでしょうかね。
テンペストをお読みになられた皆様、首里城へ行くとおもしろいですよ。
逆に首里城へ行かれる際は、事前にテンペストを読むとかなり楽しめると思います。
(そこまでするかって気もしますが・・・全然違いますよ)
是非お試しください。



タグ:テンペスト
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