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バカの壁 [活字中毒のトモ]


バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/04/10
  • メディア: 新書


何年か前のベストセラーですね。
今まで読んだことがなかったんですが、
「バカの壁」というタイトルだけが一人歩きするほど有名な本なので
気になってはいたのです。

タイトルにもなっている「バカの壁」って何なのかということですが
本書を読んでも、バカな私は上手に説明が出来ません。
人の話や説明を聞いて「分かりました」という人は多いけれど
本当にその内容を分かっているのかというと、決してそんなことはない。
人のバックグラウンドや考え方によって、物事の捉え方は全く違うので
「分かりました」という言葉をむやみに信じてはいけない。
本当に分かっている人など、ほとんどいない。
「話せば分かる」というのは嘘だ。

・・・こんな概要で、合ってますかね。
まだ不安です。
本当に分かったかどうか。

非常に読みやすい本なので、あっという間に読めます。
そして、本書で提起されている内容は、
私が常日頃不思議に思っていたことが多かったので
興味深く読みました。
ですが、日ごろから思っていたことが書いてあっただけで
その解決策は提示されていませんでした。

例えば、合理化の末路として、
仕事が簡略化され、仕事にあぶれる人が増える、
つまり人が働かなくてもいい環境が整いつつあるのに
今度は失業問題で苦しまなくてはいけないというのは、どういうことなのか
これは私も今疑問に感じていることだったのですが、
本書にも同じようなことが書いてありました。
でも、結局のところ、これをどうしたら解決できるか良く分からないままでした。
仕事の配分を考え直す、なんてことが本当に出来るのかしら。

だけど、常日頃から疑問に思っていたことが
本当に色々と提起されていて、
「個性って何だ」とか「記憶の達人の脳の話」とか
すごく興味深く読みました。
人間は「共通了解」つまり多くの人と分かりあうために
色々な手段を考え、発展してきている
というのはかなり納得でした。
だから、同じ記号で理解できる数学が発達するし
世界中で英語を話そうとする人がいるのですね。
(エスペラントは流行らなさそうですが・・・)

解剖学者の立場と、きちんと年を重ねてきた爺さんの視点で
現代の人間について鋭い考察をされた本です。
こういう本を読むと、年寄りの話は聞いてみるもんだと思うし
それどころか、もっと色々とお話を伺いたいと思いますので
続編も読んでみようと思います。







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