SSブログ

マドンナ・ヴェルデ [活字中毒のトモ]


マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)

マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/02/28
  • メディア: 文庫


沖縄タイムスに、文庫本の広告が出ていたので、買ってみました。
海堂さんの本は、「チーム・バチスタの栄光」以来ですので、5 年振りです。

「メゾン・ド・マドンナ」というマンションの 1 室に暮らす山咲みどりは 55 歳。
ある日、産婦人科医である娘の理恵から、
代理母として理恵の子を出産して欲しいと言われます。
理恵の頼みを受け入れ、みどりは娘の子を妊娠しますが・・・。

このお話、色々なところに疑問があります。
まず、母だからといって、子どもの代理母になることをあんなに簡単に了承する親が
どこにいるんでしょうか。私ならもっと不信感でいっぱいになるはずです。
何も考えないようにして、娘の頼みを受け入れ
のこのこと娘の勤務先に向かい、受精卵を身体に入れるのを許可する・・・。
この女性は、アホですか?
母親を非常にバカにしていませんか。
こんな親、いないでしょ、ていうか、いてはいけないと思います。

娘の方も娘で、作者は彼女に
「どうして他人の受精卵を、不妊治療をする女性の腹に戻してはいけないのか?」
と言わせています。
バチスタの頃と何も変わっていないのですね・・・。
医療で出来ることと、倫理の狭間を行ったり来たりしている。
なぜいけないの?という問いには、絶対的な答えがないのを分かっていて
こういう質問を提起されている。個人的には、不快感しか湧いてきませんでした。
事前に何の相談もなく、他人の受精卵をお腹に入れられたことが判ったら
私なら激怒モノです。事前に説明がないのが、一番不快です。
説明があったなら、断る、という選択肢ももてたのに。

登場する人物誰もが、他人への思いやりのない人に見えます。
自分のことばっかり考えている人だらけ。
こんな人たちばかりが目の前にいて「何故他人のことなんて考えなくてはいけないの?」
なんて質問をされた日にゃ、その人たちが私の視界に入らない場所まで
逃げないといけません。
とりあえず、お話であったことを感謝しておきます。




nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 3

コメント 2

Sanchai

私がどうしても読む気になれなかった海堂作品です。
『ジーン・ワルツ』で展開されたお話を、主人公を替えて別の視点から描いたもので、オチもわかっていますし、うしこさんもお感じになられたと思いますが、登場人物がどうも好きになれない人たちばかりで…。
多分、この作品は読まないと思います。
by Sanchai (2013-04-28 19:38) 

うしこ

>Sanchai さん

お読みにならない方が良いと思います。お薦めしません。
「ジーン・ワルツ」も似たようなお話なのですね。
ではもう、この作者さんの本は「読んではいけない」リストに入れた方がいいかもしれません。。
by うしこ (2013-04-29 08:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0