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酔いがさめたら、うちに帰ろう [活字中毒のトモ]


酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (講談社文庫)

酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (講談社文庫)

  • 作者: 鴨志田 穣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/15
  • メディア: 文庫


ご存じ、西原 理恵子さんの元ご主人、鴨志田 穣さんの著書です。
いや最近、健康診断の結果が返ってきたのですが、γ-GTP の数値があまり良くなくて
お酒をもう少し減らさないと・・・と思いまして
アル中の人ってどうやってお酒をやめるのかなー、と
極端なほうから読んでみることにしたのでした。

読んでみると、鴨志田さんの γ-GTP の最高値は 1800 ということで
私の数値とはケタが 2 つも違いますので、ちょっと安心・・・いや、アカンやろ。
そんなことで安心していてはだめで、どのようにしてお酒をやめることができたのかを
参考にしないと・・・とさらに読み進むと
お酒が原因で 10 回も吐血したと書いてあります。10 回!!
本書の最後に「この物語はフィクションです」と書かれているので、
回数自体は怪しいかもしれませんが、お酒を飲み続けて身体を壊して
それでもぼーーーっとしたままの感覚が、嫌というほどよく分かる文章でした。
吐血して倒れる時の文章なんか、本当にリアルです(経験したことはありませんが)
あーきっと、酒飲みが倒れる時って、こんな感じなのね・・・と
光景が鮮明に想像できました。

そこまでひどい酒を、どうやって断ち切ったかというと
もう精神病院に入院して、断酒するしかなかったのです。
でも入院して治療を受けて、鴨志田さんはしらふになって戻ってきましたが
そうはならずにスリップ(滑って失敗するということ?)して
また飲み始めてしまう人も多いようです。
断酒できるかどうかは、「人による」んでしょうね。

先日まで、習慣を変えることについて書かれた本をいくつか(これ とか これ)読んでいましたが
これらの法則を酒飲みの習慣にも適用できるかしら。
とりあえず、10 年先にも吐血しないでへらへら飲んでいられるように
習慣を少し変えてみようと思います。
そう、はたから見れば、少ししか変わらないんです。
それを実践できるかどうかは難しいですが。

巻末の解説(映画監督の東 陽一さんが書いていらっしゃいます)を読むと
鴨志田さんのことを「人に好かれる病人」と評していらっしゃいますが
実際にこの人が身近にいたら、周りの人は大変だろうな、と思いました。
自分のことがとても好きで、何かしたいことがあったら周りへの影響を考えずに突き進む。
ウソをついて前の仕事を辞めてまで、新しい環境へ飛び込んでいきます。
そして衝撃的なことを乗り越えるために、お酒を浴びるほど飲む。
吐血して倒れて、救急車で運ばれる。
・・・確かに、人に好かれていないと、この行動パターンは成り立たないかも。
人付き合いの苦手な人なら、1 回倒れたら終わりですよね。
周りに何とかしてくれる優しい人がいるから、何度倒れても生きて帰ってこれるんだ。
ご本人も、それはよく分かっていたのかも。
そうでなければ、もう少し早く酔いを醒まして、うちに帰れたかもしれません。

読了後の後味はあまりよくないですが、とても参考になる本でした。




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