箱庭図書館 [活字中毒のトモ]
またしても乙一好きの同僚が、「これは怖くないですから」と薦めてくれました。
乙一さんが、集英社の文芸単行本公式サイト「RENZABURO」で
「オツイチ小説再生工場」という企画を開催していらっしゃいまして
一般人が投稿した短編小説を、乙一さんがリメイクし、
いくつかをまとめて 1 冊の本に仕上げた作品です。
以下の 6 つのお話で構成されています。
・小説家のつくり方
・コンビニ日和!
・青春絶縁体
・ワンダーランド
・王国の旗
・ホワイト・ステップ
もとは全然別の人が書いた作品なのに、どのお話もきちんとつながっていて
読んでみてまったく違和感がありませんでした。
それに乙一さんが書いたことが良く分かる作品でした。
作品によっては切なく、またある作品はコミカルで、ある作品はちょっぴり怖いのですが
どのお話にも、本を読むのが異常に好きな潮音さんという女性が、ちらりと登場します。
6 話それぞれが、時間と空間がまったくばらばらなお話と思われるのですが
絶妙にかみ合っていて、読み手を飽きさせません。
私が好きなお話は「コンビニ日和!」と「青春絶縁体」、「ホワイト・ステップ」の 3 編です。
特に「青春絶縁体」などは、中田 永一さん名義で出ていても全然おかしくないというか
きゅんとくる作品で、心へのダメージがまったくありませんでした。
というわけで、乙一名義の作品にしては、かなり好きです。
S さん、面白い本を貸してくれて、どうもありがとう。
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