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ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える [活字中毒のトモ]


ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

  • 作者: ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/05/21
  • メディア: 単行本


仕事につかえるかも・・・と思って読んでみました。
「ビッグ・データ」という言葉がよく使われるようになりましたが
統計学と何か違うのかしら。
こういう内容は、本が出ている時点でもう、情報がだいぶ古いイメージもありますが、そこはそれ。
今のデータの取り扱い状況が良くまとめられていて、分かりやすい本でした。

著者は、オックスフォード大学のオックスフォードインターネット研究所に所属する
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー教授と
「エコノミスト」誌のデータエディターを勤める、ケネス・クキエさんです。

ビッグ・データは、膨大な量のデータの総称ですが、
これは扱い方しだいでいろいろな可能性が開ける道具であること
ビッグ・データが注目され始めたことによって、世の中がどのように変わったか
またこれから世界がどのように変わっていくかが書かれています。
さらに、ビッグ・データのマイナス面にもフォーカスを当て
膨大なデータをどのように扱っていけばいいかが考えられています。

ビッグ・データの概要を知りたいときには、良い本です。
参考文献や注も含めて 318 ページもありますが、
日本語訳が読みやすいので苦痛ではありません。

馬の画像 1 枚では、ただの静止画ですが
多くの枚数の画像を使って 1 秒に 24 コマの速さで動かすと動画になるように
1 件のデータも大量にためていくと、1 件だけでは見えてこなかった相関性が
見られるようになるそうです。
一見、ただ大量に集まっただけのデータに見えるかもしれない情報も
分析次第では面白い情報を導き出せるのです。
ただ、導き出した情報が正しいかどうかは不明なのですが
それでいてそこは全く重要ではないのだそうです。
情報が正しくなくても、ある程度は構わないようです。
今までだと、いかに正しい事実を導き出すかがカギだと言われていた
データ分析の常識が、見事に覆されています。

これまでは、出来事の「理由」を探るのが当たり前でしたが
これからは「データの相関関係を見つけ、それに合わせて行動する」
という考え方が主流になっていくと書いてあります。

・・・これ、私にもできるかしら。

非常に面白そうで、ぜひその方法を覚えたいと思うのですが
今持っているデータの相関関係を調べやすいように加工するのが大変な気がします。
表計算ソフトを使うにしろ、データは見やすいように手入力しなくてはいけないのかしら。
何か、一般人でも使えるような簡単なツールがあるとありがたいのですが。

あとは、こういうデータの使い方が主流になると、
今まで散々「個人情報保護」を叫んできたのに、何の意味もなくなるという
マイナス面が指摘されていました。
下手をすると、ジョージ・オーウェルさんの書いた「一九八四年」みたいな世界に
なってしまうかもしれないので、それを避けるために
これまでとは大きく異なるプライバシー保護の枠組みが必要となるようです。
データ収集時に個人にデータ使用の同意を求めるのではなく
データ利用者に責任を負わせる仕組みにしないとダメだと書いてあります。

読んで、非常にワクワクした本でした。
私もぜひ、ビッグデータから面白い相関性をあぶりだすスキルを身に着けたいです。
単なる大量のデータを、上手に使えるようになるには、どうしたらいいでしょうか。




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コメント 2

zu2

word2vec などはいかがでしょう?
http://www.slideshare.net/unnonouno/20140206-statistical-semantics
by zu2 (2014-04-27 18:46) 

うしこ

>zu2 さん

ありがとうございます。読んでみました。

この「表現ベクトル」の基準って、どうやって測るんでしょうね?
足したり、引いたり、平均とったりをいつどこでやるのかは、
個人のカンにかかっているんでしょうか(まさかね)


by うしこ (2014-04-28 12:53) 

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