悪意 [活字中毒のトモ]
「赤い指」と一緒に、同僚 K さんが貸してくれました。
2 つ続けて「加賀 恭一郎シリーズ」を読みましたが、私は「赤い指」の方が好きです。
(あれ、もう結論出て終わり・・・?)
作家日高 邦彦は、バンクーバーへの移住を計画していましたが
移住前日に、何者かによって殺害されます。
どうやら犯人は、彼の友人である野々口 修であるようなのですが
野々口の語る動機について、加賀刑事は不信感を抱きます。
今回も、加賀さんは自分の勘を頼りに、事件を丹念に調べていき、
犯人の意図を正確に見抜いていきます。
読んでいる途中私は、日高さんと野々口さんが入れ替わっているのだと思いましたが
真相は違いました。
タイトル「悪意」にふさわしい終わり方で、どうも読了後もすっきりしませんでした。
お話の中で、加賀刑事が昔は教師だったことが明らかになります。
しかも教師としては失格な人で、ある事件が発端となって教師を辞め、
刑事になったらしいのですが、普通に考えると、このような進路変更はかなり難しい。
非現実的であると言わざるを得ません。
加賀さん、せっかく魅力的なキャラなのだから、こんなふうに
「ダメだったからすぐ辞める」というエピソードをつけなくてもいいのに、と思いました。
これほど洞察力のある人だったら、教師としても十分に成功したと思うのです。
「赤い指」を読んだ時には、お父さんとの距離の取り方が絶妙で
この親子関係があれば、刑事を志すのも無理はないと、すんなり思えました。
「悪意」のようなエピソードはいらなかったんじゃないか・・・あ、でも
この本の方が、「赤い指」よりも前に発表されていますね。
お話の構成は、作者のその時の気分によるのでしょうね。
2014-05-01 07:55
nice!(6)
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