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「ディープな高齢社会」ニッポンで稼ぐ―消費と流通の先を読む [活字中毒のトモ]


「ディープな高齢社会」ニッポンで稼ぐ―消費と流通の先を読む

「ディープな高齢社会」ニッポンで稼ぐ―消費と流通の先を読む

  • 作者: 根本 重之
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


昨年の秋に購入した本ですが、どうも内容にピンとくるものがなかったので
感想を書くのを躊躇していました。備忘録として書きます。

拓殖大学商学部教授で、公共財団法人流通経済研究所の理事、根本 重之さんの著書。
なんか著者の肩書を見ると、大学で教科書としてこの本を買わされそうな予感がします。

このまま自然に任せていれば、日本の人口は減っていき、国内市場は縮小していきます。
また若い人は増えませんが、高齢者はどんどん増えます。
2016 年以降は、75 歳以上の「後期高齢者」ばかりが増え続けることになるそうです。
そのような「ディープな高齢社会」で、企業がどのように国内市場を開拓していけばいいのかを
検証するのがこの本の目的だそうです。
果たしてうまくいったのか・・・読んでみて微妙でした。

年を取れば、お酒を飲む量も少なくなるし、運転免許を返上する人も増えます。
それに対して、もっと低アルコール飲料を提供すればとか、
超小型電気自動車の市場導入を急ごうとか、書いてありますが
私があと 35 年年を取った時に、本当にそういうものが欲しいかどうかというと
・・・ちょっと違いました。
お酒でいえば、身体が飲みたくないというのなら、飲まなくても全然かまいませんし
車については、早く完全な自動運転の車が開発されないかしら、と思っています。
小型だろうと、電気だろうと、年を取って運転技術が怪しくなってから
運転したいとは思っていません。
宅食サービスも利用したくなくて、自分の食べたいものを、食べたい時に食べたいので
歩いていける距離に八百屋さんや肉屋さんがあるほうがありがたいと思いました。

そう考えると、老人の生活と今の市場って、全然マッチしないのですよね。
本当に老人ばかりの国になってしまったら、
「老人にいかにモノを売るか」という考え方では企業は存続できない気がしました。
市場そのものが、別の価値観を持つ何かに変わってしまうかもしれません。

40 歳の私ですら、思います。
今お金を使うことといえば、高校生の娘への、リターンが期待できない投資ぐらいしかなくて
私が個人的に欲しいと思うものなんて、ほとんどありません。本くらい?
物は、今まで買ったものでたぶんどうにかなります。
だって、ウチで使っている扇風機なんて、私が子供の頃に買ってもらったものを
そのまま使い続けて 25 年ですよ?鍋だって、大学時代に独りで住んでいたころから
そのまま使い続けていますし、食器もほとんど買いません。
唯一買い替えているのは家電くらいですが、それも 10 年スパンですから
これからあと何代変わるか・・・そんなに多くないと思います。
要するに、買いたいものなんてほとんどない、ただのんびり安心して暮らしていければいいのです。

現役の老人(!)であるわが両親を見ても、
「物なんていらん。今は死ぬまでに家の中にあるものを整理する時間」
と言い切っています。
父なんかは「酒が飲めなくなるなら、もう死んでもいいわ」とか言っていますから
低アルコールの飲料なんてまず飲まないでしょうね。
お酒は、飲めているうちに飲むのが楽しいのですから、
飲めなくなったからって低アルコール飲料にはシフトしないですよ、たぶん。

こんな人たちが主流の時代が来るならば、市場なんてどう頑張ったって拡大しないだろうし
これから日本で「稼げる」人なんて、ごくわずかだと思います。
ていうか「稼ぐ」ことに重きを置かなくてはいけないのかしら。
稼がなくても幸せに暮らせる方向で、考えたいのですが。






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