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がばいばあちゃんの幸せのトランク [活字中毒のトモ]


がばいばあちゃんの幸せのトランク (徳間文庫)

がばいばあちゃんの幸せのトランク (徳間文庫)

  • 作者: 島田 洋七
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 文庫


島田 洋七さんが、がばいばあちゃんの元を離れてから歩んだ人生のお話です。

広島の広陵高校へ野球推薦が決まり、特待生として入学した著者は
がばいばあちゃんの元を去り、お母さんとお兄さんの待つ広島へ帰りました。
広陵高校で、将来のプロ野球選手たちに囲まれて、野球の練習に励む洋七さんでしたが
怪我をしてしまい、甲子園への夢を絶たれます。
その後、広島市内の大学へ進んだものの、わずか 2 カ月で中退してしまうのでした。
今でいうフリーターをしながら、佐賀の友だちを尋ねたとき、
あるきっかけから今の奥さまと出会います。
洋七さんが奥さまを伴ってがばいばあちゃんの家を訪れると
ばあちゃんは若い 2 人を歓迎して、こう言ったのでした。

「結婚はね、ひとつのトランクをふたりで引っ張っていくようなもの。
その中に、幸せとか、苦労とか、いっぱい入っているの。
絶対、最後までふたりで運ばんといかんよ。ひとりが手を放したら、重くて運ばれん」

これが、本書のタイトルの由来のようです。

確かに、2 人なら運べる荷物も、1 人になってしまうと大変ですね。。
2 人いても、どちらかが運ぶのをやめてしまったら、同じことです。
うまいこと言うなあ、と思いました。
書いていてふと思ったのですが
どんなに貧乏な 2 人でも、1 人のときより、できることは増えますかね?
あるいは経済的に格差のある 2 人の組み合わせの場合でも
トランクは 2 人で引っ張るほうがよいでしょうか。
お金で測れる部分ばかりではないから、一般的には 2 人の方がいいのかな。

洋七さんとトランクを運んでくれた奥さまは、芸人の妻として完璧な奥さまだったそうです。
出会いはとても不純で、奥さまもよく洋七さんに付いていったなと思ってしまいますが
人生どうなるかわからないんだな、私も思い出すときには「この人生良かった」と思いたい
と暖かい気持ちになって、ページを閉じました。
「佐賀のがばいばあちゃん」と同じように、心温まるエピソードや笑えるお話がたくさんあって
でもそれだけではなくて、シビアなことも書いてあって、
洋七さんの人間らしい生き方に惹かれます。




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yu-papa

未だ読んでいませんねぇ~・・
by yu-papa (2014-06-14 20:49) 

うしこ

>yu-papa さん

気楽に読める本なので、お薦めです。
by うしこ (2014-06-15 08:10) 

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