24人のビリー・ミリガン〈下〉 [活字中毒のトモ]
「24人のビリー・ミリガン〈上〉」の続きです。
下巻では、ビリーの中の人格が 1 つにまとまった「教師」が誕生してから
ビリーが過去に犯した犯罪の裁判が行われて判決が出て、
色々な精神病院をたらいまわしにされ、虐待を受けたり、自殺を試みたりして
せっかくまとまった人格がまた分裂してぼろぼろになっていく様子が描かれています。
あとがきによると、その後もいくつもの精神病院をたらいまわしにされ
最終的に良い病院へ入院して性格が統合され、彼自身にも他者にも危険でないとみなされ
精神衛生局と裁判所から解放されたのが、1991 年 8 月だそうです。
上巻と同じように、登場人物が多すぎて分かりにくかったです。
精神病院が変わるたびに、担当医や看護師の名前も変わり(当たり前ですね)
ビリー・ミリガンという 1 人の個体に相当多くの人が関わりを持ったということは
分かりました。
でも、色々な人がかかわりすぎたせいで、治療の質がかえって悪くなり
ビリーの統合に時間がかかってしまったという印象です。
なんでこんなに精神病院をたらいまわしにされる必要があるのか、理解できませんでした。
彼が逮捕されてから(1977 年)解放されるまで(1991 年)に、14 年もかかっています。
人生に占める時間としては、相当に長いです。
また興味深かったのが、24 人が統合されて生まれた「教師」のスキルは
各人格を総合したものより劣るということでした。
使う時間は同じはずなのに、24 人が 1 人になってしまうと
アウトプットされるものが劣るって、どういうことなんでしょう?
ドラえもんでは、はんぶんこ刀を使うと、切られた人物がどんどん小さくなっていきましたが
分裂した人格は、1 つのことを突き詰めればいいので、深く追求できるのでしょうか?
使う時間は 1/24 なのに?謎です。
私も、仕事中と家にいる間の人格を分けることができたら、
もっと良い仕事ができたり、家の中がきれいになったりしますかね。
あー・・・もともとそんなスキルがなかったら、無理か。
コメント 0