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失踪HOLIDAY [活字中毒のトモ]


失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 乙 一
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2000/12/26
  • メディア: 文庫


乙一好きの同僚が「乙一名義でも、この作品は怖くありませんから」と貸してくれました。
読んでみたところ、確かに怖くありませんでした。
こんなお話がずっと続くなら、もっと読んでみたいかも。

本書は、以下の 2 つのお話で構成されています。
・しあわせは子猫のかたち
・失踪 HOLIDAY

「しあわせは子猫のかたち」は、一人暮らしをする大学生と、彼が暮らす家の前の住人
(幽霊になっています)と、彼女の飼っていた猫との心温まる同居生活が書かれています。
「失踪 HOLIDAY」は、気まぐれで家出をして、使用人の部屋に潜んだまま
事の成り行きを見守るお嬢様と、部屋に潜入された使用人との
ちぐはぐだけれども心温まるやり取りが魅力です。

そう、この 2 つのお話はどちらも、心温まる作品です。
交流相手が幽霊だったり、お嬢様と使用人のありえない交流だったり
組み合わせが何かしらちぐはぐなのですが、あまり嫌な人が出てこない
そしてちょっと笑えるお話となっています。
乙一の本では、これが一番気楽に読めました。
ちょっとわずらわしいことを忘れて、一息つきたいときにお勧めです。

乙一名義でこの作品を書けるなら、中田 永一はいらないんじゃないか
と思いましたが、作者なりにいろいろと考えるところがあるのだと思います。
ここまで書いて初めて、この作品がいつ発表されたのかを見てみました。
同僚の貸してくれた本の初版は平成 13 年 1 月となっています。
13 年も前のことだったのですね。そしてこのお話は、「暗黒童話」
(2004 年 5 月、つまり平成 16 年 5 月)よりも前に書かれているようです。
・・・単純に見ると、以前は同じ名前でいろいろなジャンルの作品を出されていたように見えます。
あ、でも怖いお話を書くときも、山白 朝子名義にしていたりしますね。。
いらんことをあれこれ考えるよりも、詳細をご本人に聞くのが一番正しい気がします。
聞ければね。。


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