なんくるない [活字中毒のトモ]
夫が読み終わった本をくれたので、読んでみました。
よしもとばななさんて、沖縄好きな人だったんですね。
本書には、次の 4 編が収録されています。
・ちんぬくじゅうしい
・足てびち
・なんくるない
・リッスン
どのお話も、沖縄が重要なカギとなるお話で
私が一番印象に残ったのは、この本のタイトルにもなった「なんくるない」です。
離婚して沖縄旅行に来た主人公が、彼女(たった 1 度だけ映画に出たことがありました)のファン
を公言する男性と恋に落ちるお話です。
こうやって書いてしまうと身もふたもないお話のように聞こえますが
こんな素敵な偶然、あったらいいのに、と思わせる作品でした。
でもまあ・・・たぶんこんなことありえないでしょうけど。
もう長いこと、よしもとさんの書いたお話を読んでいなかったので
この人がどんなお話を書くのか、すっかり忘れていました。
「キッチン」を初めて読んだ時は、お話にとても引き込まれたのに
この「なんくるない」は、そうでもなかったというか
主人公の心の内が細かく書かれすぎていて、想像の余地がない気がして
ちょっと疲れました。
主人公はみんな、自分が一番大切に思っている人に、大事なところで気持ちを理解してもらえずに
歯がゆく思っている人ばかりで
思っているだけでは、周りの人が分かってくれるはずはないのに
どうしてこんなにもどかしい気持ちばかり書き連ねているのかしら
と思ってしまうと、もう素直に感動できません。
前の結婚で、自分のペースで動けないことが苦痛だったピンキーちゃんは
これから付き合うことになるトラと、本当にうまくやっていけるのか?
言い寄られて付き合うことになった恋というのは
どう頑張ったって、自分のペースを保てるようにはならないと私は思うのですが・・・。
続きが気になります。
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