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風のマジム [活字中毒のトモ]


風のマジム (講談社文庫)

風のマジム (講談社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/08/12
  • メディア: 文庫


ラム酒「COR COR(コルコル)」を生産及び販売している、株式会社グレイスラムの代表取締役、
金城 祐子さんをモデルに、原田 マハさんが書いた小説です。
COR COR、たまにバーで飲みますが、割と癖の強いラムでかなり印象的です。

伊波(いば)まじむは、那覇の某通信会社で働く派遣社員。
実家は豆腐店を営んでおり、将来はそれを継ぐつもりでいます。
現在の仕事は給料をもらって、少しでも母と祖母に楽をしてもらうためだけの仕事。
そう思いながら、出世とは縁のないところで働いていましたが
ある日、親会社の主催する「ベンチャーコンクール」に興味を持ち、
沖縄の郷土色豊かな新規事業として、沖縄のサトウキビを使ったラム酒を作ろうと思い立ちます。
工場の候補地に選んだ南大東島では、トウキビ農家に難色を示されたり
これはと見込んだ醸造家には「今は別の酒を造る気はない」と気のないそぶりをされたり
色々な難問が立ちはだかりますが、肝のすわったおばあの叱咤激励や
友人のバーテンダーの機転の利いたアドバイスに助けられて
徐々に、夢を現実に変えていきます。

なにがって、実際にこれをやってしまった人がいる、というのがすごいです。
小説上だけのことであれば、それほどびっくりはしませんが
リアルとなると、話が違います。

登場人物も、個性的な人たちばかりで、覚えるのが楽です。
ですが、最初は意地悪だった同僚の冨美枝が最後にはよき協力者になるのは
なんとなく理解できませんでした。
あれだけ意地悪な人と仲良くしようという気に・・・普通はならんでしょ?
あとは頻繁に出てくるうちなーぐちが、なんとなく胡散臭い感じで気になりました。
私でもそう思ったので、うちなーんちゅが読んだらもっとイライラするんじゃないかしら。

不思議な点はいくつかあったのですが、表面上厳しく接するおばあが
まじむのプロジェクトの成功を祈願して仏壇に祈る場面とか
はじめてラムが出来上がった時に、最初のカクテルを手にまじむが外へ飛び出すシーンでは
涙が出ました。

酒好きの方にお薦めします。
そして読み終わったら是非、COR COR を飲んでみてください。

COR COR AGRICOLE 25(コルコル・アグリコール25)25度 720ml

COR COR AGRICOLE 25(コルコル・アグリコール25)25度 720ml

  • 出版社/メーカー: グレイス・ラム
  • メディア:






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