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神の子どもたちはみな踊る [活字中毒のトモ]


神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/02/28
  • メディア: 文庫


村上 春樹さんの短編集です。何かフィクションを読みたいと思って
本棚を探したところ、この本が見つかりました。
以下の 6 つのお話が収録されています。

・UFOが釧路に降りる
・アイロンのある風景
・神の子どもたちはみな踊る
・タイランド
・かえるくん、東京を救う
・蜂蜜パイ

どのお話も、阪神・淡路大震災と遠い場所から眺めるようなお話です。
村上さんご自身が、西宮や芦屋にお住まいになっていらっしゃった経験をお持ちだから
こういう目線になるのでしょうね。
神戸がまったく縁もゆかりのない場所であったら、
また神戸にずっと住み続けていたら、こんな書き方にはならないと思います。
どことなくさめた感じで、まるで他人事のようでいながら
完全には関係を断ち切れていなくて、中途半端に関わっている
そんなスタンスで地震を描写されています。

そして表題となっている「神の子どもたちはみな踊る」は
1Q84」の元ネタになっているような気がしました。
信仰深いお母さんから産まれた、父親が神である(とお母さんは思っている)善也は
1Q84」にでてくるふかえりと青豆を足して 2 で割って、
性別を逆にしたようなキャラクター(ここまでくると、別人か)だという
印象を持ちました。
もちろん、「神の子どもたちはみな踊る」のほうが先に書かれているので
この作品があって初めて「1Q84」が生まれたのでしょうけれど。

他のお話の中では、「タイランド」や「かえるくん、東京を救う」が好きです。
できれば私も、ミニットみたいな素晴らしいホストに、最高の休日を計画してもらいたいし
かえるくんに、実直な仕事ぶりを褒めてもらいたいです。
地震を防ぐ手助けをするのは無理そうですが。

短編小説だったので、通勤電車で読むのにちょうど良かったです。
長編小説だったら、お話にのめりこんで乗り過ごしていたと思います。
前回、志賀 直哉の小説に入り込むのが難しいと思ったのは、
単純にそういう文章だったからか?


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