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予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 [活字中毒のトモ]


予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

  • 作者: ダン アリエリー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/11/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


人の心は読めるか?」を読んで面白かったので、
書内で紹介されていた行動経済学に関する本をいくつか読んでみることにしました。
第 1 弾がこの本です。

著者のダン・アリエリーさんは、現在デューク大学で教鞭をとっておられる教授です。
彼の担当は心理学や行動経済学。

人間の行動は時として予測不可能というか傍目からすると
「このようにしたほうがいいのに」と思うことと全然別の行動をする人が多くいます。
ダイエットするぞと心に誓ったはずなのに、デザートを見るとつい食べてしまう人。
べつに必要なものでもなかったのに「無料」と言われるとつい手にとってしまう人。
給料の 1 割くらいは貯金しておくといいはずなのは分かっているのに
なんだかんだで貯金できない人。
この本では、このような人間のちょっとした「不思議な、あるいは不合理な行動」が
実は予想通りのものであるということが解説されています。

読んでみると、人間の行動を律するのはなかなか難しいようですが
性悪説が正しいかというとそういうわけでもなく、一般的な人は
「そこそこに正しい生き方をしているし、ごまかしや嘘もあるにはあるが、
そこまで大層なことはしていない」
のだそうです。
ただ「人間は不正直になりやすい」という認識は必要だそうで
完全に性善説を信じ込むわけにもいかないようです。

また人間はたいていのことを「相対性」で選択しているというのも興味深い事実でした。
よく分からないものを「さあ選んで!」と言われても、難しいんですね。。
比べやすい対象がないと、価値が分かりにくいし
そもそもその対象がないと、無視してかかる傾向があるというのは意外でした。

いろいろな例えが出てきましたが、総じて言えるのは
普通に考えれば、こうしたほうがいいでしょ?と思えるようなことは
人間何一つ「こうしたほうがいい」ようにはできないということです。
若いうちから定期預金を組んでお金を積み立てていければ
誰だって老後は安泰・・・のはずです。
でもそれをできない人がいる。だからといって、できない人がお金に関する知識がないかというと
そんなことは全くなく、逆にお金についてよく知っていたりする。
・・・だったら何故?
それが、「予想どおりに不合理」ということなんだそうです。

不合理であることを認識して、「なぜそういう動きをするのか」を探って、
ビジネスや政治、個人的な活動の向上のために生かすのが行動経済学だそうです。
この先、非常に面白い学問だと思います。
というわけで、行動経済学に関する本をもう少し読んでみようと思います。

ダン・アリエリー教授については、TED のデジタルコンテンツ(日本語の字幕付き)も面白かったので
リンクをシェアしておきます。
TED日本語 - ダン・アリエリー: 我々は本当に自分で決めているのか?




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