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不合理だからうまくいく [活字中毒のトモ]


不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: ダン・アリエリー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/03/20
  • メディア: 文庫


ダン・アリエリー教授の行動経済学の本です。
行動経済学の本は、読むととても面白いのですが、理解するのに時間がかかるのと
1 冊当たりのページ数が多いのとで、読了までにかなりの時間とエネルギーを要します。
今回も読み終わるまでに非常に長い時間がかかりましたが、面白かったです。

予想どおりに不合理」がベストセラーになったダン教授が、
さらに踏み込んだ行動経済学の本を書きました。
TED では「料理のレシピ本を出したい」とか
言っておられた気もしますが・・・それは冗談だったということで。

今回も、いろいろと興味深い実験を紹介されています。
「高い報酬は逆効果」という理論を実証したり、
自分が作り出すものに対して、自身が妥当だと思う値段と
他人が妥当だと思うそれとは解離していることを明らかにしたり
オンラインデートが市場で失敗している原因を探ったりしています。

どの章も大変興味深く読んだのですが、一番心に残ったのは
第 3 章「イケア効果」に出てくる、カエルの折り紙の話で
折り方のガイドを少し変えるだけで、折り紙はたちどころに難しくなり
出来上がる作品も劣化するけれど、折った当人は劣化したほうの作品に
高い値段をつけて売りたいと思う(労力がそれだけかかっているから)というものです。
なにがって、私はこのカエルの折り方のガイドを、簡単な方と難しい方と
両方見ましたが、どちらの折り方でも、カエルを最後まで折ることができませんでした(泣)
簡単だと書かれている方の折り方を見ても、途中で分からなくなってしまいます。
これでカエルを完成させられる MIT の学生って、やっぱり天才だよ
すごいなあ・・・と思いつつ、娘に難しい方の折り方を見せてみたのですが
彼女はあっという間に理解して、きれいなカエルを完成させました(驚)
ちょっと待て・・・アホなのは私だけ?
あまりに悔しかったので、わざわざカエルの折り方を載せているサイトを
色々と見て、こちら を見つけました。
1 ステップごとに画像がついていて、とても分かりやすかったです。
このガイドなら、私にも折れるのに、
世の中の折り紙の折り方ってどうしてあんなに難しいのでしょう?

というわけで、読んでいる途中でカエルを何枚も折ることになって
さらに読了が遅くなったのですが、色々と自分でも検証してみるのは確かに楽しくて
日々の暮らしの中でもいろいろとできることがあるのではないかと思いました。

flog.jpg
右の黄緑色のカエルが娘の作品です。
難しい折り方を見て折ったのに、彼女が作った方が上手。
出来上がりがこうまで違うと、どれだけ手間がかかったからと言っても
私は自分の作品に高額はつけられません。
分かりにくい折り方で折れなかったんだから・・・それは当然です。
つまり「"多大な労力をつぎ込んだのに、完成させられなかった" ものに対して
私は愛着を感じていない」ということですね。
ダン教授の言う通りです。ああ・・・不合理だわ。



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