宿命のルビー [活字中毒のトモ]
イタリアのトスカーナが舞台のお話です。
ハーレクインロマンスには、イタリア生まれの大富豪や、ギリシャの大富豪
アラブのシークなどが、ヒーローとして頻繁に登場します。
このお話のヒーロージュリオは、トスカーナの伯爵ですが
イタリア人のステレオタイプからはだいぶ離れた人というか、
どうも行動が複雑で、裏で何を考えているのか、あまり読めません。
それに対し、ヒロインのルーシーは、とても分かりやすく傷ついた女性で
婚約者に「他に好きな女性ができた」といって振られ、
傷心をいやすために、大して親しくもない同僚の誘いに乗り
トスカーナにバカンスにやってきます。
小説から読み取れるルーシーとコミックのルーシーでは
容貌がだいぶ違います。そこはコミックの作者の好みですね、きっと。
このお話には、イル・ポルチェリーノ(触ると幸せになれるという言い伝えのあるイノシシ像)
が出てきます。お話の中では「鼻をなでると必ずフィレンツェに戻れる」らしいです。
イル・ポルチェリーノは、実は日本にもいくつかあるらしく
神戸にもあるようです。知らなかった!異人館にそんなものがあったとは。
昔何度か行きましたが、小さい頃はそんなものに興味はありませんでしたから。
それに「鼻をなでると神戸に戻れる」と言われても、あんまりうれしくないような?
そんなものの力を借りずとも、戻れますからね。
やっぱり「触ると幸せになれる」の方が夢があります。
そして最後にはハッピーエンドで、ルーシーはジュリオからのプロポーズを受けるのですが
あんな意地悪な継母がいるジュリオで本当にいいのかしら?
プロポーズの場面でお話が終わっていますから、幸せ感が漂っているだけで
その後のお話を書いてしまったら、昼ドラのように不幸話が続きそうです。
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