魔女の宅急便(6) それぞれの旅立ち [活字中毒のトモ]
キキととんぼさんが、長年の恋を実らせて結婚してから 13 年後のお話です。
そしてこれが、長い長い「魔女と宅急便」の最終話となります。
キキととんぼさんとの間には、双子が生まれていました。
名前はトトとニニ。トトが男の子で、ニニが女の子です。
2 人は性別こそ違うけれど、魔女の子どもということで
それぞれが、小さいころから相棒の黒猫と一緒に、同じように育てられます。
それなのに男というだけで、トトにとっては残念な結果が待ち受けているのでした。
またニニは「魔女の娘」というだけで、お母さんと同じように魔女になることを
期待される毎日が嫌で嫌でたまりません。それでいて、魔女になることを
完全には拒絶できない。
それどころか、心のどこかで自分が魔女になるのが当たり前だとすら思っているようです。
そして、キキにちょっと教えてもらえば、
危なっかしくでも、ほうきに乗って飛ぶことができてしまうのでした。
6 巻まで読みましたが、この巻が一番、考えさせられることが多くて面白かったです。
女の子がなりたいものになれなくて、苦労するお話はたくさんありますが
男の子が憧れの、そして本人も素質があると思っている職業につけないお話なんて
初めて読んだ気がします。
なろうと思えば簡単になれるのに、伝統と自分の気持ちの間で揺れ動くニニよりは
トトの方に、ずっと感情移入してお話を読みました。
それだけに、最後がなんとなく納得いかないというか
こんなに男女平等の世の中になりつつあるのに、この時代に書かれたお話なのに
トトの結末がこんなもの!?という感じで、読んだ後も残念だなー・・・とばかり思いました。
いいじゃない、男の子だって、ハリー・ポッターのような魔法使いになれるはず。
どうしてトトがこんな結果を受け入れなくてはならないんでしょう?
トトにはぜひ、旅だった先で
ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証を受け取ってほしいです。
彼ならきっと、優秀な成績を収めて、立派な魔法使いになれるはずです。
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