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県庁おもてなし課 [活字中毒のトモ]


県庁おもてなし課 (角川文庫)

県庁おもてなし課 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 文庫


図書館戦争 を皮切りに、有川 浩さんの本を何冊か続けて読んでいたのですが
この本を読んでいる途中でお腹いっぱいになって、しばらく放置していました。
ようやくフィクションを読みたい波が戻ってきたので、年をまたいで読みました。
読み始めてしまうと、今度はお腹いっぱいにならずに読了できました。

おもてなし課 は、高知県庁に実在する、観光客を受け入れるための部署だそうです。

高知県庁観光部に発足したばかりの「おもてなし課」に配属された、掛水 史貴(25 歳)。
部署の名前が面白そうであることから、わくわくして会議に参加したものの
そこはお役所、会議でまとめられた意見はこんなものでした。

「観光特使を有名人の中から選出し、高知県を PR してもらおう!」

そして、有名人を選んで特使になってほしいと依頼したはいいものの、
いろいろと手際が悪く、特使をお願いして快諾してもらった人に
その後 1 カ月連絡をよこさなかったり、
特使に渡した無料クーポンには有効期限がついていて
1 年たったらごみになってしまったり、どうにも商売センスに欠けた動きが多いのでした。
そんなある日、特使を依頼した有名人のうちの 1 人、作家の吉門 喬介が
おもてなし課に連絡してきます。
メールで指定された連絡先に折り返し電話をかけた掛水は、
吉門の辛らつなコメントにへこみながらも、彼の言葉に耳を傾け
解決の糸口を探っていくのでした。

読んでみて、吉門 喬介は有川 浩その人だと思いました。
有川さんの書くお話には、土佐弁が頻繁に登場することもあり
土佐出身であることを誇りに思っていらっしゃると感じていました。
そこへきてこのお話です。
と思ったらやはり、文庫本の後ろに掲載されている巻末特別企画で
おもてなし課の職員や食環境ジャーナリストとの対談を設け
吉門と全く同じように特使を依頼され、そのまま音沙汰がないので問い合わせたところ
あまりに悠長で漠然としたプランに驚愕したところから、本書の執筆を思い立ったことを
明かされています。

いわばこれは、有川さんの郷土愛溢れる、高知県 PR の本なのです。
しかも読む側はお金を払って PR 本を買い、読み終わったらつい、高知に行きたくなってしまう。
なんてこった、広告よりタチが悪い・・・いやいや作家ならではのアイデアで
素晴らしいと思いました。

高知っていいところだったんですね。本当に知りませんでした。
↑こういう人間でも、この本を読むと、高知へ行きたくなります。
高知の観光コンセプトは「高知県丸ごとレジャーランド化」らしいです。
どのような目的で行く人も、場所を選べば、きっと満足して帰っていける
そんな観光地が高知だそうです。本当か?
今度神戸へ帰ったら、ついでに足を延ばしてみますかね。


県庁おもてなし課 (角川文庫)

県庁おもてなし課 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 文庫



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