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第3次世界大戦の罠―新たな国際秩序と地政学を読み解く [活字中毒のトモ]


第3次世界大戦の罠―新たな国際秩序と地政学を読み解く

第3次世界大戦の罠―新たな国際秩序と地政学を読み解く

  • 作者: 山内昌之
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/09/16
  • メディア: 単行本


元外務省主席分析官、佐藤 優さんと、東大名誉教授山内 昌之さんの対談です。
山内さんは中東が専門の歴史学者で
佐藤さんが地方検察庁特別調査部に逮捕された際、周りにいた人たちは
検察にあることないこと証言したそうですが、山内さんだけが
事実を淡々と述べ、佐藤さんの仕事を評価した証言をしてくれたそうです。
それが縁で、今回の対談が実現したと書かれています。

中東やロシア、中国、アメリカなどを軸に、現在の世界状況を見て
今後どのような世界に変わっていくのかを、いろいろな可能性から探っています。

何が驚きって、このお 2 人の世界各国に関する知識の深さです。
ギリシャがいかにとんでもない国であるかと、ギリシャが今後どうなるかについて話された
第 4 章は、ギリシャについて詳しく知らなかった私には非常に興味深いものでした。
温暖な気候なので、のんびりした国なんだろう・・・くらいのイメージしかなかったのですが
佐藤さんと山内さんによると、相当なタカリ体質の国だそうで、
ギリシャがどんなに借金を重ねても、周りの国々は彼らを助けざるを得ないに違いないと
タカをくくっているらしいです。さらに、この国がユーロ圏から離脱した場合、
大陸とつながっているギリシャに IS とかアルカイダがなだれこんでくる可能性が高く
治安が悪くなるので、観光産業も尻すぼみだし
ギリシャ通貨のドラクマがいくら安くなっても、輸出できるものは何もないと言っていました。
・・・大丈夫か、ギリシャ?そのうち IS の首都がアテネになったりするんでしょうか?

他にも、ドイツのメルケル首相が実にしたたかな食わせ物であることや、
中国の現代版「植民地主義」が今後どうなるかなど、
お 2 人がご自身の持つものすごい情報の引き出しから、
私が知らなかったさまざまな事実を出してきて
起こりうるであろう未来について語っていらっしゃいます。
何というか「事実が分かっていれば、こうならざるを得ない」という未来分析で
トンデモ系予言とは全く違います。
トンデモと一緒にしたら、佐藤さんに絶対怒られますね・・・。

やはり仕事柄いろいろな国に足を運んでいらしたから、
生でものを見て、一般人とは違った情報を手に入れていらっしゃるんだろうと
単純に思ったのですが、よく考えてみると、
私は沖縄にいますけど、辺野古の正確な背景や未来ですら言い当てることはできないので
もっと違う、特別な情報入手のスキルがおありなのですよね。
最近は新聞を読んでも、なかなか「これは」と思う情報を探り当てることができない私は
もっとスキルを磨かなくてはいけないと思ったのでした。


第3次世界大戦の罠―新たな国際秩序と地政学を読み解く

第3次世界大戦の罠―新たな国際秩序と地政学を読み解く

  • 作者: 山内昌之
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2015/09/16
  • メディア: 単行本



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