遺言。 [活字中毒のトモ]
書店で見かけて、購入しました。
帯に「アタマを信用するな。カラダに訊け!」と書いてあって
どんなことが書いてあるのかしら・・・と思って。
養老先生が、奥様と奥様のご友人と一緒に船旅に出ている間に、
暇に任せて書いた「遺言 1.0」だそうです。
「遺言」と言ってはいますが、この言葉に特に重きが置かれているわけではなさそうで
「意味のないものにはどういう意味があるか」とか
「乱暴なものいいはなぜ増えるのか」などなど
養老先生が思っていらっしゃることが書きなぐられている本です。
「誰が見ても客観的な事実」なんてあるか、見ている奴らは全員
主観的に物事を見ているに決まっているじゃないか、とか
意識に科学的定義がないのは、それを構成する要素が多いから
きちんと整理されていないだけ、とか
私が考え始めると無限ループにはまりそうなことがたくさん書いてあります。
養老先生って、普段からこういうことを考えて、楽しんでいらっしゃるのですね。
耳鳴りが治らない私としましては、身体の不調をえんえんと訴える人について
「感覚が欠如しているんじゃないか」とばっさり切り捨てているのが
印象に残りました。
目も耳も触感も、じつは外界を把握するために存在している。
それを無視して自分の体に関することだけに集中しているのはおかしい、
のだそうです。
身体の声を聴こうとしてきた私としては、まったく正反対の意見で
こういう意見を聞くのも、新鮮で良いことだと思いました。
外の世界にもっと意識を向ければ、耳鳴りは治まるかも?
ちょっと意識してやってみたいと思います。
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