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会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語 [活字中毒のトモ]


会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

  • 作者: 田中 靖浩
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


田中公認会計士事務所 所長、田中 靖浩先生の著書。
この本は確か、新聞の書評が面白かったので購入したのですが
なんと 424 ページもあるので、本が届いた瞬間その分厚さにめげて
なかなか開くことができないでいました。
Amazon の購入履歴を見たところ、昨年の 12 月に注文したようなので
半年も本棚で寝かせていました。
ですが最近、同じ So-net ブロガーの Sanchai さんが書かれた 記事 を読んだところ
この本やっぱり面白そうだったので、通勤カバンに入れて数日持ち歩き
読了しました。Sanchai さん、背中を押してくださりありがとうございました。

結論から言いますと、分厚い本を数日持ち歩くのが苦にならないくらい
面白い本でした。

この本のコンセプトは「会計の全体像を、歴史とともに楽しく学べる」
会計の本なのに、細かい数字や計算が一切出てこないという
文系人間にとってありがたい本です。
細かい数字や計算が出てこないのに、会計用語は分かりやすく書かれていて
用語の英語の説明も丁寧だったので
読了後には、会社で使われているファイナンス用語のいくつかが、
理解できるようになっていました。
amortize とか、今まで辞書を引いても良く分からなかったんです。
目に見えない固定資産を分割して償却していくことだったんですね。
だから、ソフトウェア購入費とかに使われるんだわ。
保守作業をするときのコスト管理で、うるさく言われるんだわ。
こういうのが腹に落ちただけでも、読んでよかったと思いました。

そうそう、世界史についても、非常にまとまりが良く、分かりやすかったです。
歴史的な背景が、会計のあり方に影響を及ぼしているのが、よく分かりました。
この 500 年の間に、世界の覇権はイタリア→オランダ→イギリス→アメリカ
へと渡り、その時々で発展した技術によって、世の中の価値観が変わっていき
それに伴って会計の考え方も変わるのです。
そして会計に必要な能力も、昔は帳簿を作れることが重宝されていましたが
だんだんと、決算書を読む能力を求められるようになり、
今ではそこから未来を描く能力(リターンがいくらになるかを正確に予測できる能力)
が求められるようになりました。
人々の価値観も、時代とともに変化しました。
大量生産が始まった 19 世紀後半は「規模」が大事、
企業規模が拡大し、多角化が始まった 20 世紀前半は「効率」が大事
情報化時代の 20 世紀後半は「価値」が経営のキーワードになりました。

では次は、何が大事な時代になるんでしょうか。
AI が活躍する世の中になるので「真実」とか「正しさ」でしょうかね。
正直者が損をしない「公平さ」とかも重要なキーワードになるかもしれません。
それだとクリーンすぎて、生きづらいでしょうか。



会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2018/09/25
  • メディア: Kindle版



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