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FACTFULNESS [活字中毒のトモ]


FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本


最近お金に関する本ばかり読んでいたので飽きてきました。
少し違う内容の本を読みたいと思って、本棚から引っ張り出してきたのがこれ。
データの本です。私は思ったより数字が好きなのかも。

著者はスウェーデン医師のハンス・ロスリングさん。
実はこの本が世に出る頃には、すでにお亡くなりになっていらっしゃいました。
彼が生涯をかけて伝え続け、この本を出版する目的となったのは
世の中の人がいかに昔の知識を上書きしないで、今の事実を知らないか、
そこに気づいてもらいたいという気持ちでした。

本書の冒頭で、読者は「世界の事実に関する 13 問のクイズ」に挑戦することになります。
クイズは 3 択で、内容は世界情勢のデータに関するものです。
例えば質問の 1 と 2 は下記のとおりです。
質問 1
現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するでしょう?
質問 2
世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

このような質問に全部で 13 問答えるのですが
私が正解できたのは 13 問中たった 3 問でした。
たった 3 問しか正解していないのに、これはだいたい平均点のようです。
赤点は免れた・・・って、そういう問題じゃありません。
ロスリング医師いわく「3 択なんだからチンパンジーだって
33% は正解するはずなのに、世界平均はとても低い」
そしてその原因を分析していわく、どうやら私たち人間が
知識の上書をしなさすぎるのだと。
カーナビは正確な地図情報を定期的に上書きするのに
人間がそれをしなくていいはずがない。
間違った知識を持つ政治家に世界の問題が解決できるのか?
世界をさかさまにとらえている経営者に、正しい経営判断ができるのか?
と問うています。おっしゃる通りです。

そして「もっと事実に基づいて世界を見よう」ということで
人々が持っている 10 個の本能がどのようなものかを解説しながら
「それらを抑えることによって」事実を客観的に正しく見つめる能力を
身につけようと言っています。
10 個の本能はそれぞれ 1 章割いて丁寧に説明されています。

1. 分析本能
2. ネガティブ本能
3. 直線本能
4. 恐怖本能
5. 過大視本能
6. パターン化本能
7. 宿命本能
8. 単純化本能
9. 犯人捜し本能
10 焦り本能

さまざまなところに、ロスリング医師の実体験のエピソードが
(しかも失敗が多い)出てきて、とても分かりやすかったです。
でもパターン化とか単純化って、この本でやっていることそのものかも?
人に分かりやすく説明するには、大事ですけどね。
分かりやすく説明してもらったおかげで、
世の中は思ったほど悪い方向に向かっていないというか
貧困はだんだん解消しているということが良く分かりました。
そして人口は直線的にずっと増え続けるわけではなく
女性への教育が浸透していけば、おのずと右肩下がりになるということも。

企業が新規顧客を開拓する目的で、アフリカに進出して
現地に法人を作り、現地の人々を雇用するのは
長い目で見れば、現地の人々の暮らしを向上させるのに役に立っているみたいです。
顧客を開拓して、一方では安い給料で働いてくれる人を確保できるといった
会社の欲だけを満たすようなビジネスだったとしても
スタートから 10 年単位が経過すれば、
世界中の人たちの暮らしの向上につながると。

彼は TED にいくつもの動画を残しています。
Gap minder をはじめとする、カラフルで分かりやすい資料を使って
熱心に聴衆に語り掛けるロスリング医師の姿はとても印象的です。

もっとデータを積極的に読んでみようと思いました。
また常に新しいデータで自分の知識を上書きすることが大切だということが
よく分かりました。頑張ります。

最後に、ロスリング医師のご冥福をお祈りいたします。



FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本



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