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日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義 [活字中毒のトモ]


日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義

日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義

  • 作者: デービッド アトキンソン
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本


イギリス出身で日本在住 30 年、
現在は小西技術工藝社の社長を務めていらっしゃる
デービッド アトキンソンさんの著書。
アトキンソンさんは、元ゴールドマンサックスのアナリストだそうで
データに裏付けられた確かな提言がとても分かりやすく
たくさん付箋を貼りながら読んでいきました。

アトキンソンさんによると、日本はこれから少子高齢社会がどんどん進む
(この辺りは、すでに周知の事実ですが)ことから
現在の GDP を維持するために、最低賃金を引き上げて
国民の生産性を高めるべきだそうです。
日本は少子高齢化と人口減少問題を同時に考えなくてはいけない
唯一の先進国なので、よその国が大丈夫だったから日本もどうにかなる
と考えてはいけないと。

実は本書を読むまで、「生産性を高める」というのは
コストパフォーマンスを上げることだと、勝手に思っていたのですが
そうではなくて、GDP が高ければ高いほど、生産性も高いということなのですね。
だから「日本人の最低賃金を引き上げましょう」だそうです。
似たような島国のイギリスでうまく行ったから、大丈夫だと
アトキンソンさんは言いますが、そう簡単に、賃金上がりますかね?
そういえば最近、新聞で「沖縄の最低賃金は 10/3 から 790 円になります」
という 記事 を読んだのを思い出しました。
政府は生産性向上を考えて、賃上げしようとしているんですかね?
ですがアトキンソンさんいわく
「賃金は全国一律にしないと、低賃金のところは過疎化が進むにきまってるでしょうが」
・・・ですよね。
となると、低賃金を売りにして、企業のバックオフィス業を誘致している
沖縄はどういう位置づけになるのか、ちょっと不思議です。
この島は、賃金が低いのに、日本一出生率が高く
人口流出も多くありません。やっぱり住みやすいからですかね。

このまま労働者の賃金が上がらなければ
老人の購買力を、彼らが亡くなった後より少ない若者でカバーするのは不可能
という意見は非常にまっとうです。
人口が減るにつれて、確実にデフレが加速するんですね。
そこで、経営者はコストを削るのではなくて、
合併や統合などで合理化を図り、雇用者の最低賃金を上げなくてはいけないと。
ああ・・・確かに銀行などでは既に統廃合が繰り返されていますから
他の業種でもそれと同じことが進むというか、
進めないと生き残れないところに来たのですね。

また労働力として期待されるにつれ、女性の地位も上がり
賃金も上がるそうですが、これ、期待していいですかね?
女性としては、うれしい展望です。

中小企業の経営者を「無能」だとバッサリ切り捨てている意見も印象的でした。
自ら生産性を高める努力をしないで、従業員の給料を下げることで
利益を増やし、内部留保として蓄えを増やしている企業が多すぎると。
学校と同じように、企業も統廃合を進めて、とっとと生産性を上げろ
だそうです。ごもっとも。
この本の通りに進む未来に、とても興味があります。



日本人の勝算―人口減少×高齢化×資本主義

日本人の勝算―人口減少×高齢化×資本主義

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: Kindle版



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