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2020長谷川慶太郎の大局を読む [活字中毒のトモ]


2020長谷川慶太郎の大局を読む

2020長谷川慶太郎の大局を読む

  • 作者: 長谷川慶太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/10/11
  • メディア: 単行本


ここ数年、毎年読んでいる、長谷川 慶太郎じいさんの本。
いつもどこから情報を得ていらっしゃるのか不明なのですが
本書が出るたびに、前年に言っていたことと全く逆のことを言い始めたりして
興味深いです。
1 年の間に政治の局面が変わるってこともありますので
当たった外れただけを突っ込むのは野暮な話ですね。

さて来年の「大局を読む」も、昨年 同様
米中の大ゲンカについてページが多く割かれています。
ただ、慶太郎じいさんの現在の予測では
米中が大喧嘩をしたとしても、東西冷戦の時のように
世界中が「私はアメリカの味方」とか「中国の味方をするよ」みたいに
はっきりと立場を表明するわけではなく
各国自分の利益だけを考えて、いいとこどりしようとするので
インパクトは予想より小さくなるとのことです。
米中がお互いに関税を上げて取引を制限しているだけなので
輸出に依存しない国にとってはあまり痛いことはない
(日本も GDP に占める輸出の割合は 14.4%にすぎないので、大丈夫だそうです)
アメリカがファーウェイを締め出そうとしても、
ファーウェイの技術を欲しい国は他にいくらでもあるので、
資本主義市場経済をファーウェイは生き延びるだろう、と書かれています。

あと意外だったのが、日本の先行きをかなり楽観視されていることです。
米中が争っている間に、日本は漁夫の利を得ることができるそうです。本当か?
日本主導で日欧 EPA と TPP を合体させてしまえ、という意見には
ぶっ飛びましたね。そんなリーダーシップを取れる日本人、どこにいるよ?
日本は世界のグローバル・サプライチェーンになればいい、という意見は
面白いと思いました。そういう役割ならできると思います。
この国の立地条件は最適です。

国土が広い国の軍隊は、隅々まで統制を効かせるのが難しく
陸軍に重点を置かざるを得ないので、海軍が非力になることから
弱くなりがち、だから中国はたいてい外国と戦うと勝てない
という意見は面白いと思いました。
米中が貿易で喧嘩をしても、軍を使って喧嘩をしても
どちらもアメリカの勝ちだそうです。
このあたりは北野さんの意見と一致します。

その他、身の丈に合わない要求をしている国には、幸せな未来はない
という厳しいコメントも書かれています。
北朝鮮はミサイルを発射するたびに、国際的に孤立するだけなので
放っておけばそのまま兵糧攻めに屈して白旗を上げざるを得ない
ドイツ経済が減速しているので、二酸化酸素削減のための費用を
財政出動で賄う可能性があるが、タイミングを誤ると大変なことになる
イギリスはブレグジット目前だが、ブレグジット自体に経済合理性はないので
あとはじり貧、大英帝国は絶対に蘇らない、だそうです。



2020長谷川慶太郎の大局を読む

2020長谷川慶太郎の大局を読む

  • 作者: 長谷川慶太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/10/11
  • メディア: 単行本



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