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And Tango Makes Three [活字中毒のトモ]


And Tango Makes Three

And Tango Makes Three

  • 作者: Justin Richardson
  • 出版社/メーカー: Little Simon
  • 発売日: 2015/06/02
  • メディア: ペーパーバック


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の作中で
みかこさんが保育園児たちと一緒に読んでいた本です。
“They must be in love.” というくだりで園児たちが大興奮するというので
どんな本なんだろうと思って、まずは原書を読んでみました。

このお話、ニューヨークのセントラルパーク動物園で実際にあったお話だそうです。
動物園の中のペンギン・ハウスで、ロイとシロという 2 羽のペンギンが
恋に落ちるお話。
これだけだとよくあるお話なので、書籍化されませんが
このお話が書籍されたのには訳があって、
ロイとシロが同性同士で恋に落ちたからです。
そして 2 羽はなんと、他のペンギンカップルが放棄した卵を温めてふ化させ
娘を授かりました。
飼育係のグラムジーさんは彼女をタンゴと名付けました。
なぜなら "because it takes two to make a Tango."

この "because it takes two to make a tango." というのは
英語の比喩表現だそうで、Cambridge 先生 が言うには
騒ぎの原因となった人たちは、どっちも責められるべき、つまり
喧嘩両成敗みたいな意味だそうです。
もしくは普通に、2 人の人たちがお互いに協力しなくては
成し遂げられない何かをさすこともあるようです。

これ、日本語版ではどんなふうに訳されたんだろうと思って
邦訳の「タンタンタンゴはパパふたり」も読んでみました。
すると「タンゴを踊るように、ロイとシロが息をあわせて、この子はうまれたのだから」
と訳されていました。ですよね。やっぱ「もしくは」のほう。

これを保育園児のころから読み聞かせると、
子供にどんな影響があるのかしら?と考えましたが
良く分かりませんでした。娘に実際に読んで聞かせたかったです。

色々調べてみると、ロイとシロは 1987 年生まれで
1998 年から同居を始めたそうです。
タンゴは 1999 年生まれ。3 羽は 2005 年まで一緒に暮らしましたが
この年にロイとシロは破局しました。
「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」にはならなかったようです。
そして次の繁殖期には、シロはスクラッピーというメスのペンギンと
パートナーになったそうです。
さらに、タンゴはタズーニというメスのペンギンとペアを組んだとのこと。
ペンギン・・・けっこう何でもありだな。

これが分かると、LGBT について学校で教育しなくてはいけない人間というのは
なかなかに面倒くさい生き物ですね。
読んでみて、いろいろ面白かったです。
たいへん勉強になりました。



Con Tango son tres / And Tango Makes Three

Con Tango son tres / And Tango Makes Three

  • 作者: Justin Richardson
  • 出版社/メーカー: Kalandraka Editora Sl
  • 発売日: 2017/02/28
  • メディア: ハードカバー




タンタンタンゴはパパふたり

タンタンタンゴはパパふたり

  • 作者: ジャスティン リチャードソン
  • 出版社/メーカー: ポット出版
  • 発売日: 2008/04/16
  • メディア: 単行本



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