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わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ [活字中毒のトモ]


わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/09/20
  • メディア: Kindle版


宅建の過去問を解いているときに、問題文を読んで「こういうことだろう」と
自分なりに解釈しても、実は違った、ということが結構あったので
もしかして読解力が足りないんだろうかと思い、
本書を Kindle Unlimited でダウンロードしました。
読み終わる前に、宅建終わっちゃいましたけど・・・合格できたからまあいいか。

読んでみたところ、大変論理的で読みやすく、面白い本でした。
著者の西林 克彦先生は、東工大理工学部を卒業されていらっしゃるので
思い切り理系の方ですね。だから文章が論理的なのですね。
構成も分かりやすかったです。
西林先生は、1976 年から 2010 年までは宮城教育大学、
2010 年から 2017 年までは東北福祉大学で教鞭を取っておられたようです。
本書には講義内容や学生の感想がちょくちょく登場します。

西林先生によると、そもそも文章や文というものは、
その部分間に関連がついていなければ「わからない」ものだそうです。
関連付けされるとはじめて「わかった」という状態が生じるのですが
それでも完全にわかっているわけではなく、関連付けが強固になればなるほど
「よりわかった」という状態になります。
ただ「よりわかった」状態にするために、人は文中に記述されていなことを
勝手に仮定したり、知識で補ったりするため
記述されている内容とは全く不整合な解釈をして
「わかったつもり」になっていることが多く
さらにそれが読みを深めるための大きな障害になると書かれています。

まったくもってその通りで、反論の余地がありません。

第 5 章で、センター試験の現代文の問題を
「文章との整合性」に基づいて解いていくのですが
これがなかなか難しかったです。
3 問解きましたが、そもそも文章と自分が抱いた印象との整合性が
あるかないかの判断が難しく、1 問も正解できませんでした。
つまり私は文章を読んで「わかったつもり」にばかりなっているということです。
うーん。

活字を読むのは好きな方なのですが、ただ読んでいるだけで
実際には全然理解できていないということですよね。
文章を丹念に読んでいないからダメなのでしょうか。
それとも拡大解釈が過ぎるのでしょうか。どっちもか。

となると、文章を完全に「わかる」ことは不可能なので
仕事のメールなどは都度確認が必要というか、
「あなたのメールを読んで、こう理解したけど合っていますか?」と聞いてみないと
思わぬ勘違いをしている可能性が高いです。
今後は文章の整合性を意識しながら読んでみるようにします。
でも読んでも「何が言いたいのかまったく分からない」メールも
結構多いと思いますけど。それも自分の解釈の力が足りないということで。


わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

  • 作者: 西林 克彦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/09/20
  • メディア: 新書



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