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自分の「異常性」に気づかない人たち [活字中毒のトモ]


自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理

自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理

  • 作者: 西多 昌規
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2016/11/30
  • メディア: Kindle版


精神科医の西多 昌規先生の著書です。
西多先生は、精神科医歴 20 年以上のベテランですが
たくさんの患者を診察しているうちに
「自分は病気だからすぐにでも入院させてくれ」と主張する患者が
実は病気ではなかったり、
「私は病気ではないです」と言い切る患者が
他人の目で見ると明らかに病気だったりするのが頻繁に起こることから
正常と異常の境界線はどこにあるのか、
自分は病気だと自覚している人は、本当に病気なのかを深く考えるようになり
このタイトルで本書を書かれたようです。
ただ読んでみると、正常と異常の境界線をはっきりさせるような本ではなく
精神科の事件簿みたいな内容で、毎日変な人たちを相手に苦労する
先生の様子が鮮明となっています。

ベッドに座る患者と目を合わせるため、しゃがんだ姿勢で話を聞くと
患者の説教が延々と 30 分以上続いたり
当直で深夜 2 時に相談の電話を受けると攻撃的な毒吐きを 30 分以上聞かされたり
先生の方が精神的に病んでしまいそうな状況が毎日続くようです。
・・・こんな仕事、嫌だわ。
肉体的にも精神的にも、割に合わない仕事だなあというのが率直な感想です。
隣人が毎日嫌がらせでカレーを作る?知らんがな、そんなもん。
こんなの訴えられても、困りますよね。
私なら「アホか」の一言で片づけてしまうと思います。
もちろん、精神科の先生はそんなことはしないわけで。
きちんと話を聞いて、「統合失調症」と病気の判断までつけて
薬を処方してくれる。頭が下がります。

たくさんの病名が出てきますが、全部で 8 章から構成されており
読みやすい本です。暇なときに 1 章ずつ、興味深く読ませていただきました。



自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理

自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理

  • 作者: 西多 昌規
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2016/11/30
  • メディア: Kindle版



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