SSブログ

世直し小町りんりん [活字中毒のトモ]


世直し小町りんりん (講談社文庫)

世直し小町りんりん (講談社文庫)

  • 作者: 西條 奈加
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/05/15
  • メディア: 文庫


9 月は仕事が忙しかったのですが、ようやく一息ついたので
気軽に読める何か・・・と思っていたところ、Kindle Unlimited に西條さんの本が!
これは読まねば。さっそくダウンロードしました。

お話の舞台は、江戸幕府が 200 年ほど続いた頃。
高砂町にある柏手長屋で長唄を教えている若い女性がいました。
彼女の名はお蝶。お蝶の父は南町の与力職を務めあげた榊 安右衛門(やすえもん)
でしたが、母は深川で辰巳芸者をしていたおきさ。
おきさは気丈に独りで長唄の師匠をしながらお蝶を育ててくれましたが
1 年前に病で他界しました。まるで後を追うかのように、今度は安右衛門が
卒中で急死します。以来、腹違いの兄である安之は、ひとり残された妹を案じて
お蝶が鬱陶しがるほど同居を迫っていますが、毎度お蝶に突っぱねられるのでした。

この安之の奥方が、薙刀の名手、沙十(さと)なのですが
普段は観音のような微笑を携えたおっとりとした御仁です。
お蝶と同じ長屋に住む坊主の雉坊からは、
夫の安之とともに「食えない夫婦」と呼ばれています。
安之の与力という仕事柄、色々な相談事が屋敷に持ち込まれるのですが
それらはどうも、寄木細工のように複雑に絡みあって
一つの大事に行きついているようなのでした。

このお話は、講談社から 2012 年 2 月に刊行された
「朱龍哭く 弁天観音よろず始末記」を
改題して文庫化したものだそうです。
江戸時代のお話だからでしょうか、10 年近く前に刊行されたようには思えず
今回もとても面白かったです。あっという間に読んでしまいました。
なんで Kindle Unlimited で読めたんだろう?もしや続編が・・・
と思って探してみたのですが、続編は今のところなさそうです。残念。
確かにこのお話は 1 巻で完結しているっぽいです。
だって安之と沙十はこの先もずっと「食えない夫婦」で
お蝶の行く末を心配しているでしょうし、お蝶が仙吉と陣内のどちらかと
結婚する結末も多分ない。鳴海屋の若旦那とどうこうなんて、もっとない。
続編がない方が、ずっとこのまま、いつメンでわいわいやっている様子が
想像できていいです。
個人的には、お蝶は鳴海屋の若旦那である四十次郎(よそじろう)とペアになるのが
しっくりくるなと思うのですが・・・ないだろうな。



世直し小町りんりん (講談社文庫)

世直し小町りんりん (講談社文庫)

  • 作者: 西條 奈加
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/05/15
  • メディア: 文庫



コメント(0) 
共通テーマ:

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント