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超訳 自省録 [活字中毒のトモ]


超訳 自省録 よりよく生きる

超訳 自省録 よりよく生きる

  • 作者: マルクス・アウレリウス
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2019/04/27
  • メディア: Kindle版


ミステリと言う勿れ」でライカさんが自省録を使って
暗号を作っていたのを読んで、いったいどんな本なんだろうと思ったら
Kindle Unlimited に本書が出ていたので、ダウンロードしました。
これ、超古い本だったんですね。

自省録は、紀元 2 世紀に実在したと言われている、ローマの 5 賢帝の一人
マルクス・アウレリウス・アントニヌスが、激務の傍ら就寝前につけていた
「瞑想記録ノート」なのだそうです。
5 賢帝というと、世界史の授業で無理やり覚えたことしか記憶になく
あー、なんか順番に名前が長くなるんだよね・・・という印象しかなかったのですが
やっぱり 5 賢帝と言われるだけのことはあるんだ。頭いいじゃん。
というのが読了後の感想です。
いや読んでみるまで本当に、こんな本だとは知りませんでした。
読んでみるもんですね。ライカさん、なんでこんな本使って暗号を作ってたんだろう。

なんでも、マルクス・アウレリウスは、ローマ市民にとって最高の娯楽であった
剣闘士の試合を観戦している最中にも未解決の書類を読んでいるほど
毎日激務だったとか。これはもちろん、彼が仕事の進め方が下手だという意味ではなく
それほど生真面目で仕事熱心だったというエピソードなのですが
そんな激務の中でも彼は哲学家になりたいという希望を捨てず、
書き記した実践哲学書が本書だそうです。

「超訳」なので、普通の文体で書かれており、読みやすいです。
自省録は本当は全体で 487 章あるそうですが、
現代に生きる人にとって意味を持つと思われる 231 章がセレクトされ、
読みやすいように翻訳されています。
確かに「002 人生最後の仕事であるかのように取り組め」とか
「184 なにごとにも動じない心をもつ」など、
現代でも基本的に変わっていない哲学が詰まっています。

個人的には「179 人がいやがることは、自分にもするな」が面白かったです。
自分が嫌なことは他人にもするな、は良く聞きますが、この視点は斬新でした。
あと「178 仲間から離れてしまうのは利己的な人」も興味深かったです。
基本的に集団生活が苦手で、どちらかというと引きこもりが夢な私としては
「自ら仲間から離れていってしまう人は、利己的な人間であり
自分で手足や首を切ってバラバラ死体になるのと同じようなことをしていることになる」
とバッサリ言われるのを読んで、社会が個人に何を求めているのか
ちょっとだけ分かりました。
嫌だと思っても、それを理由に集団から離れてはいけないんですね。
それをしない選択肢を取りたいかというと、そうではないのですが
ちょっと「分かった」と思います。

逆に賛同できないのが「161 真実を追い求めても損害はうけない」で
真実を追い求めたら、知らなくてもいい事実を知ってしまったり
それが原因で殺されることもあるのに、損害を受けないとは言えないのでは?
この章だけははっきりと反論できましたが、他はおおむねその通りでしたし
死についてのコメントも潔くて、お手本にしたいと思いました。



超訳 自省録 よりよく生きる

超訳 自省録 よりよく生きる

  • 作者: マルクス・アウレリウス
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2019/04/27
  • メディア: Kindle版



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