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海をあげる [活字中毒のトモ]


海をあげる

海をあげる

  • 作者: 上間陽子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2021/10/16
  • メディア: Kindle版


今年「ノンフィクション本大賞」を受賞したのがうちなーんちゅが書いた本ということで
さっそくダウンロードして読んでみました。
上間 陽子先生、受賞おめでとうございます。

琉球大学で教育学を専攻し、
生活指導の観点から主に非行少年少女の問題を研究されている上間先生が
Web ちくま」 に寄港された数編と書きおろしを加えて出版された本です。
上間先生は、ノンフィクション本大賞の 受賞スピーチ
「沖縄に起きている日々のことを、軽い筆致でエッセイのように自分の生活を綴りました」
とおっしゃっています。
読んでみると本当にその通り、淡々としたエッセイのようで
これがこんなに重いテーマの本だとは、にわかには信じられないのですが
彼女の身の回りでは、辺野古の移設工事が着々と進み、飲料水が汚染され
地元の女性が米兵にレイプされ、
貧困から抜け出せない家庭から家出した少年少女が犯罪に巻き込まれていく。
そして挙句の果てに、内地の人からは
「あー、沖縄。海がキレイでいいですよね」程度のコメントしか出てこないのに憤慨し
「いいと思うなら、あげるよ」と絶望を織り込んで綴ったのが本書であるようです。

なんとも、色々な事柄がごちゃごちゃに 1 つの箱に入っていて
すべてをとりあえず箱に入れてはみたけれど、あまりにごちゃごちゃで
「あー、なんでかねえ」というコメントしか出てこない
そういうイメージの本でした。私が暮らす魔窟(部屋)みたい。

いくら「あげるよ」と言ったって、結局あげちゃうわけにはいかないですよね。
だってそこが、うちなーんちゅの故郷なのだから。
そして内地の政府は沖縄の立地の良さばかり見て、
地政学のことしか考えないで政策を繰り出すので、
いつまでたっても意見の相違は埋まらないと思われます。
そこをどうやって、意見をすり合わせて、望むことを形にしていけるか
そろそろそういうことを考えて、行動していく時期ですね。



海をあげる

海をあげる

  • 作者: 上間陽子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2021/10/16
  • メディア: Kindle版



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