SSブログ

「他人」の壁 [活字中毒のトモ]


「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 新書


養老先生と精神科医の名越 康文先生の対談本です。
Kindle Unlimited でお薦めされていたので読んでみました。

お 2 人によると、現代の人たちは「他人を理解したい」欲に
取り付かれすぎなんだそうです。
他人なんて、完全にわかるわけがないのに、
どうしてわからないといけないのか?
わからなくたって、お互いにぶつからなければいいだけじゃないないか
というのが彼らの意見で、確かにその通りだよなと思いながら読みました。

他人なんて、本にするまでもなく、壁があって当たり前なのですが
主題以外にも面白い内容がたくさんありました。
一番印象に残っているのが「子どもは自然そのもの」という養老先生のご意見です。
都市に住む人たちは、自分の視界に入るものをすべて
自分にとって都合の良い人工物で構成してしまっているから
そこに住み慣れた人はそもそも「子ども」という自然のままの存在が苦手なのだそうです。
だから子供を産み育てることに消極的な人が多く、少子化がまったく解消しないのだと。
このご意見を読んでものすごく腹に落ちたと言いますか
世界中でだんだん少子化が進むのは、そういう理由なんだと思いました。
児童手当を多少手厚くしたって、少子化に歯止めがかからないのは、
そういうことなんですね。

「ネットに溢れている情報はすでに死んだ情報である」というご意見も面白かったです。
一度文章にして Web 上に出してしまったら、もうその記録が残ってしまって消えない。
なのに肝心の書いた方の人間は、日々考えることが変わるから
数日も経てば、Web 上に残した文章とは違う意見を持っていることもままある。
そんな情報にとらわれて、どうするんだ、生きていることとはまったく違うんだよ
と言っておられて、ものすごく考えさせられました。
このブログに書いている本の感想も、数日経てばまた違うモノになるのか。。
確かにそうかもしれません。というか、読んだこと自体忘れてしまいますから
それはまずいだろう、ということで、一応「読んだ」という履歴を残しておくために
ブログを書いていたんでしたっけ。あと文章を書く練習ですね。
アップしてしまえば「お前は既に死んでいる」か・・・確かにその通りかも。

また、対談中にいくつか面白そうな本が紹介されていたので
それらも読んでみようと思いました。
最近はなかなか「本を読もう」という意欲がわきませんが、そのうち。



「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 新書



コメント(0) 
共通テーマ:

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント