ドクトルきよしのこころ診療日誌──笑いと感謝と希望を紡ぐ [活字中毒のトモ]
那覇市内で心療内科「長田クリニック」を経営しておられる、長田先生の著書です。
本書は確か、タイムスの書評を読んで面白そうだと思ったのですが
クリニックの現在地を地図で見て思い出しました。
このクリニック、バスの放送広告出していないですか?
通勤していた頃、毎日バスの中でこのクリニックの名前を聞いていた気が。
ドクトルきよしのもとへは、毎日たくさんの患者さんがやってきます。
心療内科なので、当然、心に何らかの悩みを抱えた人ばかり。
先生は、彼らの話を聞きながら、問題ではなく
良いことや例外、何を望んでいるのかなどを聞いていきます。
そうするとだんだんと解決策が見えてくるのだとか。
人によっては予診だけで元気になる人や、投薬無しで治療が終わる人もいて
先生は「治療費稼げないなあ」とぼやいています(笑)
本書を読んで思ったのは
・・・人は自分の話を聞いてもらいたい生き物なのだということでした。
本書に出てくる患者さんはみんな、
自分の本当の気持ちを分かってもらいたいと思っている。
実際には周囲も温かく見守ってくれているのに、
それに気づいていないだけかもしれないけれど、とにかく味方に飢えている。
それなのに、一緒に治療についてきてくれた奥さんの前で
過去の浮気の告白なんてする。自分勝手だなと思います。
心が弱っていたら、他の人を傷つけてもいいの?
患者は元気になって帰っていったかもしれませんが、
私が奥さんだったら、帰宅後修羅場でしょうね。
身近な人を散々傷つけた人でも、心を病んで
話を聞いてもらいに病院を訪れる。
なんだか悲しい気分になりました。
Amazon のレビューを読むと、かなり評価が高いですが
私はそのような気分にはなれませんでした。
いや、ドクトルきよしの治療法には何も問題はありません。
「人間って、本当に自分勝手だなあ」という思いが強く残った 1 冊でした。
私も含めて、人間ってそういう生き物なんだと思いました。ああ面倒くさい。
コメント 0