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任侠シネマ [活字中毒のトモ]


任侠シネマ

任侠シネマ

  • 作者: 今野敏
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: Kindle版


最近、ベストセラーに「任侠楽団」が登場しているのを見かけて
ああ、新しいお話が出たんだ・・・と思っていたのですが
なんと読んでみると、楽団の前に映画館を立て直したお話があるらしい!!
私はこの本が出ていたことを全く知りませんでした。
Amazon って、こういうところが本当に不思議です。
何度も同じシリーズの本を購入しているのだから、新作が出たらふつう薦めない?
まあ気を取り直して、映画館の方も購入し、そちらから読むことにしました。

ヤクザの阿岐本組のところへ親分の弟分である永神が今回持ち込んだのは
北千住にある古い映画館を立て直す話でした。
ヤクザが映画館なんて立て直すメリットはどこにあるのか?
古い時代には、映画館の経営にヤクザが絡むことが多かったので
別のヤクザとかち合うことがあるかもしれないと、
阿岐本親分ですら、今回は何となく及び腰でしたが
現地に赴いて高倉 健さんの映画を観てしまうと、あっという間に態度が変わります。
そして代貸の日村にはまた、いつものように、気苦労の絶えない毎日が訪れるのでした。

今作ではコンピューターオタクのテツが良い仕事をしています。
柄にもなく、映画館の再建方法について語る場面もあったりします。
また PC 片手に多くの情報を瞬時に入手して、阿岐本や日村に手渡すシーンが
頻繁にありました。
彼は間違いなく、阿岐本組が一匹狼でやっていける要因の 1 つになりましたね。
頼もしい部下が育っているようです。

ですが今作では、マル暴の新しい係長に目をつけられたり
ふてぶてしい半グレの連中にはヤクザのお作法が通じなくて
忌々しく思ったり、なじみの寿司屋に出前を頼んだら断られてしまったり
なかなか生きていくのが大変になっています。
このままヤクザばかりが締め上げられていくと、
いつか阿岐本組がなくなってしまうんじゃないか・・・ちょっと心配になりました。
そんな心配、無用でしょうけどね。小説ですし。

お話を堪能したので、続けて「任侠楽団」に行ってみましょう。



任侠シネマ

任侠シネマ

  • 作者: 今野敏
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: Kindle版




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