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ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか [活字中毒のトモ]


ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか

ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか

  • 作者: 熊谷 徹
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: Kindle版


元 NHK 局員で、現在はミュンヘンに在住の熊谷 徹さんの著書です。
YouTuber の Kentaro. さんの動画 を観て、面白そうだと思ったので読んでみました。
本書は 2019 年 1 月に出版されているので、少し情報が古いですが
興味深い内容でした。

国税庁の調査 によりますと、
日本人の 2021 年の平均所得は 443 万円だそうです。
ドイツ人の年収はそれより 100 万円以上も低い。これは知りませんでした。
ですが Average Salary Survey だと
税引後でも 600 万円を超えているようです。
この本のデータの出どころはどこなんでしょうか。
・・・と思って読んでいくと
「ドイツ連邦統計局が毎年発表している国民経済統計」を調べた結果だそうです。
てことは、 Average Salary Survey の数字が間違い?
いずれにせよ、数字が違いすぎて、不思議です。
仕方がないので ドイツ連邦統計局のサイト を訪問してみました。
ドイツ語分からないですが、翻訳を頼りに検索して
出てきた資料を読んでみたところ、
男性の平均収入は 21,447 ユーロであるのに対し
女性は 15,337 ユーロであると書いてあるらしい。
21,447 ユーロであれば、現在の為替レートで換算すると 300 万円ちょいです。
ドイツの統計局がそう言うのなら、そうなのでしょう。

本書を読み進めてみると、ドイツ人は
多くの年収を稼ぐよりも長時間労働を避ける傾向があり
国民がみな、たっぷり休みを取るようになったので、
サービスを提供する時間が少なくなったそうです。
結果として過剰なサービスを提供しなくなったので
企業や店は人件費を節約でき、商品やホテルなどの価格も割安にできるので、
生活にかかるコストも小さくなる。
つまり、サービスをあえて低水準にすることによって、
お金に振り回されない生活を可能にするメカニズムが生まれたと。
働く者にとっては労働時間が短くなり、消費者にとっては物の値段が割安になる
win-win の状態を手に入れたそうです。
ただし、サービスに重きを置く日本人の目からすると
ドイツは「サービス砂漠」なので、憤慨することが多いだろうと書いてありました。

生産性を上げるには過剰サービスをしてはいけないのだそうです。
この思想、日本人は見習えるだろうか。無理じゃないか?

月給が増えなくても、家族と過ごす時間が増えれば
心に余裕ができて、消費への関心が弱まるので、
お金に困ることはないそうです。
それは確かにそうかもしれません。
要は人々の意識の問題なのだそうです。
ひとりひとりが自分でできることは自分で行い、他人に頼らず
商店やホテルでも過剰なサービスやへりくだった態度は期待しなければ
サービスを提供する側には心の余裕が生まれるだろうと。
・・・そうね、お客様の期待に応える必要がなければ、病む人減るでしょうね。
日本人とは真逆の思想であるため、
「ほらこれで生産性上がったじゃん」と言われると
なんだか狐に騙された気がします。本当にこれでいいのか?
だとすると「生産性を上げる」って全面的にいいこととは言えないのでは?
謎が多すぎるので、「ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか 」も
読んでみたいと思います。



ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか

ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか

  • 作者: 熊谷 徹
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: Kindle版


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