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モモ [活字中毒のトモ]


モモ (岩波少年文庫)

モモ (岩波少年文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: Kindle版


時間の使い方とか効率の良さについて考えるうち、
そういえばこの本の結末はどうなっていたんだっけ?
というのが気になって読んでみました。
子どもの頃に本書を読んだはずですし、
なんならミュージカルも観たと思うのですが
細かい内容をすっかり忘れてしまいました。何故?
読んでみて分かりました。
この本に書かれている時間のお話はかなり難解です。

円形劇場の廃墟に住みついた、モモという名前の不思議な少女は
もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをしていましたが、黙って話を聞くだけで、
人の心を溶かし悩みを解消させる能力を持っていました。
みんな彼女に魅了され、彼女とのおしゃべりや遊びを楽しんでいたのですが
時間どろぼうが現れて、周りの人たちの「ゆとり」を奪ってしまったため
みんながギスギスした社会で生きるようになります。
時間の管理をつかさどるマイスター・ホラに出会ったモモは、
どうにかして彼を助けて、奪われた時間を取り戻そうとするのでした。

効率化や生産性という言葉を使って、
何かを省いていくのがいいことだと思われがちですが
そうやって得た時間はどこへ行ってしまったのか?
確かに考えても分からないのです。
本当に時間どろぼうが盗んでしまったかのようです。
一見効率が悪いことでも、後で意外な結果をもたらしたりするので
簡単に省こうと思ってはいけないのです。

だけど待てよ?私は今から洗濯を手でしたくはないですし
徒歩で 10 時間かかるところまで歩いて行きたくもないです。
こういうの、わざわざ昔の不便さを体験しても、何のいいこともないですよね。
ならやはり、時間を省こうとか効率化しようとか考えることも
悪いことではないのでは?
うーん・・・考えが振出しに戻ってしまいました。

また訳者のあとがきを読んで驚いたのが、
エンデの 2 度目の奥様が日本人だったということです。
日本での滞在歴も長かったそうで。今まで知りませんでした。



モモ (岩波少年文庫)

モモ (岩波少年文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: Kindle版



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