モモ [活字中毒のトモ]
時間の使い方とか効率の良さについて考えるうち、
そういえばこの本の結末はどうなっていたんだっけ?
というのが気になって読んでみました。
子どもの頃に本書を読んだはずですし、
なんならミュージカルも観たと思うのですが
細かい内容をすっかり忘れてしまいました。何故?
読んでみて分かりました。
この本に書かれている時間のお話はかなり難解です。
円形劇場の廃墟に住みついた、モモという名前の不思議な少女は
もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをしていましたが、黙って話を聞くだけで、
人の心を溶かし悩みを解消させる能力を持っていました。
みんな彼女に魅了され、彼女とのおしゃべりや遊びを楽しんでいたのですが
時間どろぼうが現れて、周りの人たちの「ゆとり」を奪ってしまったため
みんながギスギスした社会で生きるようになります。
時間の管理をつかさどるマイスター・ホラに出会ったモモは、
どうにかして彼を助けて、奪われた時間を取り戻そうとするのでした。
効率化や生産性という言葉を使って、
何かを省いていくのがいいことだと思われがちですが
そうやって得た時間はどこへ行ってしまったのか?
確かに考えても分からないのです。
本当に時間どろぼうが盗んでしまったかのようです。
一見効率が悪いことでも、後で意外な結果をもたらしたりするので
簡単に省こうと思ってはいけないのです。
だけど待てよ?私は今から洗濯を手でしたくはないですし
徒歩で 10 時間かかるところまで歩いて行きたくもないです。
こういうの、わざわざ昔の不便さを体験しても、何のいいこともないですよね。
ならやはり、時間を省こうとか効率化しようとか考えることも
悪いことではないのでは?
うーん・・・考えが振出しに戻ってしまいました。
また訳者のあとがきを読んで驚いたのが、
エンデの 2 度目の奥様が日本人だったということです。
日本での滞在歴も長かったそうで。今まで知りませんでした。
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