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自殺会議 [活字中毒のトモ]


自殺会議

自殺会議

  • 作者: 末井昭
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2018/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


新聞の書評を読んで、面白そうだと思ったので購入しました。
この本を読むまで、末井 昭さんのことを全く存じ上げなかったのですが
元白夜書房取締役編集局長だそうで。
あと、西原 理恵子さんと麻雀をやってた方だったんですね。
あ、それを知ると、急に「ダメな人」の匂いがしてきた。

この本の前に「自殺」という本も出ているようです。
自殺」は、もともと朝日新聞社のブログで連載されていたそうです。
それでこの本も、朝日新聞社から出てるんですね。

本書は 11 章で構成されており、
それぞれ、自殺に縁のある人に末井さんが話を聞いてまとめてあります。
自殺の名所東尋坊で、自殺しようとしている人を止めている人や
息子が自殺した映画監督
自分の携帯電話でいのちの電話みたいなことをやっている建築家の坂口 恭平さん
メンバーの 1 人が統合失調症を患うお笑いコンビ、松本ハウスさんなどなど。

末井さんご自身が、お母様をダイナマイト心中で亡くされているからか
皆さん色々な思いを、色々なテンションで、末井さんと語り合います。
自殺へのスタンスも人それぞれで「自殺は良くない」と思って
死ぬ間際の人に声をかけてやめさせようとしている人もいれば
「自殺もそれはそれで、アリだと思う」というスタンスの人もいらっしゃる。
だけどみんな、身近なところある死と向き合って生きている。
で結構、細かいことを考えないで、行動されていらっしゃるのです。
「自殺はアカン」と思うから、とりあえず止めてもらう方向で、
自殺の名所で用心棒を始めたり、いのちの電話として自分の携帯番号を公開したり。
細かいことを考え始めたらキリがないので、とりあえずやってみよう
みたいな気持ちが伝わってきました。それでいて皆さん、すごい使命感に燃えて
自殺を止めようとされているわけでもなくて、ただ自分の思いに従って
何かをされている。そうじゃないと、こういうことはできないのでしょうね。

そして、そのような人たちの語りを読んでいくと、
「死にたい人たちは、本当に死にたいわけではなくて
死にたいという乗物から降りられなくなっているだけ」
「人生リセットできれば、別に死ななくてもいい」
と言っている人が複数いらっしゃって、本当にその通りと思いました。
そうですよね、何も死ななくたって、人生リセットできるんだから。
死のうとして「あ、やっぱり止めよう」と思ったって
手遅れってこともあるので、それよりは、リセットする方がいいはず。
どうせ放っておいても、そのうち死ぬしね。
別に痛い思いをして、自分で死ななくてもいいじゃないですか。



自殺会議

自殺会議

  • 作者: 末井昭
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2018/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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