アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る [活字中毒のトモ]
株式会社ビービット の東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナーである、
藤井 保文さんの著書。
Amazon で本書を見かけたときに、サブタイトルの
「オフラインのない時代に生き残る」を見て、
オフラインがないってどういうことなんだろう、デジタルがもっと高性能になるのか?
と勘違いして購入してみたら、実はそうではなかったらしく
世の中はこれからオンラインとオフラインが融合した社会
(OMO: Online Merges with Office または Online-Merge-Office)に向かっていく
というお話でした。
デジタル社会のビフォア/アフターは、本書ではそれぞれ下記の通り説明されています。
ビフォアデジタル: リアル(店や人)でいつも会えるお客様が、
たまにデジタルにも来てくださる。
アフターデジタル:お客様とはデジタルで絶えず接点があり、
たまにデジタルを活用したリアル(店や人)に来てくださる。
アフターデジタルの社会では、人のあらゆる行動がオンラインデータ化され
サービス提供者はそのデータを利用して、お客様とオンラインで常に向き合うことから
最適なサービスが提供されるようになるそうです。
藤井さんは執筆当時上海にお住まいで、中国で展開されている
アフターデジタルの素晴らしいサービスをいくつも紹介されています。
バーコードを使って決済できるアリペイはもちろん
アプリ上の問診で最寄りもしくは評判の良い病院を紹介してくれるサービス
店舗から 3km 以内であれば、注文から 30 分以内に商品を届けてくれるスーパーなど
日本でもやってほしいサービスがたくさん紹介されていました。
中国は「面白そうだ」とか「合理的、役に立つ」と思う何かがあったら
あっという間にサービスにつながる国なのですね。
相対的には変な国だけど、そういう勢いのあるところ、好きだわ。
性善説は成り立たないから、良いことをしたら加点されるシステムを作る
というのも、中国らしいと思いました。
ですがその考え方が、これから世界的に主流になっていくというか
デジタル化が加速することによって、世界はだんだん
人の善さを引き出し、コツコツ頑張ったことが認められる社会になると書かれていました。
これもその通りだと思います。
デジタルの世界は 0 か 1 しかないので、
グレーなところで曖昧にしておくことができない分、良い方に誘導しないと
あっという間に悪に染まってしまうので「これは OK」「あれはダメ」の
境界線がきちんと引かれるようになるだろうと思っていました。
だから最近は「不倫はダメ」ってうるさいし
「差別は良くない」が物事の大前提ですよね。
どちらかというと、クリーンな方に誘導されています。
私の希望としては、できるだけ規制が少ない社会でいてほしいです。
真面目に生きている方の人が、パスワードを数カ月おきに変え、
さらに 15 桁ものランダムな文字列をいくつも覚えなくてはいけない社会ではなく
人のアカウントを勝手に捏造して何かしようと企んでいる人の方を
即座に厳しく取り締まってくれる社会になってほしいです。
あと 前にも書きました が、病人にはもうちょっと優しい社会になっていいと思います。
ていうか、中国でできてるんだったら、日本でもできるでしょ。
早くやって。