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ブスのマーケティング戦略 [活字中毒のトモ]


ブスのマーケティング戦略

ブスのマーケティング戦略

  • 作者: 田村麻美
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


自称「足立区の気さくな女性税理士」田村 麻美先生の著書。
面白かったです。あっという間に読んでしまいました。

田村さんは小学校に入学した頃に「自分はブスだ」と気づいたそうです。
そこからの人生は、どうすればブスでも幸せに生きていけるかを
考え続けて、使える武器を身に着けながら
自分の市場価値を高めることに全力をかけたそうです。

願いをかなえるためには、自分自身の本質を見極め(プロダクト解析)
自分のいまいる場所(市場)とライバルの特性(競合)を
精査しなくてはならない。
田村さんは上記を基本コンセプトに、人生を歩んでいきます。
私も今事件に巻き込まれて死んだら「美人 OL」とは絶対に書かれない自信がある上
加齢で劣化も進んでいますので、色々と共感しながら読んでいきました。

本当に小学生がこんなこと考えていたら恐ろしいですけど
ブスが優秀な男子と出会うためには、勉強していい高校、大学に行くことだ
と言い切って勉強に励み、最終的に見事税理士となって
優しい旦那様とも結婚した田村さんの戦略は正しいと思いました。
ブスだからイケメンとは付き合えないだろう、という推測もお見事。
だから「イケメン」じゃなくて「優秀な男子」を探して
偏差値の高い大学へ行く。非常にわかりやすいです。
そして、優秀な男子に出会えるのと並行して、学歴や資格も手に入れて
独りでも食べていける土台を築くという。パーフェクトです。素晴らしいです。
計画を立てて実行するのって大事なんですね(当たり前か)
行き当たりばったりでは良くないということが、よく分かりました。
ぱっと思い付きで「資格を取ろう」と思うのはダメなんですね。
今後生きていくために、一つの武器だけで勝負するのはリスクが高いから
それを避けることを考えて、ちゃんと計画を立てないと。

肩書のない自分を愛せないのなら、努力して肩書を手に入れよう
という発想も好きですね。とにかく腐って何もしていないことがない方です。
そしてとても努力家です。ものすごく努力して頑張ったから今の地位があるのに
「優秀な男子と出会うために、勉強を頑張る」と笑いの要素に変えて
文書を書く田村さん。そしてこの本を書くことを応援してくれたという
ご主人も素晴らしい方だと思いました。良い方と出会えてよかった
・・・と感動するシーンですら、映りの悪い結婚式の写真を載せて
笑いに変えるという徹底ぶり。頑張ってるよなあ。

しかし「ブス」って言葉がこんなにたくさん出てくる本も珍しいですよ。


ブスのマーケティング戦略

ブスのマーケティング戦略

  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: Kindle版



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新・失敗の本質――「失われた30年」の教訓 [活字中毒のトモ]


新・失敗の本質――「失われた30年」の教訓

新・失敗の本質――「失われた30年」の教訓

  • 作者: 山岡 鉄秀
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2019/06/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」で紹介されていた本です。
山岡 鉄秀さんの著書を読むのは、これが初めてです。
山岡さんは、
シドニー大学大学院とニューサウスウェールズ大学大学院修士課程を修了され
オーストラリアに 20 年間住んでいらっしゃいましたが
親御さんの介護のため、最近日本に戻っていらしたようです。
そんな背景を持つ山岡さんが、1 歩離れた場所から日本を見て
日本人が属する文化コードが現代のグローバル・スタンダードに合わないことから
平成 30 年の間の日本が犯し続けた失敗を嘆き
もっと頑張れ!と日本を鼓舞している本です。

山岡さんは、日本に戻られたとき、日本があまりに暗く内向きになったことに
愕然とされます。冷静に数字を見たところ、1 人あたりの GDP は約 39,000 ドルで
オーストラリアの約 56,000 ドルと比べると 20,000 ドル近く低い。
30 年前は日本の企業がベスト 10 を占めていた企業の世界時価総額ランキングを見ても
今となっては日本企業は上位 100 社からすらほとんど消えている。
どうしてこうなってしまったんでしょうか。
何を失敗したから、今日本はこんなに苦しんでいるのか。
その原因を、山岡さんは「日本がグローバル化についてこれなかったから」
と分析しています。
そしてグローバル化はまだまだ進むので、これ以上日本が失敗を続けために
思考を変えるべき、というのが山本さんのご意見で
そのために役に立つ思考ツールもいくつか紹介されています。

この 30 年で、海外に慣れた日本人も多くなったし
国内だけでなく海外のお客様との取引も増えたと思っていたので
日本がグローバル化についていけていないというのは意外でした。
ですが外から見ると、そのように見えるのですね。
日本はゴハンが美味しいし、お風呂とウォシュレットが素晴らしすぎるので
海外に行く必要性をあまり感じていませんが
行かなくても、向こうの方から来てしまうので
それを迎え撃つ準備をしなくてはいけないと。うう。
要望をきちんと丁寧に伝えれば、必ずまともなリターンがある
日本人との仕事が好きですが、それだけではダメ
・・・確かに、今すでに仕事で中国人やらメキシコ人やらインド人やらと
メールやチャットでやり取りをするだけでも、
仕事に対するスタンスが違うのが分かります。
そういう違いを山岡さんは「文化の世界地図」を使って
大きく 3 つに分けて説明していらっしゃいます。それによると
日本人は「モラルコード」に属していて、人間関係を一番重視するのに対し
欧米は「リーガルコード」で、契約や効率、ルールが一番大事
イスラム圏は「レリジャスコード」に属し、宗教自体を法律として重んじると。
さらには「ミックスコード」もあって、それに属する国は上記の 3 つのコードが
混在しているそうです。オーストラリアやインドなんかは
ミックスコードに属するそうです。オーストラリアがミックスというのは意外です。
リーガルではないんですね。インドもミックス。
レリジャスに入ると思っていました。彼らと仕事をするときは要求をストレートに
強く伝えないといけないので、とても難しいです。

あと「政治のことは政治家に任せておけばよい」と平気で言う経営者が多いことを
嘆いていらっしゃるのも印象的でした。
確かにその通り。今でもそんな経営者多いんですか。
経営者とお会いする機会がほとんどないので気づきませんでした。
私のこういうスタンスも良くないんでしょうね。
「夢は引きこもり」とか言ってないで、色々な経営者にお会いする機会を
作ると面白いかもしれません。確かに会社で社長とのラウンドテーブルに参加すると
普通の社員とは目線が違うというのが良く分かります。
もちろんそういう席で、政治の話なんてしないのですが、
トップに立つ人たちの話を聞く機会を増やすのは、いいことかもしれないと思いました。

そういや、この本のタイトルは「新・失敗の本質」ですので
元祖「失敗の本質」も読むべきかもしれません。
さっそく買ってみます。



新・失敗の本質――「失われた30年」の教訓 (扶桑社BOOKS)

新・失敗の本質――「失われた30年」の教訓 (扶桑社BOOKS)

  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2019/05/31
  • メディア: Kindle版



失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

  • 作者: 戸部 良一
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1991/08/01
  • メディア: 文庫




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節約ハック大百科 [活字中毒のトモ]


この1冊でお金に困らない! 節約ハック大百科

この1冊でお金に困らない! 節約ハック大百科

  • 作者: 松本 博樹
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/11/24
  • メディア: 単行本


Web 上でお金に関する記事を読んでいたら、この本の広告が出てきました。
クリックしたところ、Kindle Unlimited で読めたので、試しに読んでみました。

著者は神戸在住の松本 博樹さん。
節約ブログ「ノマド的節約術」の運営者です。
本書によると松本さんは、お子さんが生まれる 1 カ月前
さらに注文住宅を買うことが決まった後に
会社を辞めて独立されています。
もしかして奥様はめっちゃ稼ぐ人ですかね?
私がこれをやられたら、ショック死しそうです。
あと 1 カ月で子供が生まれるというときに、なんのあてもなく仕事を辞めるとか
それを聞いた瞬間「離婚」の 2 文字しか頭に浮かばないでしょうね。
ところが松本さんは、その後フリーランスで活動を続け
のたれ死ぬどころか、かなり成功されていらっしゃるご様子。
働き方にはいろいろあるのだということを考えさせられました。

そんな松本さんは、独立したときから
収入がないなら、お金が減るペースを減らすことを考えようと
真面目に節約に取り組んだノウハウを「ノマド的節約術」で
公開されていらっしゃるのですが
その中で特に反響の大きかった「生きていく上で知っていると確実に役立つ」
であろうお金の知識を改めて見直し、効率よくお金を貯めるテクニックとして
紹介しているのが本書だそうです。

読んでみると、お金に一生困らない生活サイクルを確立させるような壮大な(?)
テクニックから、青春 18 きっぷの賢い買い方やクリックポストの魅力のような
小ネタまで、84 個も紹介されていました。
個人的になじみの深い技や昔よく使った技もたくさん紹介されており
興味深く読みました。ぷらっとこだまって、まだあったんですね。
沖縄に住むようになってから、新幹線にほとんど乗らないので
サービスが継続されていたことを知りませんでした。

あとはメインバンクを決めるならネット銀行が便利と書かれているのが
今風だなと思いました。
実は「年収300万円でもお金の心配がなくなるたった1つの方法」を読んだときに
地銀と賢く付き合うのが良いと書いてあったので
給与振り込みのために口座を持っている地銀に電話をして
総合口座の作り方を聞いてみたのです。
するとやはり、店舗に来店して手続きをしなくてはいけないとのことだったので
面倒だと思って、そのままになっていました。
ネット銀行なら簡単に手続きができるのに、
わざわざ地銀を選ぶ意味が分からなかったのです。
近所に店舗を構えて起業するなんてことがない限りは、
ネット銀行がメインバンクで、なんらデメリットはなさそうですね。

それで思い出しました。昔は株の売買も、
わざわざ店舗に行かなくてはいけなかったので、ずいぶんと敷居が高かった。
二十歳そこそこの小娘では、来店してもまともな対応をされませんでした。
それに比べると今は、ネット経由で誰でも簡単にお金の取引ができますので
ねずみ講的にいうと、新規ユーザー獲得に成功しているということが
よく分かりました。
もう子供もその気になれば株を買えるようになってしまったので
次はどうなるんでしょうか・・・別の価値観の創設とかですかね?
あるいはクラッシュさせて、一からやり直しとか。



この1冊でお金に困らない! 節約ハック大百科

この1冊でお金に困らない! 節約ハック大百科

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/11/24
  • メディア: Kindle版



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フランス人は自分たちで争わない [活字中毒のトモ]




Kindle Unlimited でダウンロードして読みました。
何の話だろうと思ったら、フランスの外人部隊のお話でした。
タイトル、「争わない」じゃなくて「戦わない」の方が良くないですか?

著者は大仏見富士さん(もしくはロボット・マナブさん)
元自衛隊員で、自衛隊を辞めた後、
フランスへ行き、外人部隊に入隊されたそうです。
この経歴だけ書くと、なにやらすごい軍オタクを想像しますが
そういうわけではなかったようで、そもそも自衛隊に入ったのも
留学したくてそのお金を稼ぐためだったそうです。
そして 2 年の自衛隊生活が過ぎようとする頃、留学の夢も色あせ
この後どうしようかと考えていると、
同じように 2 年で自衛隊を辞めようとしている同期が
フランス大使館に
「外人部隊に入隊するにはどうしたらいいのか」と聞いているのを見ました。
その後大仏見さんは、タダでフランス語を学べるうえに、給料ももらえるなんて
お得じゃね?みたいなノリで、渡仏したそうです。

これが本当だとすると、恐ろしく軽い!
ご両親は反対されなかったんでしょうか。
娘が「フランス語を学べて、しかも給料もらえるらしいから
外人部隊に入隊するわ」って言ったら、私全力で止めますよ。
いや私も若いころはこれに近いことをいろいろやりましたけど
語学留学が無料になる対価がよその国の防衛って選択肢は考えませんでしたね。
過酷すぎます。

ところが大仏見さんのお話を読んでみると、
なにが大変そうって「言われていることがほとんど分からないのに
軍隊生活をしなくてはいけないところ」です。
国籍の違ういろんな人たちが集まっている。ここまではまだいいかもしれないですが
彼らの教育レベルが大概低くて、
それが行動に直結する集団に突っ込まれて生活するのは
確かに苦痛ですわ。
日常生活が「予想」と「予想に対する行動」で成り立っているって
うーん・・・母国語で暮らせる楽さが分かってしまうと
これは本当に耐えがたいと思いました。

一応フランス語の授業もしながら、こんな連中を 5 年も養ってくれる
フランスって、よっぽど自国の人たちを戦争に送り込むのが嫌なんでしょうね。
だけどこんな変な集団に国防を任せて大丈夫なのか?と思いましたが
よくよく考えてみると、アメリカの軍だって、
奨学金を餌に貧しい家庭の若者を入隊させたり、
グリーンカードを餌に近隣国の若者を入隊させたりしていますよね。
少子高齢社会の日本がそうならない保証はどこにもないですね。





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FACTFULNESS [活字中毒のトモ]


FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本


最近お金に関する本ばかり読んでいたので飽きてきました。
少し違う内容の本を読みたいと思って、本棚から引っ張り出してきたのがこれ。
データの本です。私は思ったより数字が好きなのかも。

著者はスウェーデン医師のハンス・ロスリングさん。
実はこの本が世に出る頃には、すでにお亡くなりになっていらっしゃいました。
彼が生涯をかけて伝え続け、この本を出版する目的となったのは
世の中の人がいかに昔の知識を上書きしないで、今の事実を知らないか、
そこに気づいてもらいたいという気持ちでした。

本書の冒頭で、読者は「世界の事実に関する 13 問のクイズ」に挑戦することになります。
クイズは 3 択で、内容は世界情勢のデータに関するものです。
例えば質問の 1 と 2 は下記のとおりです。
質問 1
現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するでしょう?
質問 2
世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?

このような質問に全部で 13 問答えるのですが
私が正解できたのは 13 問中たった 3 問でした。
たった 3 問しか正解していないのに、これはだいたい平均点のようです。
赤点は免れた・・・って、そういう問題じゃありません。
ロスリング医師いわく「3 択なんだからチンパンジーだって
33% は正解するはずなのに、世界平均はとても低い」
そしてその原因を分析していわく、どうやら私たち人間が
知識の上書をしなさすぎるのだと。
カーナビは正確な地図情報を定期的に上書きするのに
人間がそれをしなくていいはずがない。
間違った知識を持つ政治家に世界の問題が解決できるのか?
世界をさかさまにとらえている経営者に、正しい経営判断ができるのか?
と問うています。おっしゃる通りです。

そして「もっと事実に基づいて世界を見よう」ということで
人々が持っている 10 個の本能がどのようなものかを解説しながら
「それらを抑えることによって」事実を客観的に正しく見つめる能力を
身につけようと言っています。
10 個の本能はそれぞれ 1 章割いて丁寧に説明されています。

1. 分析本能
2. ネガティブ本能
3. 直線本能
4. 恐怖本能
5. 過大視本能
6. パターン化本能
7. 宿命本能
8. 単純化本能
9. 犯人捜し本能
10 焦り本能

さまざまなところに、ロスリング医師の実体験のエピソードが
(しかも失敗が多い)出てきて、とても分かりやすかったです。
でもパターン化とか単純化って、この本でやっていることそのものかも?
人に分かりやすく説明するには、大事ですけどね。
分かりやすく説明してもらったおかげで、
世の中は思ったほど悪い方向に向かっていないというか
貧困はだんだん解消しているということが良く分かりました。
そして人口は直線的にずっと増え続けるわけではなく
女性への教育が浸透していけば、おのずと右肩下がりになるということも。

企業が新規顧客を開拓する目的で、アフリカに進出して
現地に法人を作り、現地の人々を雇用するのは
長い目で見れば、現地の人々の暮らしを向上させるのに役に立っているみたいです。
顧客を開拓して、一方では安い給料で働いてくれる人を確保できるといった
会社の欲だけを満たすようなビジネスだったとしても
スタートから 10 年単位が経過すれば、
世界中の人たちの暮らしの向上につながると。

彼は TED にいくつもの動画を残しています。
Gap minder をはじめとする、カラフルで分かりやすい資料を使って
熱心に聴衆に語り掛けるロスリング医師の姿はとても印象的です。

もっとデータを積極的に読んでみようと思いました。
また常に新しいデータで自分の知識を上書きすることが大切だということが
よく分かりました。頑張ります。

最後に、ロスリング医師のご冥福をお祈りいたします。



FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本



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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 [活字中毒のトモ]


父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

  • 作者: ヤニス・バルファキス
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/03/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


沖縄タイムスの書評コーナーで紹介されていた本です。

関 美和さんの翻訳はとても分かりやすく、まるで原書であるかのように読めましたが
そもそも私は作者のヤニス・バルファキスさんを知りませんでした。
つい 4 年前に、ギリシャの財務大臣を務めていらっしゃったというのに。

「娘に語る」ように、簡単な言葉で、経済をできるだけたくさんの人たちに
理解してもらおうという企画の本です。
一方でバルファキスさんには、実際に 10 代の娘さんがいらっしゃって
ギリシャとオーストラリアで離ればなれに暮らしていることから
これまで時間がなくて話せなかったことを娘に話すようなつもりで書いた
ともおっしゃられています。
遠く離れて暮らす娘さんは、この本を読んでどんな感想を持ったでしょうか。

この本は全部で 8 つの章プラス、プロローグ & エピローグで構成されています。
通貨の意味や、ヨーロッパで市場経済が発展した理由から考え始め
市場社会の実態や労働力とマネーの関係を解き明かし
近い将来の経済の行き先を予言しています。

この先人々はますます富を集中させようとして
大量生産できる機械を一番早く開発しようと躍起になるだろうというのが
バルファキスさんの予想です。
大量生産できる機械は、なにも昔ながらの機械とは限らず
大量のデータを処理する AI もそのうちに含まれていて
AI がそのうち人間の想像力や、イノベーションを起こして機械や物を設計する能力を
模倣できるようになるかどうかによって、未来の見方が変わると言っています。

自動化が猛スピードで進めば、事業が成り立たないほどに価格が下がるそうです。
そうならないために、機械を賢く使って、機械の労働がすべての人に
恩恵をもたらすような社会にするのが、バルファキスさんの希望です。
それはどのような社会かと言いますと、企業が所有する機械の一部を
全ての人で共有し、その恩恵も共有するというものです。
究極なところでは、地球を丸ごと誰かが買ってしまえばいいのに、と。
あるいは、地球を丸ごと民主化してしまえばいいと。
本当に極論ですが、言いたいことは分かりました。

エピローグでバルファキスさんは、娘さんに熱く語っています。
市場社会は欲を満たすためのシステムなのに、
どうやらそれは上手く機能していないようだ
今の経済は、人間の欲する目標を手に入れるのに適していないどころか
そもそも手の届かない目標を設定したシステムである
一歩か二歩下がって、外側からその世界を見てみると
どれほどそれが不完全でばかばかしいか分かる、と。
バルファキスさんは「資本主義を終わらせる」予感を煽って
現実のものにしようとしているのでしょうか?



父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: Kindle版



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はじめての人のための3000円投資生活 [活字中毒のトモ]


はじめての人のための3000円投資生活

はじめての人のための3000円投資生活

  • 作者: 横山光昭
  • 出版社/メーカー: アスコム
  • 発売日: 2016/06/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


Kindle Unlimited でお金に関するコンテンツをダウンロードしたら
あまりに内容が薄かったので、ブログに感想をアップしなかったものが
複数あります。その中のどれかで、本書が紹介されていました。
横山さんの本は何冊か読んでいますが「年収200万円からの貯金生活宣言
が一番記憶に残っています。
自分の境遇にぴったり合うタイトルだからでしょうね。
こんなふうに横山さんは、見たら「これって私のこと?」と
ドキッとさせるようなタイトルの本をたくさん出していらっしゃいます。
この本もそのうちの 1 冊かも。
ただ読んでみると、あまり難しいことは書いていなくて
貧乏な人でも投資を簡単に始められるというか、
貧乏人をその気にさせることが書かれています。

貯金がそれほどなくても、月々 3,000 円から、気軽に投資ができます。
この 3,000 円という金額は、横山さんが
「初めて投資をする方が、おそらくあまり怖さを感じずに
投資に回せる金額」だろうと考えて、そのような設定になっています。
そして、投資方法は非常にシンプルです。
証券口座を開いて、月々 3,000 円でバランス型の投資信託を積み立てていくだけです。

さらに、証券口座の開き方や、どの証券会社にどのようなメリットがあるのかも
説明されています。
さらには、どのような商品に投資すればいいのかも
ものすごく細かく書いてあります。

月々 3,000 円ね・・・と思いながら読んでいたのですが
そういえば私は、数年前から 365 日貯金をしていたのを思い出しました。
1 から 365 までの数字を書いた表を作って、1 日 1 マス、
好きなマスの金額を貯金していくと、1 年後に 6,6795 円貯まるという、アレです。
貯まったお金は普通に銀行に預けたり、ちょっと美味しいものを食べたり
テキトーに使っていたのですが、これを投資にまわせば
新たに頑張って 3,000 円をねん出する必要なく始められそうです。
証券口座はもともとマネックス証券のものを持っているので
そこでインデックスファンドを 3,000 円ずつ積み立てればいいわけです。
・・・というわけで、さっそく積み立てることにしました。
このまましばらく放置しておきます。数年後にどのような結果が出るのか楽しみです。



はじめての人のための3000円投資生活

はじめての人のための3000円投資生活

  • 出版社/メーカー: アスコム
  • 発売日: 2017/06/24
  • メディア: Kindle版



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ユダヤ人大富豪に学ぶお金持ちの習慣 [活字中毒のトモ]


ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣

ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣

  • 作者: 星野 陽子
  • 出版社/メーカー: 総合法令出版
  • 発売日: 2013/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


貧困OLから資産6億をつかんだ「金持ち母さん」の方法」が面白かったので
星野さんの著書をもう 1 冊読んでみたのですが、結論から言いますと
読まなくても良かったかも。
タイトルだけ読んで買う場合、彼女にユダヤ人大富豪のメンターがいると
勝手に勘違いしてしまうのですが、そうではありません。
彼女が元夫とその家族との付き合いを通じて感じた
「ユダヤ人はこうやってお金とつき合うのか」という発見と
彼女が実際にやってみて、仕事がうまくいった小技をまとめた本です。

星野さんによると、ユダヤ人が迫害の 5,000 年の歴史の中で得た
「奪われない財産」が 5 つあるそうです。

1. ユダヤ思考(論理的、投資的な思考)
2. 自信
3. 目標
4. 師
5. お金の知識

この 5 つを身につければ、「稼ぎ続ける力」を手に入れることができるそうです。
たぶん、ユダヤ人でなくとも、この 5 つの重要性を知っている人は
たくさんいると思います。

実は私がこの本を買ったのは、Amazon の「なか見!検索」で
星野さんの元義父が「家をタダで入手して人にプレゼントした」という逸話が
出てきたページを読んだからです。検索で読めた部分には
どういう方法でそれを可能にしたのかがなかったので
購入して全て読んだら分かるかもしれないと思ったのですが
全て読んでみても、詳細は書かれていませんでした。
一番欲しいと思った情報を得ることができなかったので、
書評が辛口になっています。

もっとも本書は 2013 年に発行されたもので
6 年後の現在は中古本を 1 円で手に入れることができたので
一応損はしていないはずなのですが
失敗しましたね・・・まあ読んでみないと分からないということで。



ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣

ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣

  • 作者: 星野 陽子
  • 出版社/メーカー: 総合法令出版
  • 発売日: 2013/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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ノボテル沖縄那覇 [沖縄]

夫が、ふと思い立って予約してくれました。
「このホテルのプレミアラウンジを利用してみたかった」そうです。
ノボテル沖縄那覇 は、1974 年から存在した沖縄都ホテルを全面改修して
2018 年 9 月にグランドオープンしたホテルです。
こんな風になっていたんですね。全然知りませんでした。
那覇で宿泊なんて機会ありませんから。

DSC_0037.jpg

ロビーの様子です。
右手に見えるのは、グルメバー。
バーはあっても、普通に座れるソファはありません。何故?
チェックインの時に、スタッフが不慣れな感じなのも不思議です。
フロント以外は感じのいいスタッフばかりだったので余計に残念。
フロント、改善したほうがいいと思います。

プレミアムラウンジを利用するには、プレミアムフロアもしくはテラスルーム、
テラススイートに宿泊する必要があります。
今回、プレミアムフロアのお部屋を予約したのですが
なぜかテラススイートにアップグレードしてくれました。
プレミアムフロアは 13、14 階にあるのですが、テラススイートは 3 階。
その違いは何かというと、テラススイートからは部屋の窓を開ければ
インフィニティプールへ直接出ることができます。

DSC_0016.jpg

お部屋はこんな感じでした。

宿泊した日はあいにくの雨で、
インフィニティプールに直接出られるメリットはありませんでした。
アップグレード、しなくても良かったんじゃないの?
何か他に理由があったんですかね。

DSC_0019.jpg

那覇で唯一のインフィニティプールらしいのですが、
誰も泳いでいないでしょ。残念。

あと 3 基あるエレベーターのうち、1 基は 15 階のプレミアムフロアに行けない
というのが意外と面倒でした。
行けないのに、ボタンを押すと 13 階までしか行けないエレベーターが
来てしまったりするのです。15 階へ行きたい人と、そうでない人のために
ボタンを分けてほしいと思いました。

あと、大浴場がないのも残念。お風呂大事。

15 階にあるプレミアムフロアの居心地は良かったです。
朝食は 6 時半~10 時半(週末は 11 時まで)その後
18 時まではティータイム、18 時から 20 時がカクテルタイムと分かれています。
すべての時間で利用してみました。

DSC_0023.jpg

昔は回転していたらしい、15 階プレミアムフロア。
今は回転せずに営業中です。
窓から見えるのは、首里や那覇の街並。
カウンター席とテーブル席、ソファ席の 3 種類あって
空いている席に自由に座れるのが良かったです。
また、子どもも入れるので、結構子ども率高かったです。
ソファ席は座高が低いので、意外と子供向きかもしれません。

DSC_0025.jpg

カクテルタイムはちょっとしたオードブルもつまめるので
2 階のレストランへ行くよりは、のんびりご飯を食べられるかも。
子連れにお勧めです。

私たちは子育てを卒業したので、カクテルタイムを楽しんだ後
2 階の フードエクスチェンジ「アヴァンセ」 にも行ってみました。
ゴハン美味しかったです。

DSC_0030.jpg

メニューが豊富です。季節ごとに色々変わるようです。
ここで誰か結婚式やってくれないかしら・・・と思いましたが
宴会場はあっても、チャペルはないので、
結婚披露宴会場にはなりにくいかもしれません。

というわけで、ゴハンが美味しいホテルです。
気軽に利用できるので、子連れにお勧めです。
問題は立地ですね。ちょっと公共交通機関では行きにくいです。
レンタカーを借りる方ならいいかも・・・朝と夕方の渋滞に巻き込まれなければ。







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中国大自滅 [活字中毒のトモ]


中国大自滅 世界から排除される「ウソと略奪」の中華帝国の末路

中国大自滅 世界から排除される「ウソと略奪」の中華帝国の末路

  • 作者: 渡邉哲也
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: 単行本


経済評論家の渡邉 哲也さんと
中国に詳しいフリージャーナリストの福島 香織さんの対談をまとめたものです。
このお二人の言うことなら、嘘はないだろうと思って読みました。
情報通同士の対談は、興味深い内容であふれていました。

彼らによると、中国は米中貿易戦争を始める前から、既に結構ガタが来ていて
経済はこれから低迷が続くだろうし、急速に進む高齢化で
農業人口も激減し、食糧問題も発生するだろうとのことです。
また原発もたくさん建設されており、そのうちの 1 つで大事故が起きるのも
時間の問題だろうということでした。

人が多すぎて、人権が育たないというのも、恐ろしい事実でした。
人の命が完全に軽んじられていて、新製品を作るときには
トライ & エラーが簡単にできる、つまりエラーで人が多少死んでも
誰も非難しない(できない)社会であるというのは驚愕でした。
さらに、少数民族の臓器売買がなかなかなくならないという話もびっくりでした。
戦争をやったって、14 億のうち数億死ぬだけだから、
半分くらい残っていれば問題ないという発想もあるらしいです。
人の価値、軽すぎです。日本があの国に併合されたら、
日本人は何か理由をつけてあっという間に殺されてしまいそうです。

そもそもの思想が、日本とは全く違うのですね。
中国は今でも、自分がヒエラルキーの頂点に立っていると思っている。
自分以外の人や国は、すべて下々の者たちで、
強大な自分に貢物をしてくれるなら家来にしてやらんこともない、
くらいの考え方のようです。
つくづく、変な国が隣にあるものです。嫌だな。

他にも、不動産バブルがはじけた後、最終的に不動産価格が暴落すれば
今まで何も持っていない庶民も家を買えるようになるから、
逆にいいのではと思っているフシがあるというコメントにもびっくりしました。
基本的に人の幸せを考えない国であるようです。
数億人を抑え込んで、食わせてやっている国ってこんな感じなんですね。
人はいくらでもいるから、それほど大事ではないということですか。
「情けは人の為ならず」ということわざは、中国にはないんでしょうね。
人を大事にしなかったら、自分も大事にされないということが
分からないんですね。

このように人の幸せを全く考えない中華思想と
建前上、自由で公平で人権を大事にする西側で主流の思想が
ぶつかりあっているのが、現在の米中貿易戦争の遠因だとのことです。
この戦争に中国が勝ってしまったら、世界は恐ろしいことになります。
とりわけ中国に近くて人口も少ない日本は、どうなってしまうことか。
中国が勝つというのなら、本気で国外逃亡を考えなくてはなりません。
こんな変な国に、私の人生を台無しにされたくはありません。


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