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泣かない~ロザンナ 40年目の履歴書 [活字中毒のトモ]


泣かない~ロザンナ 40年目の履歴書

泣かない~ロザンナ 40年目の履歴書

  • 作者: ロザンナ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/07/01
  • メディア: 単行本


コザの図書館でこの本を立ち読みして、じっくり読みたいと思ったので
Amazon で注文しました。

イタリア出身のタレント、ロザンナさんの自伝です。
ご両親の馴れ初めや、ご自身がご主人のヒデさんと出会ったときのことなど
たくさん書かれているのですが、基本的にはヒデさんへの愛があふれた本です。
愛はあふれているのですが、いかんせん、愛の対象のヒデさんが
あまりにもダメ男すぎる。自分が入院してしまってから
愛人と出かけたオーストラリア旅行の飛行機代の請求が奥さんに届くとか
本当にバカ。それでもロザンナさんは、すべて受け止めてヒデさんを愛し続けている。
彼が死んでもなお。というか、愛していなければ、ロザンナさんのすべてが
台無しになりそうな感じです。彼を失ってもなお、ロザンナさんは
何かあるたびに、「ヒデだったらどうしただろう、何て言っただろう」
とヒデさんにすがって生きている。17 歳で来日して以来、一緒に仕事をしてきた
8 歳年上の男性の存在は、ロザンナさんにとっては世界の中心も同然なのです。
彼が亡くなってからも、それは変わらない。

ヒデさんは私の夫とは全く違う人ですが、なんとなく似ている感じがしました。
楽しいことが大好きで、困った人を放っておけないところとか特に。
そのヒデさんが、亡くなる直前に、声をかけるロザンナさんに向かって
指相撲を挑もうとするところあたり、ああなんか分かるというか
最後まで彼なりに、ロザンナさんを愛して、残して逝ってしまうのを
申し訳なく思っていたことが良く分かりました。
私の夫も、こんな感じかもしれません。死んでいないけどね。
入院してから、身に覚えのない旅行の代金を請求されそうなところも、そっくり。

そして、いいのか悪いのかは置いておいて
ロザンナさんが子供たちをとても頼りにしているのが印象的でした。
ヒデさんが死んだときに、ロザンナさんより先に看護師に
お世話になったお礼を言う次男の来門さん、ヒデさんが亡くなる直前に
手を握られて将来を託された長男の史文さん、何カ月も泣き続けるロザンナさんを
「いい加減にしてよ」と諭した長女の万梨音さん。
みんな子どもなのに、ロザンナさんを大事に思って、彼女に寄り添ってくれています。
なんて頼りになる子供たちなんでしょう。きっと今もそうなんでしょうね。
でもたぶんそれは、ご両親がヒデさんとロザンナさんだったから
そういうふうに成長せざるを得なかったのではないでしょうか。
子どもは親を選べないので、どんな親のところに生まれてきても
きちんとその親に合うような子どもになるのではと、なんとなく思います。
ロザンナさんは弱くて、それをあまり隠そうとしない
子どもにも正直に伝えるので、子どもは受け止めざるを得ないと言いますか
親子ってこんな風に、色々なことを分かち合って、
パートナーとして生きていくんだな、ということを認識した 1 冊でした。



泣かない~ロザンナ 40年目の履歴書

泣かない~ロザンナ 40年目の履歴書

  • 作者: ロザンナ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/07/01
  • メディア: 単行本



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