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50代からの人生戦略 [活字中毒のトモ]


50代からの人生戦略 (青春新書インテリジェンス)

50代からの人生戦略 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 新書


元外務省主任分析官、佐藤 優さんの著書です。
新聞の広告を見て、Kindle 版を購入しました。
佐藤さん、今年還暦だそうです。
そんな佐藤さんから、50 代は試行錯誤しながら
定年後に向けた準備を進めるのにふさわしいとして
良い 50 代の過ごし方がアドバイスされています。
あと数年で 50 代に突入するので、参考になるかもと思って読みました。

ご自身でも「私は比較的慎重な性格」と書いておられる通り
佐藤さんのアドバイスは堅実です。奇抜なことは何も書いてありません。
要約すると「大事な仕事は若い人たちに任せて、自分の仕事はほどほどにして、
プライベートの交友関係を充実させる」イメージです。
お金についても、投資して増やそうなんて危険なことは極力しないで
使わないための仕組みを充実させる。
「健康」と「家族」がいちばんの投資先であると書かれています。
でも教育への投資はあまりしない方がいいんですって。
50 代の方々ご本人が勉強するのは大賛成で
古典や漢文、数学、歴史など高校の教科書をもう 1 度おさらいすることと
聖書を読むことを薦めていました。
聖書って、きちんと読むと、普段思っていたのとかなり内容が違うらしいです。
面白そうですが、宗教には興味がないから・・・どうしようかな。

書店で立ち読みしていたら、買わなかったかもしれません。
新聞広告に完全につられました。
ですが、あまり奇抜な、出来そうもないことばかり書かれていても
困ったかもしれません。
この本を参考にして、50 代をどう生きるか
・・・堅実に、ささやかな喜びを見出しながら
ゆるゆると生きていくのがよいようです。



50代からの人生戦略 (青春新書インテリジェンス)

50代からの人生戦略 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 新書



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「幸せをお金で買う」5つの授業 [活字中毒のトモ]


「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)

「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/02/22
  • メディア: Kindle版


ブリティッシュコロンビア大学の心理学准教授であるエリザベス・ダン先生と
ハーバード・ビジネススクールのマーケティング学准教授、
マイケル・ノートン先生の共著。
2 人は大学院生の時にサマーキャンプで知り合って以来の友人だそうです。
彼らは、大人は普段、どんなふうにお金を使っているのかについて共同で研究をした結果
人々が幸せになるためには、どんなふうにお金を使ったらいいのかを解明しました。
それによると、幸せになるためのお金の使い方には次の 5 つの原則があるそうです。

経験を買う
ご褒美にする
時間を買う
先に払って、あとで消費する
他人に投資する

つまり自分のために欲しいモノを買うというのは
全然幸せにならないお金の使い方だと。
モノね・・・そういえば必要ないモノを惰性で買うとろくなことがありません。
それにモノを買うときって、それを使って何かをするために買っているわけで
その経験ができなかったら買わないので
ただモノを買っているのではなく、間接的に経験を買っていることになるのかも。
そういうお金の使い方が幸せだというのは、良く分かります。

時間を買うというのは、昔から「正しいお金の使い方」として有名ですね。
私はこれが上手にできなくて、
ついついお金を節約することばかり考えてしまいますが。

先に払って、あとで消費するというのも
その逆はろくなことにならないのを、
クレジットカードの請求で痛いほど分かっているので
反論の余地はありません。

ご褒美のためにお金を使う習慣は、私にはないので興味がありませんが
「他人に投資する」というのは、そんなに幸せになれることのなのか
これが一番分からなかったです。
たぶん書かれていることは正しいです。
ですが、私は他人を幸せにするためにお金を使うことがあまりないです。
娘の学費とかは払っていますけど・・・彼女は他人ではないですからね。

ただこの本を読んで再認識したのが
今の世の中って本当に、モノは売れないんだなということです。
明らかに、モノではなくて情報や経験を買うように誘導されている。
それで本当に幸せになれるのかは、分かりませんが
お金の使い方として、そちらの方がいい気分になれるというのは分かります。
最近はそんなにしたい経験もないのですけれど。
やってみたら案外面白かったという経験もまだまだあるでしょうね。


「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)

「幸せをお金で買う」5つの授業 (中経出版)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/02/22
  • メディア: Kindle版



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宅建登録実務講習を受けてきました [宅地建物取引士]

宅地建物取引士の試験に合格できたので、何かの役に立つかもと思って
登録だけしておくことにしました。
宅建士として登録するには、
宅地建物取引業の実務に 2 年以上従事した経験がなければいけませんが
この経験がない人は、国土交通大臣指定の実務講習を受ければ、登録可となります。
実務講習を実施している機関 はいくつかありますが
家の近所で探したところ、2 月に土日開催のコースを提供していたのは
LEC(東京リーガルマインド)だけでした。
平日のコースが多いということは、宅建業の会社にお勤めで
実務歴 2 年未満の皆さんは、試験に受かったら、
実務講習を受けるのに休みを取っていいということなんですかね?

というわけで、行ける日を選んで、LEC 那覇本校 で登録実務講習を受けてきました。
スクーリング前に教材が送られてきて、確認したところ
スクーリングに行く前に、DVD を見て、問題を 60 問解いておかないといけないようです。
DVD は 3 つのユニットで構成されており、それぞれ 1 時間程度。
割と余裕じゃん?と思っていたら、あっという間にスクーリングの日が近づいて
慌ててまとめて観ることになりました。
思ったより 1 月は忙しかったんですよ・・・(言い訳)

スクーリング 1 週間前に、LEC から電話がかかってきて
スケジュールや必要な持ち物をリマインドしてくれました。
こんな至れり尽くせりの講習、受けたことがありません。
というか講習自体を、そんなに受けたことがないかも。

当日行ってみると、LEC 那覇本校は、ちょっと辺鄙な場所にあって
いちばん近いバス停は「姫百合橋」でした。
モノレールで行くと、安里で降りてちょっと歩きます(徒歩 3 分らしいです)

土日 2 日間のコースだったのですが
朝 9:40 から夕方の 18:00 まで、みっちりスケジュールが組まれていて
とても疲れました。
どうも 1 日で全部終わらせるコースもあるみたいなのですが
1 日コースの終了時間は 23:00 のようです。ひー。
実務演習では、重要事項説明書や売買契約書を作成しなくてはならず
登記簿や公図の確認方法とかを教わったのですが
登記簿や公図なんて見たのは 20 数年ぶりだったので
あーそういえば、こんなのありましたね・・・みたいな遠い目をしながら受講していました。

講習の最後には、試験を受けて、80% 以上得点しなくてはいけません。
講師の方は、「合格率は 99% くらい」とおっしゃっていましたが
私はこの「合格率 99%」という試験が苦手で
ありえない間違いをして不合格になるケースがよくあります。
確実、って言われてしまうと、かえって不安になりません?
なので一緒に講習を受講した皆さんが、早々に答案用紙を提出して
次々と帰って行かれるのを見ながら、試験終了ギリギリ近くまで居残って解答しました。
よっぽど出来が悪いんだと思います。落ちたかも・・・。
結果は 1 週間たたないと郵送されないということだったので、
キリキリしそうな胃をアルコール消毒しながら通知を待ちました。
そして昨日ようやく通知を受け取りました。なんとか合格できたようです。
良かったー。

これで条件がそろったので、
宅建士として登録の手続きを進めることができるようになりました。
しかし調べてみると、揃えなくてはいけない書類がたくさんあることが分かりました。
なかなかに面倒です。

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おひとりさまの老後 [活字中毒のトモ]


おひとりさまの老後 (文春文庫)

おひとりさまの老後 (文春文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/12/06
  • メディア: 文庫


上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」が面白かったので
こちらも読んでみました。
上野先生と言えば、この本ですよね。
ラッキーなことに Kindle Unlimited で読むことができました。
平成 19 年 7 月が第 1 刷だそうです。13 年前?
読んでみると、出版から 13 年も経っているのに、
上野先生の語り口は今と変わらず、
内容も今読んでも時代遅れなものではありませんでした。
こちらのサイト によると、日本が超高齢社会に突入したのは
2007 年だそうで、今から 13 年前のことです。
つまり、上野先生がこの本を書いたころは、
ちょうど超高齢社会に突入した頃だったんですね。
内容が色あせていないということはつまり、
それから時代があまり変わっていないということですね。

上野先生はとても友人が多いようで
おひとりさまでもあまり寂しい生活ではないようです。
独りで死ぬことについても、死んだら時間をおかずに発見されれば OK というスタンスで
発見してくれるような友人と密でマメなコンタクトを取っておけば
大丈夫と思っておられるようです。
確かにおっしゃる通りなのですが、私には友だちと呼べるような人はあまりいないので
ミイラになる前に死体を回収してもらうにはどうすればいいかと調べてみたところ
LINE で友だち登録しておけば、定期的に生存確認をして
確認がタップされない場合は 24 時間後に確認を再送
更に 3 時間経過しても確認できない場合は直接電話をしてくれ
それでも連絡が取れない場合、近親者へ連絡してくれる サービス があると分かりました。
しかも登録は無料。これ、いいですね。
おひとりさまになったら申し込もう。

あとは「遺すと困るものは処分しておかないと」というくだりに
ドキッとしましたが、いつ死ぬか分からないですからね・・・。
いつ死んでもいいように、清廉潔白な暮らしをすればいいんでしょうが
それじゃあ人生つまらないですから。
ペットも「死ぬかもしれないから」といって飼うのを諦めていては
人生が貧相になりそうです。
調べてみると、ペット信託 というシステムがあるんですね。
ペットを飼うと決まった時から色々と手続きをしておけば
大丈夫かもしれません。ペットも人間と同じですね。
ちゃんと遺されても大丈夫にしておく必要があるし、それは可能であるようです。

私は死んでしまえばそれで終わりと思っているので
散骨希望とかないですし、お墓の手配も不要です。
死んでしまったら、あとはもうどうにでもしてもらえば。
腐敗して、居住中の家の大家さんに迷惑をかけるのだけは避けたいので
死んだらすぐに発見してもらえるような手配だけはしておく。
それで十分な気がしました。


おひとりさまの老後 (文春文庫)

おひとりさまの老後 (文春文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/12/06
  • メディア: 文庫



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ルトワックの日本改造論 [活字中毒のトモ]


ルトワックの日本改造論

ルトワックの日本改造論

  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 単行本


現代きっての戦略家、エドワード・ルトワックさんへのインタビューを
奥山 真司さんが行い、本書にまとめました。
混沌とした今の世の中で、日本はどうふるまうべきなのかを
ルトワックさんが率直に語っています。
本当に「率直」なのです。ルトワックさんってこんなに口が悪い人でしたっけ?
翻訳なのに、口の悪さがにじみ出ています。
ルトワックさんの本(奥山さん訳)をいくつか読んでいますが
こんなに率直なルトワックさんは初めてかも。

ルトワックさんは、日本の「本気度」に期待していらっしゃいます。
いい加減日本は、本気で自国を防衛すべきだし、その権利もあるはずだと。

日本は国家戦略として「若返り」を目指すべきだとも書いてありました。
具体的には、不妊治療を無料にしたり、婚外子を育てやすくしてでも
出生率を上げるべきだと。
世界平和の結果、少子化が進んでいるという視点は、
ルトワックさんならではだと思いました。
「戦う男を、女は愛する」のだそうです。本当か?
私としてはにわかには信じられないのですが、ダイバーシティを進めるほど
少子化も加速するのだそうです。

韓国があのような国になってしまった原因が
「自分たちの祖先が侵略されたときに、臆病者過ぎて戦わなかったこと」
だという意見も面白かったです。
日韓問題の本質は、外交問題ではなく、韓国人の世代間ギャップにあるのだそうです。
自分たちの祖先が、日本の統治時代に臆病者で、戦わなかったことに対して
反発しているにすぎないのだと。こんな国を決してパートナーと思ってはいけないと。

そして似たような例として、スウェーデンをあげています。
第二次大戦中スウェーデンは、ドイツの非人道的な行為に対して、
消極的な傍観者の立場を変えなかった。
今もなお、道徳的なきれいごとを言っているけれど、
それは彼らが傍観者であるからで、いざ危機に直面したら
「どの口が言ってるんだ」ぐらいのことを平気でやる国だと言っています。
そしてこれらの国々を「パートナーには決してしてはいけない国」と
ばっさり切って捨てています。
イタリアもダメ。フィリピンは論外だとも書いてありました。
ギリシャやトルコに至っては「犬」扱いです。
ロシアは「何をやらせてもダメだが、戦略だけは非常に優れている」と。
ね、口が悪いでしょ。

こんなとんでもない国々に囲まれている日本は、
中国が「何か」を起こすことを想定して、忍耐強く受動的な封じ込めを行いながら
自国の防衛力を強固にすべきだそうです。
何かあったら、即座に発動可能な対応策を立てておくべきだと。
まったくその通りだと思いました。

国際的な情報機関をきちんと組織すべきだとも書いてありました。
そしてその方法や、情報員のトレーニング方法までもが
細かく記されています。

また経済戦争も物理的に火器を使用する戦争と同じくらい重要で
国家が提供または指導する産業への投資資本は「火力」そのものだし
国家の補助金による製品開発は「武器の改良である」とも書いてありました。
戦争って、人がたくさん死ぬやつばかりではないのですね。
平和な世の中だと思っているのはアホだけで、
実際は、世界はずっと戦争中だったのでした。

本書でルトワックさんは、習近平が政策の失敗をごまかすために
戦争を起こす可能性があると指摘していました。
そういえば新型肺炎の死者が驚異的に増えだしてから、
習近平のニュースを見ないなと思っていたら
中国軍機が台湾海峡の中間線を越えた というニュースが!
なんて分かりやすいタイミング。
習近平体制は、相当にヤバイところまで追いつめられているようですね。


ルトワックの日本改造論

ルトワックの日本改造論

  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 単行本



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「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました [活字中毒のトモ]


「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました

「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました

  • 作者: 田房 永子
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2019/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」の中で田房さんが
「賛否がきっぱりと分かれた」と言っておられた本。
タイトルがよく分からなかったので、もうついでに読んじゃえ!ということで
Kindle 版を購入して読んでみました。

読んでみると、このタイトルは
あまりにもいろいろなことを端折りすぎているから、
訳の分からないことになっているのだと思いました。
第 1 子は娘、第 2 子に息子を授かった田房さん。
息子と暮らし始めると、娘とだけ過ごしていた時には抱かなかった感情が、
色々と湧き上がってきます。
おむつを外した時に放尿しても、尿が脚にかからないという事実だけを取っても
「もう身体の構造からして、男って処理が簡単にできている。
だからどこか他人事でいられるんだ。自分にとって都合の悪いことは
見ないこと、ないことにできてしまうんだ」とか思ってしまう。
赤ちゃんの世話をしているくらいでこんなことを考えるなんて
自分の中でよっぽど男というものを嫌悪し、恨んでいるからに違いないと
田房さんは考えました。
そんな中、ご主人と大ゲンカをして離婚寸前までいってしまった田房さん。
占い師に悩みを聞いてもらったところ、こんなアドバイスをされます。
「男の人は女の人の役に立ちたいと思っている。
男性である夫さんに対して、女性である永子さんは本来『頼る』とか
『お願いする』という女性的なマインドを出さなくては」
で、2 ショットチャットで複数の男性と話したり
男性受けする洋服を買ってみたり、身体を磨いたりすることで
女性的なマインドについて試行錯誤した結果、
男心や男のかわいさを意識しはじめたら「夫にムラムラされたい」という本音が出てきて
その後週 3 回セックスをする生活を 2 週間続けて、
何とか仲直りできたという経緯。

これは賛否が分かれるわ、というか
田房さんの心の葛藤が大きすぎて、途中で何を言いたいのか分からなくなってきました。
この過程を上野 千鶴子さんは「相手との交渉をきちんと手を抜かないで続けてきて偉い」
と褒めていましたけど、私が読んだ感想としては
ご主人と突っ込んだ話もしないで、占い師や心理療法にすがっている様のどこが
手を抜かないで交渉をしているように見えるんだろうか。
交渉しないで全部自分だけで昇華してしまっているようにしか見えませんでした。
心の持ちようが変わっただけだよ。

ただ田房さんはご自身の心の在り方をものすごく大事にして
本気で何をしたらもっと幸せになれるのかを突き詰めていらっしゃる。
現状を打開するためには 2 ショットチャットで
テレホンセックスまがいのこともしようとするし
イメージワークで過去の男のちんちんと決別したりもする。
そしてこんなネタをここまで赤裸々に書いて、
ご主人はもう何も言わないというのもすごい。
なかなかできることではないと思います。



「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました

「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました

  • 作者: 田房 永子
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2019/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください! [活字中毒のトモ]


上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2020/01/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


東京大学名誉教授の上野 千鶴子先生と、漫画家の田房 永子さんが
フェミニズムについて語った対談集です。
沖縄タイムスの書評を読んで、面白そうだと思って購入しました。
タイムスの書評は毎週 1 冊は必ず、面白そうな本を紹介してくれるので
ついつい購入してしまいます。
この本も、とても面白かったです。Amazon から届いてすぐに読みました。

本書を読むまで、田房さんのことを知りませんでしたが
過干渉のお母さんとの確執を描いたエッセイ「母がしんどい」はベストセラーだそうです。
上野さんは私の母と同い年、田房さんは私の妹と同い年ということで
ちょうど親子のような歳の差のお 2 人が、フェミニズムについて語ると
・・・これは面白い。何が面白いって、上野さんがとても聞き上手で
しかもちゃんと「フェミニズム」というお題からそれないように
話を軌道修正したり、背景に色を付けたりしておられることです。
ポスト消費社会のゆくえ」で辻井 喬さんと対談されていた時は
もうとにかく上野さんの毒舌がすごくて、
辻井さんがひたすらなだめ役という感じだったので、男性にはやはり厳しくて
対談相手が娘ほどの歳の女性だから、こんなに優しいのかしらと
余計な推測をしてしまいました。

私はフェミニストではない、と自分では思っていますが
自分に優しくするのは大好きですし、上野さんが東大の入学式で祝辞として述べられた
「フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」
という言葉が大好きです。
無理に強い人と同じ条件で戦わなくてもいいですよね。
ていうか、そもそも男性と同じ土俵に立つ気はさらさらないので。
それに私は結婚も仕事も、どちらも欲しかった。
となると、家族が大事なので、仕事の方はセーブせざるを得なかったです。
田房さんの言うところの「B 面」の方も頑張らないといけないので。
そんな私が娘に言っていることは
「28 歳までに結婚しろ」と「恋愛や結婚を理由に仕事を捨ててはいけない」
なので、団塊世代と同じことを言っているように聞こえますが
そうではなくて、できる限り娘の人生を応援しようと思っています。
娘が仕事と子育てを両立できるように、私が引っ越してもいいくらい。
ここまで書いてなんとなく思ったのですが
同じくらいの年齢差の親子でも、団塊の世代と団塊ジュニアとでは
フットワークの軽さが違うというか、今の 50 代はまだまだ充分移動可能で
変化に富んだ人生を送れそうです。

あとは「異性愛セックスなんて歌舞伎みたいなもの」という意見も面白かったです。
定石通りに泣ける歌舞伎と同じくらい、パターンが決まりきってると。

私の感想はなんだかぽんぽん飛んでいますが
「フェミニズムについてゼロから教える本」なので
5 つの章に分かれて、女性の大変さや社会との戦い方、
恋愛や結婚、子育て、そしてもちろん性についても分かりやすい話ことばで
(対談ですからね)きっちり説明されています。
面白いうえに説得力があるので、あっという間に読めました。



上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!

  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2020/01/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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影響力の武器 [活字中毒のトモ]


影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

  • 出版社/メーカー: 誠信書房
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 単行本


確か、メンタリスト DaiGo さんの YouTube の動画を見て購入したと思います。
昨年の 9 月に購入したらしいですが
今となってはもう・・・読了するのにずいぶん時間がかかってしまいました。
つまらない本ではなかったのです。
ただ 500 ページちかくある本だったので、読むのにとても時間がかかりました。

著者はロバート B チャルディーニさん。米国を代表する社会心理学者の 1 人だそうです。
私は日本を代表する社会心理学者が誰かも知りませんが。

「品薄な商品ほど、なぜか欲しくなる」
「欲しくもないのに高価な英会話の教材を注文してしまった」
「お笑い番組は笑い声が入った方が面白い」
などといった、あまり気にも留めずに人間が商戦に巻き込まれていく様というか
人間がどれほど外部からの影響に弱いかが色々と検証されている本です。
うーーーん。

本書を読むと、人がいかにしょうもない理由にひっかかって
モノを買ってしまうのかが分かります。
急いでいる「ので」と言えば、自分の順番を譲ってコピーを取らせてくれる人や
チョコバーが好きではないのに、よく分からない理由で
ボーイスカウトからチョコバーを買ってしまう人の状況を
分かりやすい他の事象とともに、分かりやすく解説してくれる本です。
そして章の終わりには、今まで書かれていたことについてのミニクイズもあったりして。
どうしてこの内容が、それほどもてはやされるんでしょうか。
私にはよく分かりませんでした。

だけど確かに、多くの人はこの本に書かれたルールに沿って行動されておられるようです。
「何かしてもらったらお返しをしなくてはいけない」というルールは
私にとっては実に奇妙というか、してもらったことが
別にしてほしくなかったことであっても、人間はお礼をしなくてはと思うんですかね?
仮にこの質問への答えが Yes だったとして、どうしてそうするんでしょうか。
個人にとってメリットは何もないのに。

私は上記の状態にはとても疎いというか、
人からもらった借りを返さなくてはいけないと、思ったことがありません。
普通に、次の人に送ればいいんじゃないの?と思ってしまうのですが
どうも世の中はそうではないようです。
飲みたくもないコーラを無料でもらったからと言って
高価な教材を申し込まなくてはいけないとは夢にも思わないです。
そういえば大昔、保険の外交員さんが高価なお菓子を持ってきて
保険に入ってくれと頼んでいたことを思い出しました。
私が断ったら、外交員さんいわく
「ええ、でももうお菓子を買ってきてしまったのに」
お菓子もいらないし、保険にも入りたくないので断ったんですけど?
本気でこういう考え方をする人が存在するのだと思って
心底恐怖でしかありませんでした。
一般的には、いらないお菓子を買ってきてくれたなら、
保険に入ってもいいかな、と思う人が多いってことなんですね?
(と、この本は言っているように思えます)

「影響力の武器」と言いますが
世の中の人は影響されすぎなのではないでしょうか。
それとも、なんですかね、影響される人はたくさんいるのだから
私のように考える方がおかしくて
手っ取り早く影響を与えたもん勝ちと言いたいのでしょうか。

8 つの章を少しずつ読む間、色々な人が色々なものに騙されていましたが
これを活かしてビジネスをしようという気にはなれませんでした。
基本コンセプトだけ利用すればいいのだと、分かってはいるんですけどね。
どうもそれをしたい気になれない。
私がお金儲けが下手な理由は、ここにあるんだと思います。



影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

  • 出版社/メーカー: 誠信書房
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 単行本



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習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 [活字中毒のトモ]


習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -

習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -

  • 作者: 福島 香織
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2020/02/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


昨年出版された本なのですが、私が数カ月寝かせているうちに年が変わり
中国情勢も随分変わってしまいました。
出版後まだ 1 年も経っていないのに、もう色褪せた感。
ですが福島さんの中国本はいつも、情報がかなり信頼できるソースのものなので
今回も興味深く拝読しました。

中国には「逢九必乱」というジンクスがあるそうです。
末尾に 9 のつく年は必乱の年であり、必ず乱や災いが起きるのだそうです。
そう言われてみると、確かにその通りで
近い過去を振り返っただけでも、2009 年にはウイグル騒乱、1999 年には法輪功弾圧
1989 年には天安門事件が起きています。
さて 2019 年は・・・あれ?何が起こったんでしたっけ。
もう 2020 年の新型肺炎のインパクトが大きすぎて、
2019 年に起こった出来事を思い出せません。
いやいや、香港でデモが起こったな。
これ相当重要な出来事でしたってば。

本書が書かれた時点では、
福島さんは 2019 年に習近平が失脚する可能性が高いと思っておられたようです。
経済的には中国はすでに「シロアリにむしばまれた大木」も同然だし
カリスマ性のない習近平の周りでは、いつクーデターが起こってもおかしくない
宗教弾圧もそろそろ限界だろうし、台湾や香港にも火種がある
(事実、香港では民主化デモが起きてしまいました)
少子高齢化や原発事故も心配・・・と、
中国には心配事が山のようにあるとのことです。

とりあえず、2019 年内には、中国が消滅するような事件は起きませんでした。
ただ 2020 年を無事に乗り切れるかというと、それはないかもしれません。
香港のデモは相変わらず続いていますし、新型肺炎が蔓延しているせいで
中国政府を批判する声は高まっていると聞きます。
株価も下がってきているようなので、実は習近平にとっては
今年を乗り切るのが一番難しいのではないでしょうか。

福島さんの評する習近平の人となりは、ざっくりいうと
「プライドだけが高い凡人」だそうです。
彼は偉大な政治家の息子ですが、父とは違って凡庸な人で
「中国は豚でも皇帝になれる国だ」と悪口を言う人すらいるそうで。
こんな人が国で一番偉いって、国として終わってますね。
日本人に言われたかねぇよ、って言われそうですが。
そして凡庸な人だから、国家主席の座から引きずりおろされるのを恐れて
有能な人はみんな排斥してしまうし、宗教や異民族を弾圧するのだそうです。
だけど弾圧しても恨みしか残らないので、むしろ逆効果だよね
というのが福島さんの意見です。その通りだと思います。
そんなに凡庸な人なのに、たまたま他に適当な人がいなかったから
国家主席になってしまって、習近平自身も不幸なのかもしれません。
でも凡庸ならとっとと有能な後継者を見つけてバトンタッチすれば良かったのに
彼はそうしませんでした。権力ってそんなにいいものなんですかね。
しがみつけばつくほど、後で不幸になるのが
傍で見ている側にはよく分かるので、
前例を破ってまで終身体制を推し進める習近平は、
自分で自分の首を絞めているようにしか見えません。
彼は、新型肺炎の混乱を乗り切れない気がします。



習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -

習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -

  • 作者: 福島 香織
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2020/02/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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