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ルトワックの日本改造論 [活字中毒のトモ]


ルトワックの日本改造論

ルトワックの日本改造論

  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 単行本


現代きっての戦略家、エドワード・ルトワックさんへのインタビューを
奥山 真司さんが行い、本書にまとめました。
混沌とした今の世の中で、日本はどうふるまうべきなのかを
ルトワックさんが率直に語っています。
本当に「率直」なのです。ルトワックさんってこんなに口が悪い人でしたっけ?
翻訳なのに、口の悪さがにじみ出ています。
ルトワックさんの本(奥山さん訳)をいくつか読んでいますが
こんなに率直なルトワックさんは初めてかも。

ルトワックさんは、日本の「本気度」に期待していらっしゃいます。
いい加減日本は、本気で自国を防衛すべきだし、その権利もあるはずだと。

日本は国家戦略として「若返り」を目指すべきだとも書いてありました。
具体的には、不妊治療を無料にしたり、婚外子を育てやすくしてでも
出生率を上げるべきだと。
世界平和の結果、少子化が進んでいるという視点は、
ルトワックさんならではだと思いました。
「戦う男を、女は愛する」のだそうです。本当か?
私としてはにわかには信じられないのですが、ダイバーシティを進めるほど
少子化も加速するのだそうです。

韓国があのような国になってしまった原因が
「自分たちの祖先が侵略されたときに、臆病者過ぎて戦わなかったこと」
だという意見も面白かったです。
日韓問題の本質は、外交問題ではなく、韓国人の世代間ギャップにあるのだそうです。
自分たちの祖先が、日本の統治時代に臆病者で、戦わなかったことに対して
反発しているにすぎないのだと。こんな国を決してパートナーと思ってはいけないと。

そして似たような例として、スウェーデンをあげています。
第二次大戦中スウェーデンは、ドイツの非人道的な行為に対して、
消極的な傍観者の立場を変えなかった。
今もなお、道徳的なきれいごとを言っているけれど、
それは彼らが傍観者であるからで、いざ危機に直面したら
「どの口が言ってるんだ」ぐらいのことを平気でやる国だと言っています。
そしてこれらの国々を「パートナーには決してしてはいけない国」と
ばっさり切って捨てています。
イタリアもダメ。フィリピンは論外だとも書いてありました。
ギリシャやトルコに至っては「犬」扱いです。
ロシアは「何をやらせてもダメだが、戦略だけは非常に優れている」と。
ね、口が悪いでしょ。

こんなとんでもない国々に囲まれている日本は、
中国が「何か」を起こすことを想定して、忍耐強く受動的な封じ込めを行いながら
自国の防衛力を強固にすべきだそうです。
何かあったら、即座に発動可能な対応策を立てておくべきだと。
まったくその通りだと思いました。

国際的な情報機関をきちんと組織すべきだとも書いてありました。
そしてその方法や、情報員のトレーニング方法までもが
細かく記されています。

また経済戦争も物理的に火器を使用する戦争と同じくらい重要で
国家が提供または指導する産業への投資資本は「火力」そのものだし
国家の補助金による製品開発は「武器の改良である」とも書いてありました。
戦争って、人がたくさん死ぬやつばかりではないのですね。
平和な世の中だと思っているのはアホだけで、
実際は、世界はずっと戦争中だったのでした。

本書でルトワックさんは、習近平が政策の失敗をごまかすために
戦争を起こす可能性があると指摘していました。
そういえば新型肺炎の死者が驚異的に増えだしてから、
習近平のニュースを見ないなと思っていたら
中国軍機が台湾海峡の中間線を越えた というニュースが!
なんて分かりやすいタイミング。
習近平体制は、相当にヤバイところまで追いつめられているようですね。


ルトワックの日本改造論

ルトワックの日本改造論

  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 単行本



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