SSブログ

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法 [活字中毒のトモ]


なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

  • 作者: 村山太一
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: Kindle版


ミシュランガイドに何年も名前が掲載される「レストランラッセ」のオーナーシェフ、
村山 太一さんの著書。
Amazon でタイトルを見て面白そうだと思って購入しました。

村山さんいわく、レストランラッセは、ミシュランの星を獲得するほど、
料理を世界的に認められている店ですが、
近年は雇用状況や生産性の悪さに悩まされていました。
どうにかしてそれらを改善したいと思い、彼がとった行動はなんと
低価格でイタリアンを楽しめるファミリーレストランとして知られる
サイゼリヤ」にアルバイトとして雇ってもらい、
効率的な経営や運営のノウハウをとことん取り入れることでした。
結果、村山さんはラッセの人時生産性を、約 3.7 倍にアップさせることに成功しました。

まず偉いなと思ったのがサイゼリヤで、飲食店経営者をよく雇ってくれましたよね。
普通はノウハウの流出を避けるために、こんな人雇わないと思います。
村山さんを採用するときに、経営陣がどのようにして OK を出したのか
興味があります。

村山さんもすごい人(当たり前か)で、たくさんの本を読んで「いいな」と思ったことを
実践し続けています。本を書いた人に憑依するかのように感情移入して読書をしたのって
私は最後がいったいつのことだったか・・・これを本を読むたびに実行する村山さんは
エネルギーに溢れた人です。重度の基礎疾患持ちだと書いていらっしゃいますが
そんな気配は本書には微塵も感じられないです。

イタリアに修行に行ったときに、言葉の壁をどうやって乗り越えたのか
気になるのですが、これを主題にもう 1 冊本を書いてくれないかしら。
レストランの経営は長時間労働で大変なのに
面白いと思ったことをどんどん実現されていらっしゃいます。
ぜひ月でレストランを開業していただきたいです。

より良い方向に変化し続けるためには、
楽しく危機感を持って一つでも多く気づき、即行動する。
超一流をひたすらパクる。
これさえ守れば、普通の努力でも気楽に悠々と生きていける。
と簡単そうに書いていらっしゃいますが、これをできる人はなかなかいないです。
本書の付録として掲載されているサイゼリヤの社長や会長との対談では
お 2 人とも村山さんのことを「ものすごい観察力があるし、素直」と
絶賛されておられたのが印象的です。
ちょっとサイゼリヤに飲みに行きたくなりましたが
・・・残念、我が家の近くにサイゼリヤがありません(泣)



なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法

  • 作者: 村山太一
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 

沖縄から貧困がなくならない本当の理由 [活字中毒のトモ]


沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)

沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)

  • 作者: 樋口 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/06/16
  • メディア: Kindle版


Kindle でお薦めされたので読んでみたところ、なかなかに考えさせられる本でした。
著者は トリニティ株式会社 の代表取締役である、樋口 耕太郎氏。
前職はサンマリーナホテルの代表取締役で、10 年以上赤字続きだったサンマリーナを、
僅が 1 年足らずで経常利益 1.3 億円、
営業キャッシュフロー 2.3 億円の超優良会社へ変貌させた辣腕経営者です。
サンマリーナの代表取締役に就任された 2004 年に沖縄へやってきて
住み続けることはや 16 年。そんな樋口さんが
松山の某店で、毎晩キープ料金を払って水を飲みながら他の客と話し、
延べ 3 万人の人たちとの約 2 万時間の会話から導き出した
「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」とは?

結論から言ってしまうと「一人ひとりの人間が、自分をきちんと愛すること」
なのだそうです。一文で書いてしまうとすごく漠然としているので
何を言っているのか分からないと思いますが、
自分をちゃんと愛せる、自尊心の高い人であれば
自分の地位を守るために優秀な人を排除しようとしないし
空気を読んで、知人の経営するまずい飲食店に定期的に通ったりしない
正当に評価してもらったはずの昇給や昇進を断って
低い給与に甘んじたままでいる人も減るなどなど、良いことづくめだそうです。

読みながら思ったのは「これ、内地の問題と何が違うの?」でした。
樋口さんご自身も「本書では沖縄の問題、という前提で議論しているが
実は、そのほとんどすべての議論は日本社会全体に当てはまる」
と書いていらっしゃいます。沖縄問題とは、濃縮された日本問題だ、とも
書かれています。たまたま樋口さんが今拠点にされている沖縄から物事を見ると
よそ者が俯瞰的に沖縄をとらえる良いポジションにいることから
沖縄をターゲットに話が進みますが、実は「貧困がなくならない本当の理由」は
沖縄のみならず日本全体に当てはまる、というのが結論です。
そして、それを解決するには、人間一人一人が自尊心を持ち
目の前の人の関心に関心を注ぎ、立ち止まって真摯に話を聞けば
そこから未来は必ず拓ける、というのが主旨だと思います。
本当に?と首をかしげたくなりますが、
あのサンマリーナを再建した方がおっしゃることですし、
これがうまく機能するならこんなに良いことはないと思います。

久しぶりに本が面白いと思って、あっという間に読み切りました。



沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)

沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)

  • 作者: 樋口 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/06/16
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 

新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」 [活字中毒のトモ]


新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」

新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/07/31
  • メディア: 単行本


新型コロナウイルスについては、怪しげな記事を Web で見るばかりでしたが、
そろそろきちんと書籍になって情報が公開されているだろうということで
数冊購入してみました。これはその第 1 弾。

国際ウイルス学会会長を務めたこともある、ウイルス学の世界的な第一人者
河岡 義裕教授の著書です。
ノンフィクション作家の河合 香織さんが聞き手となって
見えないウイルスと対峙する恐ろしさを軽減するような、事実だけを
河岡教授が分かりやすく説明するような内容となっています。
3 章で構成されていて、第 1 章が「新型コロナウイルス研究最前線」
第 2 章が「ウイルスと共に生きる」、第 3 章が「ウイルスと私」
というタイトルになっています。

新型コロナウイルスが感染する仕組みや、遺伝子ワクチンで抗体ができる仕組みが
図で分かりやすく解説されています。超文系の私でも、かろうじて理解できました。
またデマでよく言われている「新型コロナウイルスはバイオテロ」説を
教授は一蹴しています。今存在しているウイルスは、すでに環境に最も適したものが
選ばれているわけであるから、それを人に感染するようなウイルスに改変するのは
ほぼ不可能なのだそうです。納得です。逆に弱毒化するのは割と簡単らしいです。

教授はウイルスを人工的に作る「リバース・ジェネティクス」という技術を用いて
生ワクチンを開発中です。またもうひとつ「組み換え DNA」と呼ばれる技術を使って
不活性化ワクチンの開発も進めていらっしゃいます。
ですがはっきりいつ完成するとは書いてありませんでした。そりゃそうですよね。
実用化までには、クリアしなければならない課題がたくさんあります。

第 2 章「ウイルスと共に生きる」もとても面白かったです。
人類の感染症への対処法は、実は昔から大きくは変わっておらず
スペイン風邪の時も、マスクをしている多くの人が写る写真が残っているそうです。
そしてウイルスは大流行を起こした後に、世界中の人に免疫ができると、
数年後には重い症状を引き起こさないコントロール可能なものになるそうです。
スペイン風邪の例だと、大流行した後 40 年間は世界各地で流行を繰り返し、
地上から消えたのが 1957 年だそうで。なんと 17 年もかかっています。
今回のコロナウイルスも、先は長そうです。
やはりこのウイルスとは、今後もしばらくつき合っていかねばならないようなので
正しい知識を身につけて、できるだけ健康を保って、
ウイルスと共存していきたいと思います。



新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」

新型コロナウイルスを制圧する ウイルス学教授が説く、その「正体」

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/07/31
  • メディア: 単行本



コメント(0)