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まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 [活字中毒のトモ]


まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 (一般書)

まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 (一般書)

  • 作者: 小浜逸郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本


MMT について知りたくて、Amazon を検索したら、
Kindle Unlimited で本書を読めるということで、読んでみました。
批評家の小浜 逸郎さんの著書です。彼の本を読むのは初めてです。
読んでみたところ、色々な人たちを小ばかにした文体が気になりましたが
言っていることは正論だと思いました。

本書が出版されたのは 2020 年 2 月で、
内容はまだコロナが大流行する前の前提に基づいて書かれています。

本書によると、アベノミクスは失敗であり、
今やひとり親世帯の貧困率で日本は最下位となってしまったそうです。
ここまで日本が衰退した大きな原因は、財務省の緊縮財政路線にあるのだとか。
貧困から脱却するには、本当は財務省は緊縮財政など進めたらだめで
公共事業にじゃんじゃんお金を使って雇用を生み出し
消費税は廃止すべきだと書かれています。

そして、財務省の言う「財源がない」にだまされないよう
国民は(昔、福沢諭吉が提唱した「学問のすゝめ」のような)よい学問を学ぶことで
現実の危機を深く自覚するための態度や思考力を取り戻さなくてはいけないとのことです。
そうすることで、流布されている常識を疑えるようになるし
間違ったことには「それはおかしい」と言わなくてはいけないと。

この本のどこが MMT につながるんだろう、と不思議に思いながら読んでいくと
後半になってようやく MMT が登場しました。
自国通貨を持ち変動為替相場制をとっている国では、
国債発行額に原則として制約がないことや
失業を避け完全雇用を目指すために
JGP(就業保証プログラム)が構想されていることなどが
簡潔に書かれていましたが、あまりに簡潔にまとまっているからか
イマイチ頭に入ってこなかったです。
仕方ない・・・ちゃんと理解できるように、
レイ教授やケルトン教授の書いた本を読んでみることにします。

そうそう、福沢諭吉の理論は MMT 一歩手前のところまで行っていたと書いてあります。
学問のすゝめの初版は 1872 年。150 年近くも前の思想なのに、すごいことだと。
確かにそうですね。



まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 (一般書)

まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい『学問のすゝめ』 (一般書)

  • 作者: 小浜逸郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本



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仕組まれたパンデミックと隠されたミッション これから世界で起きる4つのこと [活字中毒のトモ]


仕組まれたパンデミックと隠されたミッション これから世界で起きる4つのこと

仕組まれたパンデミックと隠されたミッション これから世界で起きる4つのこと

  • 作者: 高島康司
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: 単行本


社会分析アナリストの高島 康司さんの著書。
アメリカ大統領選が異様な雰囲気のまま終了したので、
ひょっとしたらアメリカ分裂もあるんじゃないかと思って
そういう予測をしている本を探したところ、ヒットしたのが本書です。
高島さんの分析は昔から好きで、以前はメルマガも購読していました。
ちょっとトンデモ系な話が多かったですが、分析そのものは鋭くて
理論としてかなりまっとうかつ起こりうる可能性が高いと思っていました。

高島さんによると、
新型コロナウイルスによるパンデミックは何者かに仕組まれたものかもしれないそうです。
ただこの「何者か」のところがあまりはっきりしておらず、諸説あるようです。
ビル・ゲイツが関与していたとか、ウイルス研究所からリークされたとか
多くの「うわさ話」が紹介されていますが、
はっきり「これだ!」と断定しているものはありませんでした。

また「これから世界で起きる 4 つのこと」は、下記のとおりです。
1) AI による高度監視社会の到来
2) 日本財政破綻機器と MMT の導入
3) 米中対立は激化し、戦争さえ起るかもしれない
4) アメリカが分裂し、覇権が決定的に終焉する

新型コロナウイルスの蔓延はいずれは収束するものの、
経済への影響はこれから本格化するそうです。
2022 年くらいまでにアベノミクスは破綻し、日本は破産するとのこと。
財政破綻を回避できる方法は、MMT(現代貨幣理論)を財政の枠組みとして導入し、
実質的に政府が経済の循環を管理する社会主義化しかないそうです。
そうなると、政府による激しいトップダウンのコントロールが行われ
全体主義的な管理社会に移行するとのこと。
AI などの最新技術はもっぱら人を管理するために利用されるそうです。
嫌な社会ですね。でもすごくありそう。

高島さんは、新しい社会が始まれば、今日本人を困らせている「同調性バイアス」は
なくなるかもしれないと書いていらっしゃいますが
管理社会だと、余計に同調性バイアスが加速しないですかね?
なんとも暗い予測ですが、MMT とピーター・ターチンの数学的予測理論、
あと「中国製造 2025」の詳細は気になったので、関連書籍を読んでみようと思います。



仕組まれたパンデミックと隠されたミッション これから世界で起きる4つのこと

仕組まれたパンデミックと隠されたミッション これから世界で起きる4つのこと

  • 作者: 高島康司
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: 単行本



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結婚の奴 [活字中毒のトモ]


結婚の奴

結婚の奴

  • 作者: 能町 みね子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2019/12/22
  • メディア: Kindle版


作家の能町 みね子さんが、彼女の夫(仮)であるサムソン高橋さんとの結婚生活や
ご自身の恋愛経験や恋愛観について語っている本。

私は自分で色々と考えだすと
「私が暇だから、余計なことまで考えてしまうに違いない」と思って
あえて考える以外の動作を追加投入することで、
深く考えないように生きているのですが
能町さん、お忙しい方と思われるのに、
ものごとを色々、深く深く考えていらっしゃいます。
大丈夫?疲れない?ああ、だけど、めっちゃ考えないと、
性別を変える踏ん切りなんてつかないかもしれませんね。

能町さんは元男性だったけれど今は女性で、恋愛対象は男性(たぶん)
夫(仮)のサムスン高橋さんは、老け・デブ専のゲイ。
お互いが恋愛対象になるはずのない 2 人が、能町さんの思い付きから
結婚生活をする方向で、話が進んでいきます。
この結婚、能町さんの方が乗り気で、サムスン高橋さんを押してたんですね。
能町さんは、結婚前までは 1 人暮らしをする自分のことを
ちっとも構ってあげない人だったとのこと。
1 人で住んでいたら、自分のためにお茶も入れないし、
掃除も相当ヤバイ状態にならないとしないそうです。
一人暮らしが長くなると、そうなっちゃうのか。。なんとなく分かるかも。
私は途中でというか、一人暮らしの早い段階で
寂しさとわびしさに耐えられなくなってしまって
誰かと一緒に暮らしたい思いが強くなりました。
それで早くに結婚してしまって、誰かと暮らすのは楽しいことばかりではないことを
嫌というほど思い知らされたのですが。

能町さんが夫(仮)と暮らし始めて、
自分が汚した寝具を自分以外の誰かが洗ってくれる状況とか
何を見るにつけても、ふと「あ、これ夫(仮)が好きそう」と思うとか
ありふれた日常だけども、今まではなかったことに
細かく驚いたり喜んだりしているのを「分かる」と思いながら読みました。
過去の恋愛話については、色々と面倒で
「とりあえず男性とお付き合いしてみたいから、この人釣ってみよう」とか
「彼女だから、こういうことしないと」とか、
表面的な物事にばかりこだわっているように読め
自分が本当にしたいことを見つけるのに、すごく苦労されていたようでした。
そんなに頭でばかり考えていたら、ハゲないか?

そんな能町さんも、サムソンさんといるときは
「妻だから料理しないと」みたいなことは思わないらしく
結婚してからずっと、サムソンさんが料理をしているようだし
多く稼いで家の改修費を出したのは能町さん。バランスの良い 2 人なのですね。
結婚って、そういうことですよね。
となると、別に性別はどうでも良くて、女性同士や男性同士の同居でも
同じものが得られるのでは良いのでは?と思ったりもします。



結婚の奴

結婚の奴

  • 作者: 能町 みね子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2019/12/22
  • メディア: Kindle版



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日本の地政学 日本が戦勝国になる方法 [活字中毒のトモ]


日本の地政学 日本が戦勝国になる方法 (扶桑社BOOKS)

日本の地政学 日本が戦勝国になる方法 (扶桑社BOOKS)

  • 作者: 北野 幸伯
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2020/12/20
  • メディア: Kindle版


人気メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の著者として有名な
北野 幸伯さんの最新刊です。
いつもながら分かりやすかったです。北野さんの説明の上手さと洞察力に敬服します。

米中覇権戦争勃発中の現在、日本がどのように行動すれば戦勝国となれるかを
地政学の観点から考察していく本です。
北野さんは地政学の研究中にマハン(シーパワー理論の提言者)や
マッキンダー(同ハートランド理論)、スパイクマン(同リムランド理論)を
調べなおし、面白いことに気づきます。
「あれ、第 2 次大戦で負けたドイツと現在の中国は似ているのでは?
そして同様に、当時のイギリスと現在の日本は似ているのでは?」
この観点を軸に、地政学を活かして日本が中国に勝つ方法や
これから世界で起こること、日本が米中覇権戦争で戦勝国になる方法が
惜しげもなく、分かりやすい言葉で提示されています。

これを読むと、地政学をきちんと理解できれば、遠い未来もかなり正確に
当てることができるのが分かります。
ただセンスが必要かも。地政学、私も好きですが、
上手に未来を読み解けたことがありません。
もう 1 冊、地政学の本を読んでみようと思います。

ただ 1 つ気になったのが、北野さんがアメリカ内戦の可能性について
言及されていないことです。
北野さんが言わないなら、内戦にはならないのかな・・・
今のアメリカの状況を観るに、中国は決して情報操作で負けているわけではなく
アメリカ国内をうまく翻弄して、生き残ろうとしているように見えます。
ただこの国が戦勝国となってしまったら、未来は地獄なので
アメリカを応援せざるを得ないのですが、大丈夫だろうか。
しばらくハラハラする状態が続きそうです。



日本の地政学 日本が戦勝国になる方法 (扶桑社BOOKS)

日本の地政学 日本が戦勝国になる方法 (扶桑社BOOKS)

  • 作者: 北野 幸伯
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2020/12/20
  • メディア: Kindle版



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