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結婚の奴 [活字中毒のトモ]


結婚の奴

結婚の奴

  • 作者: 能町 みね子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2019/12/22
  • メディア: Kindle版


作家の能町 みね子さんが、彼女の夫(仮)であるサムソン高橋さんとの結婚生活や
ご自身の恋愛経験や恋愛観について語っている本。

私は自分で色々と考えだすと
「私が暇だから、余計なことまで考えてしまうに違いない」と思って
あえて考える以外の動作を追加投入することで、
深く考えないように生きているのですが
能町さん、お忙しい方と思われるのに、
ものごとを色々、深く深く考えていらっしゃいます。
大丈夫?疲れない?ああ、だけど、めっちゃ考えないと、
性別を変える踏ん切りなんてつかないかもしれませんね。

能町さんは元男性だったけれど今は女性で、恋愛対象は男性(たぶん)
夫(仮)のサムスン高橋さんは、老け・デブ専のゲイ。
お互いが恋愛対象になるはずのない 2 人が、能町さんの思い付きから
結婚生活をする方向で、話が進んでいきます。
この結婚、能町さんの方が乗り気で、サムスン高橋さんを押してたんですね。
能町さんは、結婚前までは 1 人暮らしをする自分のことを
ちっとも構ってあげない人だったとのこと。
1 人で住んでいたら、自分のためにお茶も入れないし、
掃除も相当ヤバイ状態にならないとしないそうです。
一人暮らしが長くなると、そうなっちゃうのか。。なんとなく分かるかも。
私は途中でというか、一人暮らしの早い段階で
寂しさとわびしさに耐えられなくなってしまって
誰かと一緒に暮らしたい思いが強くなりました。
それで早くに結婚してしまって、誰かと暮らすのは楽しいことばかりではないことを
嫌というほど思い知らされたのですが。

能町さんが夫(仮)と暮らし始めて、
自分が汚した寝具を自分以外の誰かが洗ってくれる状況とか
何を見るにつけても、ふと「あ、これ夫(仮)が好きそう」と思うとか
ありふれた日常だけども、今まではなかったことに
細かく驚いたり喜んだりしているのを「分かる」と思いながら読みました。
過去の恋愛話については、色々と面倒で
「とりあえず男性とお付き合いしてみたいから、この人釣ってみよう」とか
「彼女だから、こういうことしないと」とか、
表面的な物事にばかりこだわっているように読め
自分が本当にしたいことを見つけるのに、すごく苦労されていたようでした。
そんなに頭でばかり考えていたら、ハゲないか?

そんな能町さんも、サムソンさんといるときは
「妻だから料理しないと」みたいなことは思わないらしく
結婚してからずっと、サムソンさんが料理をしているようだし
多く稼いで家の改修費を出したのは能町さん。バランスの良い 2 人なのですね。
結婚って、そういうことですよね。
となると、別に性別はどうでも良くて、女性同士や男性同士の同居でも
同じものが得られるのでは良いのでは?と思ったりもします。



結婚の奴

結婚の奴

  • 作者: 能町 みね子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2019/12/22
  • メディア: Kindle版



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