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わたぶんぶん わたしの「料理沖縄物語」 [活字中毒のトモ]


わたぶんぶん わたしの「料理沖縄物語」 (講談社文庫)

わたぶんぶん わたしの「料理沖縄物語」 (講談社文庫)

  • 作者: 与那原 恵
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/04/15
  • メディア: 文庫


50歳からのごきげんひとり旅」で山脇 りこさんが
沖縄旅行に持っていくといい本として挙げておられたうちの 1 冊です。
タイトルからして美味しそうな本ということで、
食いしん坊な私は購入して読んでみたのですが
ごはんの本というよりは、作者が沖縄料理を通して
自分のルーツを手繰り寄せていくお話でした。
作者はノンフィクション作家の与那原 恵さん。
東京生まれですが、ご両親が沖縄出身の方です。

東京生まれの与那原さんは、ご両親も若くして亡くして
その後は特に沖縄とは熱心にかかわることなく生きていたようですが
ある日、知人に教えられて訪れた沖縄料理屋で
彼女のお母さんをよく知っているという店主と出会います。
そのときから彼女は、切れかけていた沖縄とのつながりを結び直すように
たくさんの沖縄ゆかりの人たちと出会い、
彼女なりの沖縄を語っていらっしゃいます。
こういう東京のど真ん中で知り合いの知り合いに遭遇する感じ
うちなーんちゅだなあと思いました。
それどころか、与那原さんは有名な画家や
超老舗の沖縄料理屋の創業者ともお知り合いなのです。
長らく会っておらず、縁が切れたも同然と言いながらも
亡きお母様のお名前を出せば、あっさり対面できてしまう太いつながり。
本当にうちなーんちゅだなあ。
なんというか、ご先祖様が静かに見守っていてくださる感があります。

こんな感じで、ご飯というよりは、生まれ故郷を離れても
どこかでつながっているうちなーんちゅの縁に恐ろしくなりながら読みました。
あ、みぬだるは黒ゴマペーストを使うと簡単に作れるというのは初耳でした。
今度作ってみよう。



わたぶんぶん わたしの「料理沖縄物語」 (講談社文庫)

わたぶんぶん わたしの「料理沖縄物語」 (講談社文庫)

  • 作者: 与那原 恵
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/04/15
  • メディア: 文庫



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ジャイロモノレール [活字中毒のトモ]


ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

  • 作者: 森博嗣
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: Kindle版


NHK で放送中の「魔改造の夜」が大好きで、毎回楽しく視聴しているのですが
キックスケーター25m綱渡り」の回で P ナソニック社のチームの方が
番組内で本書を読んでいるのを見かけました。
黄色い表紙の幻冬舎新書で、しかも作者は工学者であり小説家の肩書もお持ちの
森 博嗣先生のようです。森先生なら、文系脳の私にも分かるように
ジャイロについて説明してくれるんじゃないのか?
そんな淡い期待を抱いて本書を購入しました。

読了したところ、これは森先生が彼の hobby(個人研究)について熱く語る本でした。
一読しただけでは、文系脳の私はジャイロモノレールの仕組みを
完全には理解できなかったです。
何回か読めば、理解できるようになるかな?
いやむしろ、実際にジャイロを購入して実物を使って動作を確認すべきか?
森先生はそんな読者がいることも想定内のようで
「文字が知識として入力されても、理屈が頭の中で展開しない
という状況の方が多数だと思われるが、そういった場合は
とりあえずは鵜吞みにして『そんな感じのものがあるのかな』程度で
流しても OK」だと言っておられました。
本書において森先生は、ジャイロモノレールについて、
一般の方にもわかる範囲で説明を試み
実際の実験の様子や試作機に関する情報を公開し、今後の展望を述べた後で
「個人研究って楽しいですよ」と研究を趣味として続けることを推奨されています。

「研究とはいっても、自己満足を自分流で追及していい、だって趣味なんだから」
と言われて、ちょっと気楽になりました。
興味の湧いたことを、気のすむまで調べまくるのは確かに楽しいので
特にものにならないことでも、続けていいのだと思うことができました。
この習慣は確かに、ボケ防止によさそうです。

そしてこの本を参考にキックスケーターを 25m 綱渡りさせてしまう
P ナソニックの社員さんは、やっぱりすごい人たちなのです。
モノづくりに携わる人たちを尊敬します。
P ナソニックさんはなんと自社サイトでも「魔改造の夜プロジェクト特設サイト
を開設し、マシーンの技術解説やチームメンバーの紹介などを行っています。
理系の学生がこれ見たら、就職したくなるんじゃないでしょうか。



ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

ジャイロモノレール (幻冬舎新書)

  • 作者: 森博嗣
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: Kindle版



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超人ナイチンゲール [活字中毒のトモ]


超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)

超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)

  • 作者: 栗原 康
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2023/11/20
  • メディア: 単行本


沖縄タイムスで掲載されていた書評を読んで、面白そうだと思って購入しました。
紙の本、久しぶりかも。
著者は栗原 康さん。東北芸術工科大学非常勤講師で専門はアナキズム研究だそうです。

とても口語体の本で、逆にちょっと読みにくいなと思いながら
気が乗るとたくさん読めたりして、なんとか読了にこぎつけました。
読んだ後から思えば、年表もちゃんと書いてあるし、
話の途中でちょいちょい人物紹介もされているところが、親切な本です。

フローレンス・ナイチンゲールが偉業を成し遂げることができたのは
彼女が貴族でハイパーお金持ちだったから、というのは知りませんでした。
昔伝記を読みましたが、そんなあからさまに書いていなかったと思います。
自分の資金を看護に使って、名声を得て集まった基金をさらに看護のために使った。
上手なお金の使い方って、こういうのではないでしょうか。

ナイチンゲールの考えていた病気の定義が
「回復過程であり自然の努力の表れである」というのは初めて知りました。
なんとなく野口 晴哉さんっぽい。
そして彼女が今から 100 年以上も前から、
治療ではなくて未病の大切さを説いていたというのも知りませんでした。
統計学的視点から物事を考えたり、対局を読む能力に長けていたということで
とても頭の良い人だったのですね。
これは家庭に収まって良き夫人となるような人ではない。

彼女と一緒に仕事をする人はほとんどが過労死する、というくだりはちょっと笑えました。
ナイチンゲール自身、それほど体が丈夫だったわけではないのに
なぜ周りの人がそこまで疲弊する?あ、自分が働けない分他人をこき使うのか。
自分の体力以上に脳みそがエネルギッシュだと、そういう感じになるんですね。
そして彼女と生涯並走できる人はいなかったと。
残念な話です。そういう人がいたら、もっと偉業を成し遂げられたはずなのに。



超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)

超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)

  • 作者: 栗原 康
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2023/11/20
  • メディア: 単行本



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アフリカとアメリカ、ふたつの視点 思いもよらない 日本の見かた [活字中毒のトモ]


アフリカとアメリカ、ふたつの視点 思いもよらない 日本の見かた

アフリカとアメリカ、ふたつの視点 思いもよらない 日本の見かた

  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2024/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


北野 幸伯さんが、メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」で薦めていた本です。
本の内容が断片的に紹介されていて「面白い」と言っておられたので
どんな本なのか気になって読んでみました。

アメリカ人の歴史学者で、現在は 麗澤大学 で准教授を務めておられる
ジェイソン・モーガンさんが、思想家 漫画家の星野 ルネさんに興味を持ち
対談を持ち掛けたのが、本書が出来上がるきっかけだそうです。
当初はモーガンさんが編集を手掛けておられる「JAPAN Forward」の記事(これ かな?)を書くのが目的だったようですが
もっと楽しい、議論が伝わりやすい鼎談本を作りたいということで
育鵬社の田中 亨さんに取りまとめを依頼されたのだとか。
確かに田中さんは要所要所で上手なコメントをしてお 2 人の話をまとめ
読みやすい内容にしてくださっています。
また本書には星野さんの漫画も多く登場して、
読みやすさをさらに後押ししてくれています。

お 2 人とも日本で暮らすマイノリティとしての立ち位置で
日本の良いところや悪いところ、意外なところなどを
ざっくばらんに語っていらっしゃいます。
その内容は、まあ、個人的な意見だなというか
モーガンさんと星野さんが見ている「日本」という国は
同じようでいて実は違うかもしれない、日本での暮らしは人の立ち位置によって
こうも違うのか、というのが印象的でした。

特に星野さんの立ち位置は非常に繊細です。
彼はカメルーンで生まれ、日本人の血は流れていないのに
4 歳から日本で暮らしている。
こういうバックグラウンドを持つと、
考え方が繊細にならざるを得ないよなと思いました。
お母さんみたいに、愛した人の国に勇気を出してやってきたわけでもないしね。
かといってカメルーンに帰ったところで、今となっては鶏も絞められない。
どちらの国でも「あれ、なんか変?みんなと違う?」と思う場面にたくさん出くわす。
この状況はかなり大変で、自分の立ち位置に納得するのに
すごく時間がかかっただろうなと思いました。
お父さんが日本人だったら、少し違った人になったかもしれません。

逆にモーガンさんは、アメリカ人だけれどアメリカ社会に適応するほうが大変で
むしろ日本での暮らしの方が合っている印象でした。
「アメリカにいると常に緊張を強いられる」と言っておられたのが
心に残っています。アメリカ人でもそう思うんですね。
道理で日本人の私が行った時も常に気を張らざるを得なかったわけです。
外国人だからというのではなく、そういう国だからというのが正解なのか?
いや多分、日本がとても暮らしやすい国だからでしょうね。
増税ばかりしているけど、のほほんと暮らせて、温泉もたくさんあって
いい国です。



アフリカとアメリカ、ふたつの視点 思いもよらない 日本の見かた

アフリカとアメリカ、ふたつの視点 思いもよらない 日本の見かた

  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2024/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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お金がかからない暮らし方 | 3500万円貯めて見えてきたお金に好かれる暮らしとは? [活字中毒のトモ]


お金がかからない暮らし方 | 3500万円貯めて見えてきたお金に好かれる暮らしとは?

お金がかからない暮らし方 | 3500万円貯めて見えてきたお金に好かれる暮らしとは?

  • 作者: コツコツさん
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/05/12
  • メディア: Kindle版


節約に関する本はたくさん読んでいますが、
ちょっとこれまで読んだことがない内容でした。

YouTube でお金や節約に関して配信している
コツコツさん の著書です。
74 ページの薄い本なので、あっという間に読めました。

お金を使わずとも豊かになれ、貯金もできてこころから満たされる
そんな生活を実現するための方法を紹介してくださっています。
彼女曰く、忙しくしているのにお金がたまらない理由は 2 つあって
1 つは時間がなさすぎること、もう 1 つは、
からだは忙しいけど、脳はひまだからだそうです。
時間がないからと言って、時短のための設備やサービスに投資しても
お金で買える時間はたかが知れているそうです。
そんなことにお金を使うのではなく、
人生でたいせつなたった 2 つのものは、健康と睡眠なので
この 2 つを充実させれば、
おのずとお金を使わない暮らしが可能になると書いてありました。
朝早く起きて、暗いうちから電気を使って活動する「朝活」なんてもってのほかで
ちゃんと朝日が昇ってから起きれば、光熱費も少なくて済むし
お昼に眠くなってコーヒーを飲むこともないといいます。
うーん・・・どうなんでしょう。
確かにお金は使わずに済むけれど、その生活、楽しいか?

他にも、お昼を節約するためにお弁当を作るのは無駄でしかなく
実際に作るべきは帰ってから食べる晩御飯である、というご意見は
面白かったです。なんというか、この方めちゃめちゃズボラな人です。
私に言われたくないでしょうけど。

ご褒美をたくさん自分に与えがちな人は、
その分たくさんの我慢をしている可能性があるので
ご褒美の量を増やすのではなく、まずはやらされていること、
しぶしぶやっていることそのものを減らす必要があるというご意見も
新鮮でした。
他にも、「貯金上手な人は、お金を使う目的が非常にはっきりしていて
使うときも迷いがない」とか
「目的が必要なのは、貯金よりも出費だ」とか
普通の節約本には書いていないことがいっぱい書いてありました。
節約本を面白いと思ったのは、久しぶりです。
固定観念を取り払いたいときに読むのがお勧めです。




お金がかからない暮らし方 | 3500万円貯めて見えてきたお金に好かれる暮らしとは?

お金がかからない暮らし方 | 3500万円貯めて見えてきたお金に好かれる暮らしとは?

  • 作者: コツコツさん
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/05/12
  • メディア: Kindle版



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ゼロから始める都市型狩猟採集生活 [活字中毒のトモ]


ゼロから始める都市型狩猟採集生活

ゼロから始める都市型狩猟採集生活

  • 作者: 坂口 恭平
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2015/07/24
  • メディア: Kindle版


縄文時代の「狩猟と採集」で成り立つ生活が、
現代でも成り立つのかどうか気になって購入したのがこちら。
さすが坂口 恭平さん。こういうことに日本一詳しいのでは。

「太古の人間が海の幸、山の幸を享受して暮らしたように
ぼくらの周りにも、「都市の幸」が溢れている。
きみに都市型狩猟採集民として生きる方法を伝授しよう」
と坂口さんは巻頭で言っています。なんて頼もしい。

まず衣服と食事を確保し、次に寝床を確保し、パーティを組む
そして生業を手に入れれば、生きていくことは可能だと書いてあります。
なんとこれらは、無料で手に入るとも。
本書が発行されたのは 2010 年 8 月なので、
今とはちょっと状況が違うかもしれませんが
少なくとも 10 数年前の東京都内では、
衣類は教会やごみから手に入れることができるし
食べ物も炊き出しの場所を把握していれば問題ない
住む場所も、探せば寝る場所くらいあると書かれています。
坂口さんの知り合いのホームレスの方々も複数登場されるので
それは本当のようです。

だけどこういう生活は女性向きではないと思いました。
少なくとも私は、夜は鍵のかかる家屋の中で眠りたいですし
炊き出しをやっている場所も知らないです。
自分が生きるために必要な最低限のエネルギー量を理解すれば
世の中の捉え方がきっと変わってくる
つまりそれは、一匹の動物としての視点を獲得するということでもある
人間というものは、生活そのものからさまざまな刺激、興奮、感動を受け
偶然起きるとてつもない出来事を楽しむために生きているのだ
というご意見はまさにその通りだと思いましたが
いざ自分で狩猟と採集の生活に入ろうとすると、これはかなりハードルが高い。

家とインフラはセットではない
家というものには常に「いつかは壊れる」という前提が隠されている
というご意見にも同意します。
だから持ち家には全く興味がありません。
身軽でいるには、賃貸が一番。
ただ年金で暮らすようになったら、もっと家賃の安いところへ移らないと
暮らしていけない(つまりもらえる年金の額が少ない)ので
狩猟と採集でなんとかなるかなと考えたのですが、
やはり甘かったようです。
ただ無料で暮らせる可能性は、ゼロではないことは分かったので
私でも色々と考えれば、暮らせる方法はあるかもしれないと思いました。
もう少し考えます。



ゼロから始める都市型狩猟採集生活

ゼロから始める都市型狩猟採集生活

  • 作者: 坂口 恭平
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2015/07/24
  • メディア: Kindle版



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縄文文化が日本人の未来を拓く [活字中毒のトモ]


縄文文化が日本人の未来を拓く

縄文文化が日本人の未来を拓く

  • 作者: 小林達雄
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/04/25
  • メディア: 単行本


本山さんが運営されている「本山よろず屋本舗」の
よろず屋寸話録」で紹介されていた本です。
面白いのかなあと思って読んでみたのですが
その時点で私はすっかり忘れていました・・・
モトさんがとても胡散臭いおじさんであることを。

本書の著者は、考古学者で國學院大學名誉教授を務めておられる
小林 達雄 先生です。
小林先生曰く、われわれが子どもの時に学校で習った
「人類は自然を克服しながら、文化を築いてきた」というのは
農耕文化で自然を征服しようとする関係になってからの話で
日本列島で農耕が始まるまでの 1 万年以上の縄文文化は
その他の文明精神国がどこも体験することができなかった
自然との共生を体験しているので、日本的観念、日本的姿勢というのは、
もともと他の国とは基盤が違うのだそうです。

新石器革命で農耕と共に定住するようになった大陸側の人々は
自然と共生しないで征服しようとしてきた
人工的なムラの外側は開墾すべき対象だった
一方の縄文は「狩猟、漁労、採集」によって定住を果たしていたため、
ムラの周りに自然を温存して、自然に秩序を保ちながら、
自然の恵みをそのまま利用するという作戦を 1 万年以上実践し続けたとのこと。
本当ですかね?見てもいないことを単純に信じることができない私は
この主張をそのまま鵜呑みにすることができませんでした。

なんというか、主張に対する確固たるエビデンスが何もないまま
延々と恨み節を聞かされている気分になりました。
「私の主張は聞いてもらえない」「信じてもらえない」と
ぼやいている暇があったら、信じるに値するようなエビデンスを出してくれ。



縄文文化が日本人の未来を拓く

縄文文化が日本人の未来を拓く

  • 作者: 小林達雄
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2018/04/25
  • メディア: 単行本



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くらしのための料理学 [活字中毒のトモ]


くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

  • 作者: 土井 善晴
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: Kindle版


Kindle Unlimited で読みました。
料理人が料理への愛を語る 1 冊でした。
料理を通じて、持続可能な家族のしあわせと
この地球で心地よく生きていくための道筋を、
みなさんとともに考えていきたい、と書いてありました。
料理の「そもそも」を知り、暮らしの意義と構造を知ることで、
要領よく、力を抜いて「ちゃんとできる」ようにするのが本書の目的だそうです。

料理界の進化は、経済と共にあって実現できる
だからこそ、芸術的な料理の世界は、
伝統を否定してでも、進化し続けることを使命とするけれど
伝統は、そこにいつまでもあるべき私たちの故郷。
故郷を切り捨てることは、突き詰めれば地球を捨てるのと同じこと。
地に足のつかない、地球を排除した人間の進化に希望はないので
経済のからんでこない家庭料理は、
地に足のついた、素材の味がよく分かるシンプルなものでいい
というのが土井先生のご意見です。
極端な話、家庭料理なんて一汁一菜で十分だというのです。
しかも土井先生の場合、「一菜」はなんと漬物!
汁物とご飯と漬物、いわゆる「汁飯香」を基本にする食事のスタイルを
提唱されています。

これを読んで、私は思いました。
もう毎日鍋料理で良くないか?
たぶん食い意地の張っている私は数日で飽きて、
色々と酒のアテを作り始めると思うのですが
少なくとも仕事が忙しい時期は、鍋だけでいいはず、と心を軽くしたのでした。



くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

  • 作者: 土井 善晴
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: Kindle版



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新版 科学がつきとめた「運のいい人」 [活字中毒のトモ]


新版 科学がつきとめた「運のいい人」

新版 科学がつきとめた「運のいい人」

  • 作者: 中野 信子
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/08/31
  • メディア: Kindle版


新聞広告で何回もこの本の宣伝を見かけたので、つい購入しました。
脳科学者の中野 信子先生の著書です。

結構読みやすい本なので、途中まではそこそこのスピードで読んでいたのですが
「セロトニンが運をよくする上で必須の物質だ」とか書かれているところで
ちょっと待て、と思ってしまい、読み進めることができなくなりました。
「セロトニンが運をよくする上で必須」だとしても
「セロトニンがあれば運がよくなる」訳ではないよなと。
だとすれば、いちいちセロトニンがどうこう言う必要はあるのかしら?
こう考え出したら、もう本書に書かれていることが単なるこじつけにしか思えなくなり
読む気がなくなってしまいました。

それでも何とか読了できたのは、この本が本当に読みやすかったからです。

中野先生いわく、「運」というものは必ずしも、
その人がもともと持っていたり生まれつき決まっていたりするものではなく
その人の考え方と行動パターンによって変わるのだそうです。
運がいい人には共通した考え方や行動パターンがあり
運はコントロールできると。
ただし運の良さというのは、客観的に定義できるものではなくて
「運が悪い」と感じてしまう人は、単純に
彼らが自分なりの「しあわせのものさし」で測った目的や目標を持っていないのだ
自分なりのしあわせの価値観をベースにした
「こうしたい」「ああしたい」という思いを持ち合わせていないから
「運が悪い」と思ってしまいがちで
さらに悪いことに、自分の価値観が明確になっていない人は、
他人の意見や一般的な価値観に影響を受けやすくなると書いてありました。

コインを投げるときと同様に、目的や夢に向かう道のりも、
マイナスの出来事あるいはプラスの出来事ばかりが続く場合は少なくないが
長期的に見れば、必ずマイナスとプラスの出来事が入り込む
つまり人生トントンになるようにできているそうです。
それなのに運が悪い人というのは、この長期的な視点を持つことができないので、
マイナスの出来事が続いたときにゲームをおりてしまい
「運が悪かったよね」と思ってしまうのだとか。
このあたりはなるほどね、と思いながら読みました。
ですがそうなるともう「運」ではなくて、運がいいとか悪いとかを気にせずに
ひたすら自分のやりたいことや夢に向かって突き進むのが
いちばん良いということになります。ふむ。。



新版 科学がつきとめた「運のいい人」

新版 科学がつきとめた「運のいい人」

  • 作者: 中野 信子
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/08/31
  • メディア: Kindle版



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じい散歩 妻の反乱 [活字中毒のトモ]


じい散歩 妻の反乱

じい散歩 妻の反乱

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: Kindle版


じい散歩」の続編を、さっそく読んでみました。
前作からさらに歳を重ね、夫婦あわせて 180 歳を超えた新平と英子。
3 人の独身中年息子たちは相変わらずで、
自宅介護が必要になった母親の面倒を見る気配もありません。
新平が老体に鞭打って、英子の介護を一手に引き受けています。
長男は相変わらず引きこもりだし、次男は同性の恋人との暮らしを楽しんでいて
三男は顔を合わせば借金の申し込みばかりしてきます。
私も普段、実家のことはあまり気にかけないので
人のことは言えませんが、息子が 3 人もいてもこんなに頼りにならないとは。
子どもに頼ろうと思うのがいけないのか。
どうせ頼りにならないと最初から思っていれば、
いざ介護となって本当に頼りにならなくても、それほど落胆はしないかもしれませんね。

タイトルに「妻の反乱」とあるので
英子さんはどんなすごい反乱を企てたんだろうと思っていたのですが
意外とかわいいもので、拍子抜けでした。
前作であんなに過去の浮気を責め続けていたのに
90 歳を超える頃には、怒りが収まったんでしょうか。
死ぬまでに、仏の域に達したってことですかね。

おそらく息子たち 3 人は、新平さんが亡くなった後も
どうにかこうにか暮らしていくのでしょうし
奇跡も起きないとは思うのですが、彼らのその後の話を
読んでみたいような、読みたくないような。
特に三男の雄三は、ロクな人生の終わりを迎えないと思われるのですが
意外とああいう人は、
上手に誰かたかれる人を見つけて生きていくのかなとも思うので
近所で陰ながら「その後」を見守る役をやってみたいです。
知り合いには絶対になりたくありませんが。見るだけね。



じい散歩 妻の反乱

じい散歩 妻の反乱

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: Kindle版



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