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じい散歩 [活字中毒のトモ]


じい散歩 (双葉文庫)

じい散歩 (双葉文庫)

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/08/08
  • メディア: Kindle版


沖縄タイムスの書評コーナーで紹介されていた本です。
読んでみると、不思議な本でした。

明石家の主である新平は散歩が趣味の健啖家で、
女性とのコミュニケーションが大好きな人です。御年 89 歳。
1 つ年下の妻は、そんな夫の浮気をしつこく疑っています。
どうも認知症の疑いがあるようです。
2 人には 3 人の息子がいますが、長男は高校中退後、ずっと引きこもり。
次男は恋人が男性の自称・長女。三男はグラビアアイドル撮影会を主催しては赤字で、
親に無心ばかりする、金にだらしない男。アラフィフなのに全員独身です。

新平が 89 歳になっても元気でいられるのは、
毎日散歩に出かけて、美味しいものを食べて、
好きな建築物や絵画を観ているからのようです。
趣味の時間の描写はとても楽しそうで、老後の趣味が「散歩」というのは
いいかもしれないと思いましたが、他が残念過ぎます。
この家族、新平が死んでしまったら間違いなく全員のたれ死にます。
あ、かろうじて次男は大丈夫かも。
だけど次男には他のやっかいな家族を養うだけの甲斐性はないので
残りの 3 人は野垂れ死にでしょうね。
なのに、そのことを務めて考えていないそぶりで、毎日を暮らしています。
この状態がいいのか悪いのか?普通に考えたら良くないのでしょうけれど
この一家はこれが精いっぱいなのだと思います。
先のことをあれこれ考えても、どうにもならない。
ただ毎日を淡々と生きていくだけでも大変なのだと思いました。

このお話には 続編 があるようです。
さてどんな展開になるのかしら。
読んでみようと思います。



じい散歩 (双葉文庫)

じい散歩 (双葉文庫)

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/08/08
  • メディア: Kindle版


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